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小野員裕「魂のラーメン外伝」 第13回

店内もラーメンもなんの変哲もない見かけだけど、とにかくおいしい「大盛軒」(東京・光が丘)

2020年06月30日 12時00分更新

文● 小野員裕 編集● ラーメンWalker

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 都営大江戸線「光が丘駅」横にあるショッピングモール「光が丘IMA」は、その昔、米軍の住宅街「グラントハイツ」のゴミ焼却所、通称「2本煙突」のあったあたりだと思う。

 当時、小中学生だった僕たちは、この場所を目指して自転車で走ったものだけど、だいたいがMP(ミリタリーポリス)に捕まって、親を呼び出されるか、タチの悪いガキは留置所に一泊させられた。

 「グラントハイツ」になる戦前は「成増飛行場」の跡地で、米軍の住宅地になってからも方々にカムフラージュされた飛行機の格納庫が点在していたのを記憶している。

 光が丘には正直まったく用はないんだけど、ただ懐かしさだけで、

「このへんに確かマイクの家があったはずだよな……」

 と当時「グラントハイツ」のはずれ田柄町との境目に住んでいた、唯一のアメリカ人の友達の家を探し、

「ハンバーガー焼いてたハイスクールがあったのってどこだっけ……」

 などと、いまだに徘徊している。

 そんなんで、この界隈の飲食店はほぼ漏れなく食っているといっても過言じゃない。正直、納得できる店が少なくて、居酒屋にいたっては全滅。あるとしたらこの「光が丘」を取り巻く駅、「練馬春日町」か「成増」周辺に限られてしまう。

 唯一通っている店は「光が丘IMA」の地下街にある「大盛軒」だね。フードコートの中華屋風情だけど侮ってはいけない。土、日、祝日ともなると行列だ。

 東中野の「大盛軒」の支店だと勘違いしていけど、まるで別もの。名物は「タンメン」などの麺類と「餃子」だ。なんと餃子は年間110万個も売り上げている人気商品。

 ご覧の「東京醤油ラーメン」680円はなんの変哲もない見かけだけど、これ美味しいのよ。中太のストレート麺はモチモチツルツルで、スープは今はやりの乾物等は使われていなく、正当な清湯で深みのあるスープだ。もも肉の焼き豚も実に美味しい。

 餃子は肉汁ほとばしるタイプではなく、肉と野菜のバランスが優れた一品、これも旨い。

 四川麺は極太の平打ち麺、野菜たっぷりですごいボリューム。見た目よりは柔らかい辛味で、これ二日酔いの時にもってこいのラーメン。汗びっしょりになって爽快なのだ。

 麺類はかなりのボリュームなので各種「麺少な目」もあるのでありがたい。

 また「餃子」、「焼豚」、「ラーメンセット」、各種一品料理がテイクアウトできるのもいい。

〈店舗データ〉
【住所】練馬区光が丘5-1-1 光が丘IMA地下1階 電話03-3976-0848
【営業】10時~21時
【休日】不定休
【アクセス】都営大江戸線「光が丘駅」から徒歩4分

小野員裕 Kazuhiro Ono (大衆料理研究家)

 17歳からカレーの食べ歩きをスタート。以降、大衆料理研究家として早い時期からジャンルを問わず各メディアで情報発信。著書「魂のラーメン(プレジデント社)」はラーメンファンのみならず食に関わる多くの評論家やブロガーにも多大な影響を与えた。現在も1日1軒は食べ歩きの日々。

百麺人(https://ramen.walkerplus.com/hyakumenjin/

本人ブログ https://onochan.jp/

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