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自治体や医療機関向けに提供開始

AIがチャットで疾患リスクを教える「ObotAIヘルスケア」

2020年06月02日 18時00分更新

文● ASCII

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ObotAIヘルスケア

 ObotAIは6月2日、AIを活用して健康意識の向上、病気予防、メンタルヘルスの改善などを促す新サービス「ObotAIヘルスケア」の提供を開始した。組合健保や協会けんぽ、人間ドック、クリニック、健診機関、企業などを対象に提供する。

 

 ObotAIヘルスケアは、ウェルネス・メンタルケア分野に特化したAIヘルスチェックツール。例えばスマホからいくつかの設問に答えるだけで、現在の健康状態のみならず将来の疾患リスクまでを可視化し、個人の健康に関する意識を高めていくことで特定健診や人間ドック、特定保健指導の受診を促す。

 本サービスは、日本語のほか、英語、中国語(簡体/繁体)、韓国語、タイ語の6言語に対応。同社の各国ネイティブスタッフが随時データ入力しており、高精度な多言語データを提供している。

 

 スマホから自分の知りたい項目や数値を選択し、バイタルデータや健診結果から想定される疾患リスクをAIが表示し、適切な健康指導やオプション検査を紹介する。設問内容は、顧客ごとに自由にカスタマイズが可能。ウェブチャットだけでなく、主要なSNSや各種ビジネスチャットとも連携が可能で、健康診断の受診や特定保健指導への誘導がスムーズになる高い拡張性を備えるとしている。

主要なSNSや各種ビジネスチャットとも連携可能

 同社は、今年4月から千葉県、神奈川県、茨城県、静岡県などの自治体や医療機関等を対象に新型コロナウイルス感染症対応の多言語AIチャットボット「COVID-19 Q&A」を無償提供しており、提供開始からわずか1ヵ月半で約4万件の問い合わせがあったという。利用者とAIの会話履歴を分析した結果、情勢の推移に伴い利用者の不安や関心事項にも変化が見られるようになり、同社ではその都度求められている情報を拡充してきた。

AIチャットボット「COVID-19 Q&A」の質問内容の変化

 COVID-19 Q&Aの提供開始当初は、新型コロナウイルスそのものに関する質問や予防法、症状に関する問い合わせが多く、4月下旬以降は経済的不安や困窮から助成金・給付金関連の問い合わせが徐々に増加し、5月半ば頃には長引く自粛やテレワークによる「コロナ鬱」や健康不安に関するものが目立ってきたという。これらの分析結果と社会的情勢を踏まえて、同社は人々の健康不安を解消するためのウェルネス・メンタルケア分野に特化したAIヘルスチェックツールとしてObotAIヘルスケアのリリースを決定した。

 今後は、現在提供しているFAQ機能やAIが表示した疾患リスクに対する適切な健康指導・オプション検査の提案に加えて、将来的には、ウェブ会議サービス「Zoomミーティング」をカスタマイズした多言語オンライン診療ツールを開発して、既存サービスと連動させた医療業界向けITソリューションを展開する予定としている。

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