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ポイントを速習!「Azureの基礎(AZ900)」をみんなで学ぶ 第2回

Azureが提供するクラウドサービスの全体像や利便性を理解し、サイトを立ち上げる準備をする

Azureの代表的なサービスを知る/使ってみる【前編】

2020年05月21日 08時00分更新

文● 藤谷 尋/FIXER 編集● 大塚/TECH.ASCII.jp

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 本連載「ポイントを速習!『Azureの基礎(AZ900)』をみんなで学ぶ」では、FIXERの若手エンジニアたちがマイクロソフトの「Azureの基礎(AZ900)」公式ラーニングパスに沿いつつ、Azureを使ううえで覚えておくべき基礎的かつ重要なポイントだけをわかりやすくまとめます。実際に手を動かして学ぶハンズオンのコーナーもありますので、皆さんもぜひ一緒に学んでいきましょう。
(※ 本連載はAZ900試験の受験対策を目的としたものではなく、出題範囲すべてを網羅するものではありません)

はじめに

 連載「ポイントを速習!『Azureの基礎(AZ900)』をみんなで学ぶ」の第2回(前編/後編)では、「Microsoft Azure」(以下、Azure)の代表的なサービスを紹介したうえで、実際にAzureを使ってWebサイトをホストしてみます。

 まず今回の前編では、Azureで提供されている主要なサービス群を紹介しつつ、Azureというクラウドサービスの全体像を解説します。続く後編のハンズオンでは、「Azure App Service」というサービスを使って「WordPress」のサイトを作成します。

 この記事(前編/後編)を読み、ハンズオンでAzureに触れてみることで、Azureサービスを幅広く知ることができるだけでなく、以下のクラウドのメリットを体験することができます。

  ●数クリックで簡単にWebサイトを立ち上げられるクラウドの利便性
  ●容易に拡張/縮小できる(スケールできる)クラウドの高いカスタマイズ性

Azureサービスの全体像

 Azureでは100を超えるサービスが提供されており、新しいサービスラインアップの追加も積極的に行われています。また、それらのサービスでは、常に機能強化やアップデートが繰り返されています。

 Azureで一般的によく使われるサービスのカテゴリは、以下のとおりです。

【インフラストラクチャサービス】
  -コンピューティング
  -ネットワーク
  -ストレージ

【プラットフォームサービス】
  -データベース
  -Web
  -モバイル
  -モノのインターネット(IoT)
  -ビッグデータ
  -人工知能
  -DevOps

Azureで利用できる代表的なサービスと機能の全体像(出典:マイクロソフト Webサイト

 そのほかにも、Azure環境そのものを管理するためのサービスやセキュリティのサービス、ユーザーの自社データセンター(オンプレミス環境)とAzure環境を組み合わせて使うためのハイブリッドクラウド向けサービスなどがあります。

インフラストラクチャサービスの主なカテゴリ

 それでは、各カテゴリの代表的なサービスを具体的に見ていきましょう(カッコ書きはよく使われる略称です)。

■コンピューティング

 コンピューティングのカテゴリでは、仮想マシン(VM:Virtual Machines)やコンテナを利用するための幅広いサービスがラインアップされています。 Azure上でアプリケーションやサービスをホストするために必須のサービス群であり、すぐに起動/停止ができ(必要なときに必要なだけインフラを利用できる)、規模も柔軟に拡張/縮小できる(スケールできる)という、クラウドならではの便利さがあります。

主なサービス:
●Azure Virtual Machines(Azure VM):簡単な操作で、LinuxやWindowsの仮想マシンを作成したり、スケールさせたりすることができます。
●Azure Virtual Machine Scale Sets(Azure VMSS):多数の同じ構成の仮想マシンを一度にデプロイ(クラウド環境に展開)し、まとめて管理するためのサービスです。
●Azure Kubernetes Service(AKS):Azure上にKubernetesのクラスターを作成/運用できる、マネージドコンテナーサービスです。

 そのほか、コンピューティングカテゴリのサービスはこちらを参照してください。

主なコンピューティングサービスの1つ、Azure Virtual Machines(出典:マイクロソフト Webサイト

■ネットワーク

 ネットワークのカテゴリでは、Azure環境内で仮想マシンや各種リソースの間を接続したり、Azure上でホストされたアプリケーション/サービスへのアクセス手段を提供したり、あるいは自社のプライベートなネットワークを構築したりできる、さまざまなネットワークのサービスが提供されています。

主なサービス:
●Azure Virtual Network(Azure VNet):仮想マシンが他のリソースと安全に通信するためのネットワークを提供します。
●Azure Load Balancer:ネットワークの負荷分散機能を提供するサービスです。これを利用することで、高可用性で障害に強く、自動的にスケールできるシステムを簡単に構築できるようになります。
●Azure VPN Gateway:VPNを使って、オンプレミスや他のクラウド環境のネットワークとAzure上のネットワーク(Azure Virtual Network)を安全に相互接続するサービスです。

 そのほか、ネットワークカテゴリのサービスはこちらを参照してください。

■ストレージ

 ストレージ(共有ストレージ)のカテゴリでは、主には4種類のサービスが提供されています。いずれも保存したデータは、自動的に複数のデータセンターやリージョンにコピーされる設計となっており、高度な耐障害性や可用性、セキュリティ、拡張性を備えます。

主なサービス:
●Azure Blob Storage:非構造化データ向けのオブジェクトストレージ。拡張性が非常に高いため、ビデオファイルや画像ファイルなどの容量の大きなオブジェクトを大量に扱うこともできます。
●Azure File Storage:Windowsのファイル共有プロトコル(SMB 3.0)に対応した、Azureをファイルサーバーのように使えるサービスです。
●Azure Queue Storage:アプリケーション間でやり取りするメッセージのキューと確実な配信を実行するためのデータストアです。
●Azure Table Storage:NoSQLのキーバリューストア(KVS)。さまざまなスキーマが混在する非構造化データをホストできます。

 そのほか、ストレージのサービスはこちらを参照してください。

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