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荻窪圭の“這いつくばって猫に近づけ” 第669回

梅雨で外に出られないので歴代iPhoneで撮り溜めた猫写真を振り返る

2020年07月07日 12時00分更新

文● 荻窪圭/猫写真家 編集●ASCII

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寄ってきた猫がいきなりごろんと転がってアクビしたので、右手のiPhoneで思わず撮影。左手の指はちょっと嚙まれる瞬間っぽい演出ということで。2014年 9月 Apple iPhone 6 Plus

iPhoneで撮った写真は検索しやすくて良い

 気がつくとiPhoneのライブラリが10万枚を超えてたのである。おそろしや。中にはiPhone以外で撮った写真もスクリーンショットも動画も混じってるのだけど、まあそれでも10万枚はある。もちろん全部がiPhoneに入っているわけじゃなくて、Appleのクラウドサービス「iCloudフォト」を使ってる。これは自動的にクラウドに写真を保管していき、iPhone内のストレージが足りなくなると自動的に削除し、必要な時自動的にiCloudからダウンロードしてくれるのですごく便利なのだ。

 で、ふとiPhoneで昔撮った猫写真を見たいなと思ったのである。撮った場所が分かってれば「撮影地」から探すのが簡単だ。あそこで撮ったはず、と思えば地図から探せる。

 でも漠然と見返したいときは? 「猫」で検索するのだ。iPhoneの写真アプリで検索をタップし、「猫」と入れる。すると、自動的に「これは猫が写ってる」と判断された写真だけがピックアップされるのだ。撮ったときに「猫」とかタグをつけなくてもいい。自動的に猫写真(もっとも外すこともあるけど)だけ見つけてくれる。これがなかなか楽しい。

「猫」で検索したら、1万2343枚あるといわれた。で、「すべて表示」をタップしてもいいし、さらに条件を追加してもいい

 調べたら1万2343枚あった。今回はその中からパラパラと見ながらピックアップしてみた。1万枚を超えると肉眼で探すのも大変なわけだが、「猫 夏」と入れると夏に撮った猫写真がピックアップされるなど、うまく組み合わせればけっこう絞り込める。

 AI(たぶん)が猫かどうかを判定してるので完璧ではないけど、そこはしょうがない。で、まず「iPhoneで最初に撮った猫写真」を探してみたら、これだった。カメラは初代iPhone。日本で発売されてないモデルなので通話や通信はできなかったのだけれども、触ってみたかったのだ。いやあ200万画素ですよ。2007年なので13年前ですよ。13年前の写真が出てくるって楽しいですよ。

初代iPhoneで撮ったうちの猫。ノイズも多いけど、13年前のスマホと思えば記録として残ってるだけでも楽しい。2007年8月 Apple iPhone

 そして2008年7月11日、日本でiPhone 3Gが発売されたのである。徹夜で並んで買ったわたしは、それをもって公園に猫を取りに行ったのだった。せっかくなのでいい感じのダメ猫写真を。なかなかなもんである。

iPhone 3Gを買った次の日の写真。撮る瞬間に猫が動いてしまったのでこんなハデにぶれた写真に。当時はまだシャッタータイムラグもあったし、写りもトイコンデジ並だったのだった。2008年7月 Apple iPhone 3G

 失敗写真だけでもアレなので、同じ月に撮ったラブラブ写真もどうぞ。iPhone 3Gって200万画素で画質もイマイチってイメージあったけど、たまによい写真も撮れたのだな。iPhone 3G時代のベストショットだ。

心の目を清らかにすると、ハート型っぽく見えません? 仲良しの2匹が枯葉の上で向かい合って寝てる図だ。2008年7月 Apple iPhone 3G

 家にいるときは、iPhoneが一番近くにあるので、「あっ」と思ったらまずiPhoneを手に取っちゃう。カメラ探してたらシャッターチャンス逃すからね。

 ちなみに写真アプリで「猫 自宅」で検索すると自宅で撮った猫写真がずらっと出てくる。古いiPhoneで撮ったものだと位置がずれて記録されてることもあってアレだけれども、まあ自宅かその近辺で撮ったものが出てくるのでそこからは目視で探せばいい。

 これはiPhone 3GSで撮ったもの。猫が載っているのは液晶テレビ。ブラウン管の時代はよくのっかってたけど、液晶テレビのあの狭いとこに器用に乗るとは思わなくて、つい撮っちゃったのだった。さすがにこのときだけだった気がする。貴重な瞬間だ。

まさかあの薄い液晶テレビの上に飛び乗るとは思わなくて焦ったのであった。ややこしいことにならなくてよかった。でも……こういうときは真っ先に撮るよね。2009年7月 Apple iPhone 3GS

 iPhone 4になるとAppleもカメラに気合いを入れるようになってきた。いろいろと欠点はあったけど、レベルが上がってきたのだ。

iPhone 4を買った日にその足で撮影した猫。いい感じに晴れてたので青空も緑もきれい。2010年6月 Apple iPhone 4

 iPhoneがカメラとして注目されはじめたのは2012年のiPhone 4sからだ。カメラが800万画素になり、AFもそこそこ使えるようになり、画質もあがってきた。コンパクトデジカメの売れ行きが落ち始めるのもこの頃だ。

iPhone 5が発売される直前くらいのカット。こんなシーンでもちゃんと撮れるようになってきた。進化したものである。2012年 9月 iPhone 4S

 わたしもiPhoneで撮影する機会がどんどん増えてきた。これ、千葉県のとある駐車場。車から出て立ってたら、数台隣の車の下から猫がとことことやってきていきなり足元に転がったのだ。来るといってくれればカメラ準備しといたのに。こういうときはすぐ取り出せるiPhoneしかないのである。

 それにiPhoneで撮れば撮影場所の位置情報も記録してくれるから、これみたいに撮影場所の手がかりがない写真でもどこで撮ったか分かるしね。

いやもう足の間でごろごろ転がってたのだ。これが一番アラレもないポーズ。足にすり寄ってくる猫はたまにいるけどここまで転がられることはなかなかないのだ。2014年1月 iPhone 5s

 片手で猫と遊びながら撮るときもiPhoneの薄さ軽さがいい。冒頭写真はそんな感じで撮った1枚。そしてこんな緊急事態もiPhoneなら……。

 えっと、どんな緊急事態だったかは写真を見れば分かるとおり、左手でiPhoneで撮りながら右手でTHETAを押さえにいっております。

THETAで猫を撮るってテーマで撮影に行き、撮影風景を撮ろうと思ったらいきなりミニ三脚が襲われたのだった。思わず押さえにいった右手が写ってるあたり、焦ったのがわかります。2015年10月 Apple iPhone 6s Plus

 いや、特にiPhoneの歴史を振り返るつもりではなかったのだけど、「猫」で検索したらどんな写真が出てくるかなと思ったら結果としてこうなっちゃったのだ。ここ数年でiPhoneを使いはじめた人もそろそろ写真がたまってるだろうから、ぜひ梅雨時の暇つぶしに。

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筆者紹介─荻窪圭

 
著者近影 荻窪圭

老舗のデジタル系ライターだが、最近はMacとデジカメがメイン。ウェブ媒体やカメラ雑誌などに連載を持ちつつ、毎月何かしらの新型デジカメをレビューをしている。趣味はネコと自転車と古道散歩。単行本は『ともかくもっとカッコイイ写真が撮りたい!』(MdN。共著)、『デジカメ撮影の知恵 (宝島社新書) (宝島社新書)』(宝島社新書)、『デジタル一眼レフカメラが上手くなる本』(翔泳社。共著)、『東京古道散歩』(中経文庫)、『古地図とめぐる東京歴史探訪』(ソフトバンク新書)、『古地図でめぐる今昔 東京さんぽガイド 』(玄光社MOOK)。Twitterアカウント @ogikubokei。ブログは http://ogikubokei.blogspot.com/

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