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デルのフラッグシップノートPCの最新モデルです

XPS15 (2020) 実機レビュー = フルモデルチェンジでキーボードが256倍よくなっていた

2020年07月02日 13時00分更新

文● 写真:みやのプロ(@E_Minazou)+ 編集● ASCII

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 デルは、第10世代のコアi-Hを採用したXPS 15の2020年モデルを発売した。GPUも最新のGTX1650Tiにアップしたうえ、キーボードを完全リニューアルし、インターフェースも変更、さらなる狭額縁によりボディがスリムになっているなど、フルモデルチェンジとなっている。

New XPS15のお値段は19万9980円より

4コア、6コア、8コア
3種類のコアi-Hを選択可能
16対10の4K液晶は最高!!!

 まず、CPUはi5-10300H、i7-10750H、i7-10875Hから選択できる。つまり、4コア/8スレッド、6コア/12スレッド、8コア/16スレッドときれいに3段階のCPUを選べるわけだ。

 昨年モデルではi9-9980HKというモバイル最高位のCPUも選べたが、今回は第10世代最高モデル「i9-10980HK」は選択できない。

 んがしか~し、現在、米国の直販サイトでは、新XPS15のCPUは下位の2種類で、i7-10875Hつまり8コアの設定がない。なので、この後、最上位としてi9-10980HK搭載モデルが登場する可能性があるのだ(個人の予想です)。

今年のボディは「プラチナ シルバー&ブラック」

 GPUはi5搭載モデルでは内蔵のみで、上位のi7搭載モデルでは、NVIDIAのGeForce GTX 1650 Ti(4GBGDDR6)を搭載している。地に足がついた選択ではあるが、いまどきの15型フラッグシップノートで、それも超軽量でなければ、やはりRTXを載せてほしいところである。

 ディスプレイは2種類で、いずれも15.6インチながら、16対10という縦長サイズで、3対2には届かないが、16対9よりは縦方向が使いやすいのである。

 FHD+(1920×1200)はノンタッチ・ノングレアで、UHD+(3840×2400)はタッチありの反射防止である。昨年モデルでは選べた有機ELは、今年は設定がない。

 今回は4Kモデルを試用しているが、ディスプレイのサイズは実測336×210ミリある。通常の15.6インチの16対9液晶は344×193ミリだから、幅は8ミリ狭いが、縦は17ミリも長いことになる。

921万6000画素は15型ノートで最高レゾリューション

 面積でいうと705平方センチと664平方センチで、その差は42平方センチである。正方形にすると1辺6.5センチだから、けっこう差は大きい。つまり同じ対角線長ならばより正方形に近いほど面積は広くなるの法則である。

 もちろん同じ15.6インチでもSurfaceBookなどの3対2のほうがより広くなるわけで、天下のXPSにおかれましては、13も15も17も3対2をめざしてほしいのだ。

天板センターのDELLマークは鏡面仕上げです

底面のXPSマークも実は鏡面で隠しおしゃれさんですね。左右のスリットはスピーカー出力

インターフェース
USBは減らしすぎだが
ありがとうSDカードスロット

 メインメモリーは8/16/32GB、SSDも512GB、1TB、2TBの3段階ある。バッテリー容量は86Whで、i5モデルのみ56Whと少なく、ディスプレイの違いも含めて、重量は2.05と1.83キロと、220グラムの差がある。

 インターフェイスにも前モデルから大きく変更があり、昨年モデルのタイプA×2、タイプC×1、HDMIの4端子から、タイプC×3つまり3端子となった。マイナス1である。

マイクは液晶上部に2つ設置

 タイプCのうち2つはThunderbolt3で1つはUSB3.1。そして、前モデルでは電源専用入力端子があったが、今モデルからはタイプCで入力しなければならないので、実質2減となる。ACアダプターをつなぐと、タイプC×2だけ空いた状態なのだ。

タイプC×3ながら、ACアダプターを繋ぐと2になってしまいます。。。

 そこでといってはなんだが、タイプC端子にぶら下げるアダプターが付属しており、タイプAとHDMIを増設できる。とはいえ、これを付けるとタイプCが1つ消費されるので、差し引き1減は変わらない。スリム化のためだろうが、15型ノートとしてはインターフェイスが少なすぎだ。

付属のアダプターでタイプAとHDMIが利用可能

 と文句をいいつつ、カメラ好きおじさんとしては、SDカードスロットが残っているのは拍手である。最高で1TBの容量のものが市販されているから、ストレージの補充にも使うことができるのだ。

ついに!ついにです!!
真っ当なキーボードを搭載
話題のボディサイズはどうなのか?

 キーボード配列は非常に大きく改善されました。前モデルまではXPS13と共通部品ですよねと言いたくなる、かなり狭苦しいものでしたが、今回堂々の全幅286ミリと大型化して、EnterもBackSpaceも押し詰まってはいません。

 これは本当にホントウに、ようやくの改善で、おじさんは惚れ直しましたよ。ただし、最近の各社の悪い習慣がここにもあって、上下のカーソルキーが圧縮されて、2分の1サイズになってしまっています。逆に左右カーソルキーはデカくなっているのでとてもバランスが悪いですね。ぜひ、元に戻していただけると幸いです。

ついに刷新された!! XPS15(2020)のキーボード

こちら、XPS15(2019)の狭いキーボードです。。

新モデルのキーボードでちょっと気になる上下カーソルキーの小ささ

 タッチパッドは151×90という広大な面積を確保されて、すがすがしい気分です。

 というわけで、話題のスリーサイズです。今モデルは横幅が344.72ミリ、奥行きが230.14ミリ、高さは18mmである。前モデルは357×235×17ミリだったから、幅は12ミリ、奥行きは5ミリ小さくなったことになる。

 軽さでおなじみのLGのgram15のサイズは357.6×228.4×16.8ミリなので、幅はXPS15のほうが13ミリ小さいが、奥行きはgram15のほうが2ミリ小さいうえ、重量はコアi-UでGPUも積んでないハンディがあるものの、1099グラムしかない。

 爆速スリムノートの代表Razer Blade 15の新モデルは、横幅355ミリ、奥行き235ミリ、厚み17.8ミリなので、XPS15のほうが幅10ミリ、奥行き5ミリ小さい。ただし、gramとは逆に、Blade 15はGeForceのRTX2080 SUPERを内蔵されていらっしゃいますからね。インターフェースもタイプA×3+タイプC×2を保持しています。重さは最大2キロで同じくらいですから悩ましいです。

キーボード右奥に組み込まれた電源ボタンはdeleteと間違えて押す確率高いと思います。。。。

広大なタッチパッドは気持ちいいのですが、ストロークがもう少し浅いほうが好みです。。。

ベンチマークテスト
XPS13ほどのトガりはない
バッテリー容量は13%減ったが

ヒートパイプと冷却ファンが美しくレイアウトされています。

 おなじみの速度計測コーナーです。レビューしているのは、i7-10750H+GTX1650Ti+UHD+モデルで、デルのユーティリティで「超高パフォーマンス」を指定して実施しました。CinebenchR15は1294、R20は2926まで出ました。3DMarkではTimeSpyで3823、FireStrikeで9009です。

 前モデルのi7-9750H+GTX1650+4KOLEDでは、CinebenchR15が1174、TimeSpyは3592、FireStrikeは8004だったので、2019年モデルと比べるとCPUは110%、3Dは106~113%に向上している。

 SSDはマルチシーケンシャルリードが3191、ライトが2444で、昨年モデルの3050と1737から若干の向上だった。

メモリーは2スロットでアクセス可能

SSDのM.2は1スロットのみ

 バッテリー容量は前モデルの97Whから86Whへと13%減少している。サーマル管理は「超高」ではなく「最適化」を指定。いつもどおり、輝度100%で、「最も高いパフォーマンス」設定で計測したところ、3時間38分稼働した。Hプロセッサーで、この明るい画面で3時間半持つのはかなりの省エネ能力である。

 充電のほうは、同条件で50%まで53分、70%まで81分、90%まで110分と若干遅めである。ACアダプターが130W出力で小型なのはいいが、使い勝手を考えれば、PDではなく、専用入力端子を付けて、200W以上のアダプターも用意していただけると安心ではある。

冷却ファンは直径70ミリの存在感

両サイドのスピーカーユニットも大型でいい音を奏でます

 おまけだが、ACアダプターを抜き差しするとき、画面が明滅するのは心臓に悪いので直していただきたい。

PowerManagerのサーマル管理でファンの回しっぷりを指定できます

いま、15型プレミアムノートは超激戦区
さらなる強化もおねがいします

 XPS13と15は、重さ以外は、常にモバイルノートの新スタイルを提案し、けん引してきたPCである。今年も狭額縁に16対10液晶で、最先端デザインを提示してくれている。

 とはいえ、特に15型は、新時代におけるリモートワーク・マシンのスタンダードとして注目を浴びており、各社が軽量から爆速まで、激しくニューモデルを投入してきている。

 今、このマシンを、リモートワークPCとして購入して、まったく問題はないが、このままより軽くなるとか、より高速化(i9やRTX)といったトンガりをつい欲しがってしまうのである。それが「XPS」の宿命なのだ!!

フルモデルチェンジで買って間違いなし。そのうえ、もうお値引きも始まっていますよ~~

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