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シニア1万人に聞いた「50代の過ごし方を後悔している理由」トップ3

2020年07月08日 06時00分更新

文● 大塚 寿(ダイヤモンド・オンライン

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50代は、40代の延長ではない。“50代モード”にシフトチェンジする必要がある(写真はイメージです) Photo:PIXTA

“人生100年時代”の折り返し地点である50代。50代になると、役職定年や早期退職、親の介護、自身の健康といった今までになかったテーマと向き合わなければなりません。さらに、昨今の新型コロナ禍で仕事面も経済面も先行きが見えない中を生きていくには、これまで通りの働き方・生き方をシフトチェンジする必要があります。そこで今回は、ベストセラー著者・大塚寿氏の新刊『50代 後悔しない働き方』(青春出版社)から、1万人へのインタビューで聞こえてきた「50代の後悔ランキング」を紹介します。

50代は40代の延長ではない!早めのシフトチェンジを

「年金だけでは夫婦で2000万円が不足する」

 という「2000万円問題」が物議を醸しました。しかし、「都市部で暮らすなら、2000万どころじゃないのでは?」と、だれもが感じているのではないでしょうか。

 今の65歳以上は、何だかんだ言って「逃げ切り世代」です。しかし、私たち50代は違います。お金だけでなく、スキル、人脈など含めて、「これまでの貯金で逃げ切りたいけど、残念ながら難しそうだ」と、気づいてしまいました。

 ほとんどの企業や組織では、50代で年収が最大化します。当然、待遇に見合った成果を求められます。組織やチーム全体のパフォーマンス向上、マネジメント、後進の育成、技術の継承といった役割責任も最大化します。さらに、役職定年・早期退職、親の介護、自身の健康……といった、40代には他人事だったテーマが立ちはだかります。

 定年が65歳に延びる企業が多いとはいっても、60歳になった時点で新入社員レベルの条件での再雇用になるケースがほとんどです。つまり50代は、サラリーマン人生が事実上「試合終了」に向かう10年間なのです。

 50代は、40代の延長ではありません。“50代モード”にシフトチェンジする必要があります。

1万人から聞いた「50代を後悔している」理由とは

 リクルートの営業マン時代、なんとかよりよい未来にしようと、社内外の大手~中小企業の経営者や管理職の諸先輩にアドバイスを求め始めました。独立してから今までに、講師を務める研修のセッションや取材でアドバイスを頂いた方を合わせると1万人を超えました。その中で、50代へのメッセージとして最も大きかったのは

・50歳になったときに、『意識』を変えるべきだった。
・「もういいや」はもちろん、「まだまだ頑張るぞ」だけでは危ない。
・『自分が存在した証として、55歳の役職定年、60歳の定年までに会社に何を残したのか』という意識を持って、仕事のしかたを変えておけばよかった……

 という声でした。

 では、この「1万人インタビュー」で頂いた様々なメッセージの中から具体的に、「50代を後悔している理由ランキング」トップ3をご紹介します。

50代で後悔していること第3位「アイデンティティの喪失」

 3位は「アイデンティティの喪失」です。「○○銀行の大塚です」「◎◎商事で部長をしております大塚です」といった名刺や組織というバックボーンがなくなると、「自分にはこういう価値がある」と思えなくなってしまうのです。とくに、財閥系と呼ばれる企業や大手有名企業出身者に多く見られます。

 定年後に名刺を作り、裏に出身企業名や「元部長」などの肩書、はたまたご丁寧に出身大学・学部まで入れているシニアもいますが、これも「アイデンティティの喪失」を恐れた典型と言えるかもしれません。「会社の名刺がなくなっても消えないアイデンティティ」を確立できなかったという後悔も見え隠れします。

 もちろん、独立・創業して新しい仕事を始める場合は、名刺の裏に出身企業や出身校を入れるのは戦略的ですから、大いにやるべきだと思います。

50代で後悔していること第2位「モチベーションの低下」

 2位は「モチベーション」の低下です。「55歳の役職定年が射程圏内に入ったとたん、モチベーションが維持できなくなった」という後悔です。

 まず55歳の役職定年で年収がガクッと下がり、さらに60歳からの再雇用で新入社員並みか、時給1200円程度の待遇になる企業が多いのです。900万円から1200万円の人が300万円になるといった、「4分の1」「3分の1」あたりが、よくあるケースだと思います。特に、役職の高い人ほど年収の下げ幅が大きく、モチベーションが保てなくなるのです。

 また、年収だけでなく、役職定年になったとたんに上司が年下になったり、経験やキャリアをあまり生かせない部門に異動になるのも、モチベーションダウンの原因になっています。

50代で後悔していること第1位「定年後の人生設計」

「1万人インタビュー」における「50代を後悔している理由」の栄えある(?)第1位は、他でもない「定年後の『人生設計』をしておくべきだった」です。

「お金」や「人脈」、「やる気」も上位になりましたが、トップはこれでした。仕事に忙殺されて、それどころではなかった人も多いでしょうし、なんとなく漫然と過ごしているうちにいつの間にか60歳に、という人もいます。

 意外に多かったのは、「定年になったら、まずはゆっくり充電しながら、その先のことを考えよう」と思っていたタイプです。

 しかし、その充電中に「現役時代、せめて50歳から、定年後の『人生設計』をしておくべきだった」と後悔するというのです。役職定年や雇用延長が射程に入ってきた世代は、教訓にしたいものです。

「後悔ランキング」いかがでしたか?

 50代で何を始めておくべきか、何から始めればいいのか、たくさんあって気が重くなってしまった人もいるかもしれませんが、一つ一つ対策を講じる必要はありません。すべての根っこは「定年後の人生設計をしていなかった」ことにあります。逆に先々の設計をしておけば、多くの後悔は防止することができるのです。

 次回は、50歳になったときに何を意識して動くべきか、具体的に解説します。

>>次回は7月15日(水)公開予定です。

※本記事はダイヤモンド・オンラインからの転載です。転載元はこちら

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