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前田知洋の“マジックとスペックのある人生” 第120回

ビデオ会議の音声が悪い。それはアンビエンスのせいかも?

2020年07月14日 16時00分更新

文● 前田知洋 編集●ASCII

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 オンラインのビデオ会議で自分や他人の音声がちょっとヘン……? と思うことはありませんか。ピンマイクにしたほうがいい、ヘッドセットマイクがいい、なんてアドバイスもありますが、どこも品薄状態です。また、「ヘッドセットは見た目がダサい」「仕事で使うにはちょっとおおげさかも……」と敬遠する人もいるかもしれません。

 そこで今回は「なぜ音声がヘンになるか?」という、もう少し踏み込んだ話をしたいと思います。

 ZoomやSkypeなどで、ビデオ会議の音声がヘンな音になるのは、主に理由が3つあります。

1)PCのファンのノイズを拾うなど、マイクの性能の問題
2)アプリの音声調整やノイズ処理など、デジタルフィルターの問題
3)アンビエンス

 機材にお金をかけた人気YouTuberや、テレビ番組の出演者の声ががクリアに聞こえるのは、マイクの性能がよく、スタジオなど、収録の場所の広さが十分にあるから。ちょうど、上の1と3がクリアされている環境です。ラジオ番組などもそう。ラジオの収録場所は狭いことがほとんどですが、スタジオの壁や天井に防音材を使うことで狭さを感じなくさせています。

 上記の2の問題は、アプリの設定でフィルター関連のチェックを外すことで改善できます。

アンビエンスとは?

 アンビエンスとは、「周囲」や「環境」という意味で、ホールや部屋の響きを指す用語でもあります。ビデオ会議なら、発話した音声がマイクに伝わり、壁や天井にぶつかって戻り、それをわずかな時差でマイクが拾うことで発生します。

 音響のプロに音声を聞かせると、アンビエンスで部屋の広さや環境が推定できるそう。それで誘拐犯を捕まえた例まである……。そんな話を大学の音響工学の授業で聞いたことがあります。

 話を戻すと、音声はできるだけアンビエンスをなくすと、相手にクリアに聞こえます。しかし、家の壁に防音材を貼るのも難しいですし、かといってヘッドセットマイクだとマイクに鼻息も聞こえちゃう……と、対処もなかなか大変です。

アンビエンスをなくして音声をクリアにするには?

 お金をかけず、手軽にできる方法として、ビデオ会議をするときは壁際ではなく、できるだけ部屋の中央にいるとアンビエンスが少なくなります。可能なら、広い部屋で通話するのがポイントです。

 さらに、カーテンやロールスクリーンを閉めるなど、音が反射しない環境をつくるなどの方法もあります。ただ、光を遮りすぎてビデオの写りが悪くならないように配慮する必要はあるかもしれません。フローリング、ガラス、コンクリート壁などは音を反響しやすく、アンビエンスが発生しやすい素材です。

 もし多少の予算がかけられるなら、指向性のあるマイクを机に置いたり、ピンマイクを使うのもいいでしょう。パーテーションをお使いなら、布やカーペット素材が表面に貼られたタイプを選びます。

挿すだけで使えないマイクも。おすすめは指向性を選べるタイプ

 ピンマイクを使うのもアンビエンスには効果があるのですが……、今はどこも品薄なのが難点です。さらに、ピンマイクの中にはコンデンサーマイクのタイプもあり、音質はいいのですが「ファンタム電源」と呼ばれる別の電源装置が必要なことも注意が必要です。ボタン電池を簡易的なファンタム電源に使う製品もありますが、バッテリーの残量が心配で、ビデオ会議では常用しづらいかもしれません。

コンデンサーマイクはファンタム電源が必要。PCに直接挿すだけでは使えないこともあるので注意

 筆者がビデオ会議に愛用しているのは、ファンタム電源が内蔵されたコンデンサーマイク「BLUE Yeti USB2.0」。USBで直接PCに接続するだけで使えます。

筆者がビデオ会議で愛用している「BLUE Yeti USB2.0」

 Yetiに限らず、どんなマイクでもそうですが、マイクの指向性をコントロールできるタイプを選ぶと、アンビエンスや、PCからのノイズなども軽減できます。

マイクの指向性を変えることでアンビエンスやPCからのノイズなどを低減できる

 さらに、PCと同じ机に直接マイクを置く場合、厚手のハンカチなどをマイクの底面に敷くと、机から伝わるファンノイズを低減できます。とくにデスクトップPCをお使いのときに効果を発揮するので覚えておくといいでしょう。

音と映像がズレが気になるときは……

 もうひとつ、ビデオ会議のときに気になるのは音声と映像が微妙にずれてしまうケース。筆者自身はあまり気にしませんが、どうしても気になるなら、音声のディレイ(遅延)を調整する機能があるキャプチャーユニットを使うのもひとつの方法です。

キャプチャーユニット、Blackmagic Design「ATEM Mini」。カメラを4台までつなげられ、音声入力のディレイ(遅延)も調整できる

ポイントはどこまで機材を増やすか!?

 会議の画質向上、音質向上を求めていくと、どうしても機材が増えてしまいがち。「キャプチャーユニットを使って一眼レフカメラで画質を上げたい」「ライトで顔写りを良くしたい」と考えていくとキリがありません。三脚やケーブル類もさらに必要になります。

 さらに、最近のビデオ会議需要で、品切れ、納期待ちも多いのが悩みどころかもしれません。筆者の場合、ウェブセミナーや有料での動画配信を以前から仕事にしていたため、比較的機材を揃えていますが、それでも量は増えるばかりで困っています。買っても役に立たなかった機材は数え切れません(笑)。

 しかし、今回触れたアンビエンスのように、機材を買う前に改善できることって、たくさんあると思っています。

 それでも「新しいことは、なんか楽しそう」「ステイホームだし……」と言い訳しながら、物欲を満たしながら散財をしているわけです(汗)。そんな人柱を続けていきますので、これからも、どうぞよろしくお願いいたします。

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