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日本HP、ENVYシリーズを刷新、最先端スペックで7月下旬発売

2020年06月29日 21時35分更新

文● ASCII

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 日本HPは6月29日、クリエイティブ機能を重視した新製品を発表した。

 既報の通り、モバイルワークステーションの「HP ZBook Studio G7」「HP ZBook Create G7」「HP ZBook Firefly」に加えて、“Steam VR”を展開するValveとコラボしたVRヘッドセットを投入。個人向けの「HP ENVY」にも新モデルが追加されている。

 会見の冒頭で、日本HP 専務執行役員で、パーソナルシステムズ事業を統括する九嶋俊一氏が挨拶。HPの共同創業者であるビル・ヒューレット氏の「最大の競争優位とは、本当に必要な時に正しい行いをすること」という言葉を引用しながら、新型コロナ禍によって社会に変化が訪れる中、日本HPがすべきことは何かについて説明した。

 一部は以前の会見でも説明されていたが、社会貢献の観点では、HPの3Dプリンターを使ったフェイスガードの生産、教育に対する投資、テレワーク環境のセキュリティを向上させるための「Sure Click Pro」の期間限定無償提供などがある。

 最新の数字としては、3Dプリンターを使ったフェイスシールド、人工呼吸器のバルブを全世界で230万点出荷。また、国内でもSOLIZE Products社やDMM.comといったパートナー企業がHPの3Dプリンターを活用し、ファイスシールド用フレームやフェイスガードの無償提供を実施している。また、登校ができない学生・児童がオンライン学習できる環境を整えるため8.5憶円の寄付をししたり、余っているPCを再利用して全世界に提供するといった施策も実施しているという。

 一方で九嶋氏は「日本HPは従来から、PC事業全体のミッションとして、“将来・未来”のオフィス環境や教室がどうなるかを検討してきたが、そんな将来の一部がいまに変わった」とコメント。そのうえで「Connected、Productive、Learning、Secureの4本の軸に沿って、改めてPC事業のミッションを整理し直す必要がある」とした。

 テレワークを実施している企業は東京都で55%/日本全国で34%、またオンライン学習は64%/45%という数字がある。この中で生産性が上がるという声もあれば、ストレスがたまったという声もある。その声から、今まさに解決すべき課題が見えてきているとする。例えば、東京都内では2/3の児童・学生がオンライン学習を利用したが、見方を変えれば、残りの1/3は学習する機会が得られなかったことになる。

 オンライン学習は活用次第では意欲を上げる効果もある。同時に新型コロナ禍で自由な外出が制限される中、YouTubeなど動画配信の需要が上がり、ネット接続にPCを使う時間が2割ほど増えたという調査もある。

 この中で、日本HPが重視するのは、クリエイティブであること。つまりデジタル技術を駆使して、より伝わりやすくすることだという。これはコンテンツ制作に携わる企業がPCを導入するプロユースに限らず、個人として水準の高いコンテンツの制作が求められるフリーランス/プロシューマー、そしてPowerPoint制作を始めとした日常的なビジネスのシーンでも、映像などを交えたより伝わりやすい内容が求められていることを示す。

 九嶋氏は「すでにミレニアルズやZ世代は、自己表現のためにクリエイティビティを活用している」とコメント。その裏側にはSNSがあり、それにスマートフォンで誰もがアクセスできるという土台があるが、そこにアップロードするコンテンツを制作するために「61%がPCを使う」と回答しており、世界的にPC回帰の流れがあるとする。

 そんな中、投入される新しいENVYシリーズは、国内で23%を占める企業ユーザー、12%のフリーランス/プロシューマ―、そして65%のカジュアルユースのそれぞれに合わせた8製品を用意している。

 日本HPのパーソナルシステムズ事業統括 コンシューマービジネス本部の沼田綾子本部長はそのために、「同じ高性能・高画質なPCであると言ってもゲーミングとは異なる軸で製品を開発する必要がある」と説明し、高解像度の写真や動画編集に求められるグラフィックス性能の高さ、複数のアプリを起動できる大容量メモリー、並列処理に合ったマルチコアプロセッサーの搭載などが注力ポイントであるとした。また、用途が異なれば、求められる筐体の外観も変わるとした。

 代表機種として挙げられたのが「ENVY 15」「HP ENVY All-in-One 32」「HP ENVY Desktop TE01」。さらに360度自由な角度で回転するヒンジを備えた「HP Spectre x360 15」を始めとしたペン対応の2in1モデルも大きく拡充している。新モデルではインテル製CPUに加え、AMD製CPUも積極的に採用。10万円前後と比較的リーズナブルな価格から、30万円クラスのハイエンド機まで豊富なラインアップ構成になっている。

 Adobe製品などソフトに合わせてドライバーを最適化した「RTX STUDIO」対応製品や高色域でカラーマネージメントにも対応した有機ELディスプレー、ペンを使った描画をするための「Adobe Fresco」を含む、Adobe Creative Cloudのコンプリートプランを3ヵ月間無料で利用できるサービスなどを持つのが特徴。

 HP ENVYシリーズなど個人向け製品の販売は7月下旬以降順次開始する。

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