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「勉強しなさい」と言わなくても子どもが自ら勉強する言葉とは

2020年04月01日 06時00分更新

文● 道山ケイ(ダイヤモンド・オンライン

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成績が下がってもスマホやゲーム機をむやみに取り上げない方がいい理由とは?(写真はイメージです) Photo:PIXTA

子どもが中学3年生になると、いよいよ高校受験の準備をするとき。しかしその大事な時期に、親が間違った声かけをしてしまうと、思春期の子どもは自ら勉強するどころか宿題すらやらなくなってしまいます。そこで今回は、思春期の子育てアドバイザーであり、サポートした親子は志望校への合格率97%という実績を持つ道山ケイ氏の新刊『高校受験 志望校に97%合格する親の習慣』(青春出版社)から、子どものやる気を削いでしまう“イライラ言葉”を紹介します。

「勉強しなさい」の代わりに子どもをやる気にさせる言葉

「勉強しなさい」。この言葉は、多くのお父さんお母さんが、手っ取り早く子どもを勉強させたいと思ったときについ使ってしまう言葉です。私も中学校の教師時代、子どもたちに「次のテストで、学年でクラス順位1位を取るために勉強しなさい」と、口うるさく言っていた時期があります。すると子どもたちは、勉強するどころか授業中に友達とおしゃべりをするようになり、さらには提出物もまったく出さなくなりました。その結果、担当したクラスは1位どころか、学年最下位を取ってしまったのです。なぜ、こんなことが起きてしまったのでしょうか。

 それは、思春期の子どもというのは、強制されるとやりたくなくなる生き物だからです。そこで、お子さんの受験を成功させるとき、最初に意識してほしいのが「勉強しなさい」という言葉を使わないようにすることです。

 もちろん、毎日10回「勉強しなさい」と言っていたのを、いきなり0回にするのは難しいと思います。つい、子どもに「勉強しなさい」と言ってしまい、「ああ、また言ってしまった…。私って本当に母親(父親)失格かも」と落ち込んでしまうこともあるかもしれません。しかし、1、2回言ってしまった程度で落ち込む必要はありません。いきなり0回にしようとするのではなく、まずは10回言っていたのを5回にしてほしいのです。

 そして、「勉強しなさい」という言葉を使わない代わりに、一つ使っていただきたい言葉があります。それは「何か手伝えることある?」という言葉です。「勉強しなさい」という言葉は命令です。一方、「何か手伝えることある?」という言葉は提案であり、気づかいです。人は命令をされると、反発しようとします。しかし、気づかいをされると、自分の気持ちに素直になれるのです。その結果、「一人で勉強するのが大変」と感じているなら、親に協力を求めることができるでしょう。

 定期的に子どもを気づかう言葉をかけることで、親子で一緒に、受験合格を目指して頑張っていく関係が築けるようになるのです。

塾に行って伸びる子、伸びない子の違いとは

 学習塾は、子どもの成績を上げるうえで、非常に効果的です。素晴らしい指導方針の塾に入れれば、成績が上がる可能性は確かに高いでしょう。ただ、あなたの周りにいるママ友やパパ友から、「うちの子、塾に入れたら一気に成績が上がってびっくりしちゃった」という声をどれくらい聞いたことがあるでしょうか。おそらく、ほとんどないのではないでしょうか。

 もし、お子さんが「塾に行きたくない」と言っているなら、無理に入れる必要はありません。親自身が正しくお子さんをサポートしていけば、塾なしで成績を上げることができます。もちろん、塾に入ることが悪いのではありません。世の中には、素晴らしい塾がたくさんあります。そういった塾と上手に連携を取っていけば、成績が上がるスピードも加速します。

 実際に私がサポートしている方の半数くらいは、塾や家庭教師と併用しながら私の高校受験必勝プログラムを実践しています。成績を上げるために、突然塾をやめないといけないということではありません。ただ、子どもが「行きたくない」と言っているのに無理やり塾に行かせても、成績は上がらないということです。そこで、塾に入れようかどうか検討しているなら、一度お子さんの気持ちを確認してみましょう。

「来年は受験だけど、塾はどうする?」という感じで声をかけてみてください。お子さんが「A君が行っている塾に行きたい」と言うなら、塾を活用したほうが成績は上がりやすくなります。

成績が下がってもスマホやゲーム機をむやみに取り上げない

 テストの成績が下がると、子どものスマホやゲーム機を取りあげてしまう方も多いでしょう。しかし、この方法で、子どもの成績が上がることはありません。

 なぜ、スマホやゲーム機を取りあげても、成績が上がらないのでしょうか。答えは「空いた時間を勉強時間にあてないと、成績は上がらない」からです。多くの場合、スマホやゲーム機を取りあげたところで、空いた時間がテレビ、昼寝、漫画に代わるだけです。

 もしスマホやゲームを取りあげるなら、最初にあることをしておく必要があります。あることとは、「約束」です。あらかじめ、「次のテストで○点以下だったら、しばらくスマホをあずかるね」と約束をして、子どもが納得したうえであずかるようにするのです。そうすれば、子どもが反発することはありません。

 このとき、大事なポイントが2つあります。1つ目は、「取りあげる」という表現ではなく「あずかる」という表現にすることです。なぜなら、「取りあげる」だと上から押し付けている感じになるので、子どもの反発を買いやすくなるからです。一方「あずかる」だと、子どものために協力しているというニュアンスになるので、子どもも受け入れやすくなります。

 2つ目は、スマホをあずかる条件を親が一方的に決めないことです。現在、子どもの点数が5教科合計250点前後だとしましょう。この状態で、「次のテストが350点以下だったらスマホ取りあげ」と言ったら、おそらくお子さんは、「そんなの無理!じゃあやらない」と反発します。

 この場合、親が一方的にルールを決めるのではなく、「次のテスト、どれくらいなら取れそう?」と子どもの気持ちを聞いてあげましょう。お子さんが、「280点くらいなら頑張れそう」と言うなら、まずは、「280点以下だった場合、次のテストまでスマホをあずかるね」というルールにすればいいのです。目標は少しずつ上げていけばいいので、最初の段階では高過ぎる条件にしないようにしましょう。

親が子どもに問題集を渡すと効果が激減する!

「有名な先生が紹介していたから、この問題集を使いなさい」と、よかれと思って子どもに問題集を渡す方もよく見られますが、実は親がこの行動をとった瞬間、問題集の効果は10分の1になります。

 書店で売られている問題集には、わかりやすいものもあれば、そうでないものもあります。できることなら、わかりやすい問題集を使って勉強したほうが、成績は上がりやすいのは間違いありません。しかし、それ以上に大切なことは、子ども自身が自らの意思で問題集を選ぶことです。どれだけ使いやすい問題集であっても、人から押しつけられたものでは、やる気が出ないからです。

 つまり、問題集選びで最も大事なのは、「子どもに選ばせる」ことです。運悪く、子どもが使いづらい問題集を選んでも問題ありません。一度試してみて、使いづらいと感じたら、そのタイミングで次の問題集を買えばいいからです。

「それではお金の無駄なのではないでしょうか」と思われるでしょう。確かに、お金のことだけで考えると、1000円ほど損したかもしれません。しかし、この経験を通して子どもは、使いやすい問題集と使いづらい問題集を見分けられるようになりました。勉強していくうえで大切な知恵が、一つ身についたということです。

 子どもに適切な問題集を選ばせるコツは新しい問題集や参考書を購入しようと思ったら、お子さんに「今週末、一緒に本屋に行って問題集を探そうか」と声をかけるのがいいでしょう。実際に本屋に行って、子ども自身に問題集を選ばせるのです。どうしても子どもに使ってほしい問題集があるなら、次のような形で提案してみることをおすすめします。

ステップ(1)お子さんに、「何か使いやすそうな問題集は見つかった?」と聞いてみる。
ステップ(2)「うーん、どれも微妙かな」という反応が返ってきたら、「たとえば、この問題集なんてどう?」という感じで提案してみる。

 親が使ってほしい問題集を押しつけるのではなく、数ある問題集の中の候補の一つに入れてもらうのです。特にこだわりのない子どもであれば、「まあ、どれも似ているから、お母さんがすすめてくれた問題集にする」と言って、あなたのおすすめ問題集を手に取ってくれるかもしれません。

 子どものやる気をそいでしまうこれらの言葉に共通しているのは、「無理に勉強させる」ということです。無理に勉強をさせるのではなく、子どもが自ら「勉強したい」と思うように親が仕向けてあげることが大切なのです。

 次回は、子どもが自発的に勉強を頑張るようになる3ステップを紹介します。

>>次回は4月8日(水)公開予定です。

※本記事はダイヤモンド・オンラインからの転載です。転載元はこちら

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