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「大人の文房具」最新事情!何にでも貼れるふせん、ポータブルデスク…

2020年06月17日 06時00分更新

文● 真島加代(ダイヤモンド・オンライン

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写真提供:サクラクレパス

はさみやふせん、ボールペン……幼い頃からなじみ深い文房具の数々。社会に出てからもお世話になってはいても、最新の文房具をチェックしている大人は少ないかもしれない。じつは近年、そんな身近だった文房具が驚きの進化を遂げているという。(清談社 真島加代)

トレンドは
“コンプレックス解消型文具”

 近年は「消せるボールペン」や「透明の消しゴム」が登場し、学生だけでなく大人世代からも厚い支持を得ているという。

「日本の文具メーカーは約200社あるといわれています。海外に比べてとても競争が激しいため、各社が技術開発を進めて切磋琢磨(せっさたくま)しています。とくにこの10年は、機能性の高さだけでなくデザイン性を備えた商品が登場しているので、大人向け文房具の市場はどんどん拡大しています」

 そう話すのは、文房具ソムリエの石津大氏。大人の文房具が進化を始めたのは、15年ほど前だという。

「昔から大人向け文房具はありましたが、それほど市場は大きくありませんでした。しかし、15年ほど前から会社の経費削減のために文房具の支給をやめる企業が増えたのを機に、『ふせん』や『ボールペン』は個人で用意するものに変わった。それ以来、文房具メーカーは『自分のお金で買うなら好きな文房具を持ちたい』という人のニーズに応えて、大人向け商品の開発に力を入れるようになりました」

 大人の文房具は、会社の事務用品から、よりパーソナルなものへと変わった。近年は、“コンプレックス解消型”の商品がヒットしている、と石津氏は語る。

「最近で言えば、パイロットの『フリクション』に代表される “消せるボールペン”が大ヒットしました。そのほか、コクヨのソフトリングノート『COLORFUL』は、紙をとじるリングを柔らかい素材にして、筆記時に手がひっかかるストレスを解消して人気を博しています。どちらも、ユーザーの『こうだったらいいのに』という希望をうまくくみ取った文房具ですね」

 コンプレックス解消型文房具の開発には時間がかかるものの、日本の文具メーカーの技術力が商品化を実現しているという。さらにヒットに必要なのは「デザイン性の高さ」だと、石津氏。

「かつては『日本の文房具は機能性が高いけどダサい』と言われていたんです。無骨なデザインが多く、色も青や黒ばかりで、女性からの支持が得にくい文房具ばかりでした。しかし、個人の好みが重視されるようになった今、若者の感性や女性の意見は必須。大ヒット商品を生み出している文具メーカーは、20代、30代の若手社員や女性社員の声が積極的に採用されている印象ですね」

 社内の風通しのよさが、ヒットにつながっているようだ。

刃を閉じなくても切り進められる
変形型スリムはさみ

 最新の文房具は「部下との会話が弾むコミュニケーションツールにもなる」と石津氏。そこで文房具にあまりなじみがないビジネスパーソン必見の “進化系文房具”を紹介してもらった。

男心をくすぐる、
変形型スリムはさみ「ジースリム」

「ジースリムの切れ味は、一度試していただきたい!」(石津氏) ジースリム/本体価格:900円+税

 この数年、持ち運びやすいスリムタイプのはさみが人気を博している。なかでも、1910年創業の文具メーカー・クツワが発売した「ジースリム」は、さらに進化したはさみとして注目が集まっている。

 ジースリムは、モノを切るときに指を入れる「ハンドルループ」の出し入れが可能。ハンドルループをロックすればペンケースに入れてもジャマにならず、ロックを解除すればハンドルループが飛び出す、“変形仕様”が魅力のひとつだ。

「ジースリム最大の特徴は、刃を開閉せずにシューッと切り進められる“鋭い切れ味”です。包丁と同じ研磨を施して刃と刃の抵抗を極限まで減らしているので、一般的なはさみよりもよく切れます。デザイン性も高く、変形するエンターテインメント性もあり、切り心地も良くて高機能。どれをとっても進化したはさみです」

 ジースリムの開発は、クツワの若手社員を中心に進められたという。使いやすさと楽しさを兼ね備えた進化系文房具だ。

働き方改革の味方!
「ポータブルデスク」

「もともとは、同社が発売していた子ども向けのポータブルデスク『どこでも学習台』が大ヒットして『大人用も欲しい』というユーザーの声が多数寄せられ、商品化に至りました」(石津氏) ポータブルデスク/メーカー希望小売価格:4000円+税

 会社がフリーアドレスを採用し、固定のデスクがなくなったビジネスパーソンも多いはず。フリーアドレス制度と相性バツグンなのが、事務機器メーカーのアスカの「ポータブルデスク DSK03」だ。木目調のデスク部分にパソコンを載せれば、場所を選ばず作業できる。これもまた“進化系文房具”なのだとか。

「ポータブルデスクの作業台には、10度の傾斜があります。漫画家さんが使うトレース台と同じ傾斜で、姿勢を正しく保ち、疲れを感じにくい角度といわれています。また、側面に持ち手と引き出しがついているので、筆記用具やコード類、USBなどを収納して、そのまま持ち歩けるのも大きなメリットですね。フリーアドレスにぴったりです」

 とくに近年は人々の働き方の変化にアンテナを張るメーカーが増えている、という。

「使う人の働き方が変わると、メーカーもそれに応じた商品を開発するようになりました。スリムはさみやポータブルホワイトボードなど、持ち運びをラクにする文房具も登場しています。もしも会社にフリーアドレスを導入するなら、福利厚生としてポータブルデスクを社員に配ると喜ばれるかもしれません」

雨風にさらされても大丈夫なふせん
「ポスト・イット(R) エクストリーム ノート」

「エクストリームノートがあれば、もうふせんには困らないかもしれません」(石津氏) EXTRM33-3ASJ1(3パッド入り)/希望小売価格:900円+税

 2019年にスリーエムから発売された「ポスト・イット(R) エクストリームノート」は、発売直後から売り切れ続出。これまでのふせんの概念を覆す、話題の文房具だ。

「エクストリームノートは特殊な粘着剤と紙を採用し、水や高湿度、直射日光など、さまざまな環境に耐えられるふせんです。紙はもちろん、凸凹した壁、コンクリート、屋外の鉄パイプや冷凍庫の中のタッパーなど、今まで貼れなかった場所にも貼れるうえ、かなりはがれにくくて耐久性もバッチリです」

 これまでふせんは、書類仕事などデスクワークの需要が大半を占めていたが、ポスト・イット(R) エクストリームノートは“今まで使えなかった場所や環境でも使える”。その結果、建設業や飲食業などさまざまな業種で働く人々から支持されている。

「ふせんの利用シーンを大幅に広げた革新的な文房具です。スリーエムに限らず、最近は文房具メーカー各社がさまざまな“労働環境”に寄り添った商品の開発に力を入れていますね」

文房具のブランディングに挑戦する
「SAKURA craft_lab 004」

「ボディーには真鍮と洋白、2種類の金属を使用し、インキも一般的な黒のほかにブルーブラックやクリムゾンレッドなど、渋いカラーにチェンジできます。大人のたしなみ感満載です!」(石津氏) SAKURA craft_lab 004/本体価格8000円+税(インキ別売り)

 クーピーペンシルでおなじみの株式会社サクラクレパスのボールペンシリーズ「SAKURA craft_lab(サクラクラフトラボ)」は、“大人の筆記具”として人気を集めている。新商品の「004」は、ゲルインキボールペンとシャープペンシルを兼ねた多機能ペンだ。

「サクラクラフトラボシリーズは、ネット販売されていません。一部の文具店のみの販売で、実際に手に取って使い心地を知ってほしい、というコンセプトが奏功。新シリーズが発売される度にファンの間で話題になります。インバウンド客にも人気で、訪日の際に全種類購入する人もいるそうです。各メーカーの課題になっている、“文房具のブランディング”に踏み込んだボールペンでもあります」

 ギフトとしても人気が高いサクラクラフトラボ。記念日の贈り物にも最適だ。

 石津氏は「3カ月に1度文房具店に行くと、新たな発見があるはず」と話す。

「文房具業界は、みなさんが働きやすくなるアイテムを続々と開発しています。自分の部署に導入したら部下に喜ばれそう、仕事がはかどりそう、などの観点で文房具店を巡ってみてはいかがでしょうか」

 働き方と深く関わる文房具。こだわりを持って選んでみれば、仕事のモチベーションアップにもつながるかもしれない。

※本記事はダイヤモンド・オンラインからの転載です。転載元はこちら

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