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最新パーツ性能チェック 第290回

分散コンピューティングプロジェクトでSARS-CoV-2に関する研究を促進

モンスターPCでFolding@home、新型コロナ研究に貢献してみた

2020年04月09日 11時00分更新

文● ジサトライッペイ 編集●ASCII

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 緊急事態宣言が発令され、緊迫感が増してきた新型コロナウイルス感染症(COVID-19)。現在、その治療法や治療薬、ワクチンの開発に向けてさまざまな活動がなされているが、新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)についての研究はまだまだ足りていないという段階だ。早急な対策としては、手洗いにうがい、外出自粛、十分な食事と睡眠、健やかな精神状態を保つことが有効な例として紹介されている。しかし、連日の報道で不安な日々を過ごし、息苦しい生活に焦燥を募らせる人も多いかと思う。少なくとも筆者はそうだ。

 「このまま家でじっとしているだけだと息が詰まる」、そんな方に今回ご紹介したいのが、分散コンピューティングプロジェクト「Folding@home」だ。分散コンピューティングとは、単独のコンピューターではとても処理しきれない膨大な量の計算を小さなタスクに分散し、世界中のコンピューターに処理を託す仕組みのこと。タンパク質の解析や地球外生命体の探査、大きな素数の発見など、プロジェクトごとにさまざまな目的があり、PCを使っているユーザーなら世界中から誰でも無料で参加できる。

 つまり、有志によるボランティアで動いているプロジェクトということになる。今回ご紹介するFolding@homeは2000年から米国のスタンフォード大学で発足したプロジェクトで、これまでアルツハイマー病、ハンチントン病、パーキンソン病、癌などの研究を進めてきた。そして、このたび新型コロナウイルスについてのタスクも追加され、誰でもこの未知のウイルスに対する研究に貢献できるようになったというわけだ。

 今回はそのプロジェクトへの参加方法と、筆者が自宅で運用中の自作PCで計算してみた結果をお伝えしたい。なお、本稿はあくまでFolding@homeの解説と、自作PCという分野における純粋なる興味からアプローチしているだけで、「PCを持っている人は全員参加しよう!」などという勧誘目的は一切ない。分散コンピューティングは設定やPCの仕様にもよるが場合によってかなり電力を消費する処理のため、電気代が高くなっても一切保証しませんのであしからず……。

まずはクライアントをダウンロード

Folding@homeのウェブサイト

 まずはウェブブラウザ―でFolding@homeのウェブサイトに移動して、PC用ソフトウェアのインストーラーをダウンロードしよう。ウェブサイトをスクロールすると、「START FOLDING」のボタンが出てくるのでそこをクリックして、ダウンロードページに移動する。

「START FOLDING」をクリック

ダウンロードページにはWindows用ソフトウェアのインストーラーがある

 Windows PCからダウンロードページに行くと、Windows用ソフトウェアのインストーラーが見つかる。もしも自分の使っているPCのOSが見つからなかったら、その下に「Don't see the correct software for your device? Try our list of alternative downloads.」というメッセージの「alternative downloads」部分をクリックすれば、OSごとのインストーラーをまとめたページに移動できるのでそちらを見てみよう。

OSごとのインストーラーをまとめたページ

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