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山根博士の海外モバイル通信 第488回

ノキアの全世界対応SIMは14日ごとの期限で使いやすい

2020年03月30日 10時00分更新

文● 山根康宏 編集●ASCII

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新しいカタチのプリペイドSIM

 ノキアブランドのスマートフォンを展開するHMD Globalから、日本を含む全世界で使えるプリペイドSIM「HMD Connect SIM」が発売になります。料金は一律でわかりやすく、14日ごとの有効期限を設けることで無駄のない使い方ができそうです。

グローバル対応のプリペイドSIM「HMD Connect SIM」

 HMD Connect SIMはスターターキットが19.95ユーロ(約2400円)で、内訳はSIM代金が10ユーロ、残りの9.95ユーロが利用できる初期通信料金となります。購入後のSIMの開通作業や、最初の9.95ユーロを使い切ったあとの料金追加はアプリからでき、現在Android OS向けのアプリが提供されています。

 全世界や特定地域で使えるプリペイドSIMはすでに数多くの製品が出ています。HMD Connect SIMはそれらとは若干異なる料金体系を持っているのが特徴です。なかでも面白いと感じるのが「1サイクル14日」という利用方法です。まずは料金を見てみます。

  • 基本購入9.95ユーロ:Zone 1(1GB)、Zone 2(500MB)、Zone 3(250MB)
  • 追加料金5.00ユーロ:Zone 1(1GB)、Zone 2(500MB)、Zone 3(250MB)
  • 基本購入後の最大有効期限:14日

Zoneごとに一定額を購入するという課金体形

 たとえばイギリスで使う場合、イギリスはZone Aとなります。まず9.95ユーロを課金するとイギリスを含むZone Aエリアで1GBが利用できます。この1GBの有効期限は14日間となります。もしも7日めに1GBを使い切ったら、次は5ユーロを課金すれば追加で1GBが購入でるというわけ。この1GBは追加した日からではなく、最初に使い始めた日から14日以内しか有効期限がありません。

 そしてこの1GBを3日め(使い始めてから10日め)で使い切ってしまったなら、また5ユーロを課金して1GBを追加購入できます。そしてこの1GBも、有効期限は最初に使い始めた日から14日です。

 14日経つと、HMD Connect SIMの無料利用データはゼロに戻ります。ここから再び9.95ユーロを課金すると、新たにZoen Aで1GBを使い始められるわけです。

最初の9.95ユーロの課金から14日間が有効期限。追加分は5ユーロと割安

 日本でも使えますが、日本はZone Bになり料金は変わります。まず9.95ユーロを課金すると、500MBが利用できます。この500MBを14日以内に使い切った場合は、5ユーロ課金で500MBを追加できるわけ。さらにこれも使い切ると再び5ユーロ500MBで購入できるわけです。たとえば14日間で2GBを使うとすると、9.95+5×3=24.95ユーロ(約3000円)となります。

 Zone 1、Zone 2、Zone 3の国の区分は以下の通り。

【Zone 1】
Austria, Belgium, Bulgaria, Croatia, Colombia, Czech Republic, Cyprus, Denmark, Estonia, Finland, France, Guatemala, Guadeloupe, Germany, Greece, Hungary, Israel, Iceland, Ireland, Kuwait, Kazakhstan, Liechtenstein, Luxembourg, Latvia, Lithuania, Mongolia, Malta, Malaysia, Netherlands, Norway, Paraguay, Poland, Portugal, Reunion, Switzerland, Sri Lanka, Slovakia, Singapore, Sweden, Slovenia, Spain, Turkey, United States, and the United Kingdom.
【Zone 2】
Armenia, Albania, Afghanistan, Bahrain, Bangladesh, Botswana, Cape Verde, Costa Rica, Canada, Congo, Cameroon, Cote d'Ivoire, Dominica, Ecuador, Fiji, Guinea, Ghana, Guinea-Bissau, Honduras, Hong Kong, Iran, Indonesia, India, Japan, Jordan, Kyrgyzstan, Mexico, Moldova, Macao, Montenegro, Niger, New Zealand, Nicaragua, Nigeria, Papua New Guinea, Panama, Puerto Rico, Rwanda, Russia, Romania, Saudi Arabia, Samoa, Serbia, Swaziland, South Africa, Taiwan, Thailand, Uganda, and Vietnam.
【Zone 3】
Aruba, Anguilla, Antigua and Barbuda, Argentina, Australia, Bermuda, Belize, Bolivia, Benin, Brazil, Cuba, Chad, Chile, Congo - the Democratic Republic of the, China, Dominican Republic, Equatorial Guinea, Egypt, El Salvador, French Polynesia, Faroe Islands, Grenada, Guyana, Gambia, Georgia, Greenland, Gabon, Haiti, Jamaica, Korea, Kenya, Lao Peoples Democratic Republic, Morocco, Monaco, Montserrat, Mozambique, Mauritius, Mali, Malawi, Madagascar, Pakistan, Peru, Qatar, Suriname, Seychelles, Saint Kitts and Nevis, Saint Lucia, Saint Vincent and the Grenadines, Sierra Leone, Trinidad and Tobago, Turks and Caicos Islands, Tajikistan, Tanzania, Tonga, United Arab Emirates, Uruguay, Ukraine, Venezuela, and the Virgin Islands.

 現在すでに数多くのグローバル対応プリペイドSIMが販売されています。それらと料金を比較すると、Zone 1のヨーロッパ諸国で使う場合は、このHMD Connect SIMは悪くない価格かと思われます。一方、Zone 2は他のプリペイドSIMと比べるとそれほど安くはないため、緊急用としての利用が向いているかもしれません。そしてZone 3は現地でもSIMが買いにくい国もあるメリットがあります。1枚買っておけば、すべての国で使えるという安心感もあるでしょう。

 ところでHMD GlobalはこのSIMの発表と合わせて、ノキアブランド初の5Gスマートフォン「Nokia 8.3 5G」も発表しています。SoCはSnapdragon 765、6.81型(2400×1080ドット)ディスプレーに、6400万画素を含むクワッドカメラ搭載のミドルハイレンジモデルです。

ノキア初の5Gスマートフォン「Nokia 8.3 5G」

 このNokia 8.3 5Gの特徴の一つが、5Gの対応周波数の広さ。5G NRの対応バンドは、n1,n2,n3,n5,n7,n8,n28,n40,n41/38,n66,n71,n78。アメリカT-Mobileの600MHz(n71)から、日本でも使われるミリ波3.5GHz(n78)まで広い範囲をカバーします。

Nokia 8.3 5Gの対応バンド。他の機種より多い

 HMD Connect SIMは今のところ4Gのみに対応のようですが、これから5Gのサービス国が増えること、Nokia 8.3 5Gで5Gカバーを増やしたことで、今後は全世界の5Gに対応するプリペイドSIMとしての展開も考えられているのかもしれません。また、今後のノキア端末へHMD Connect SIMの無償セット販売もありそうです。

 ほぼ全世界5Gが使える端末と、ほぼ全世界で使えるSIMの組み合わせは、新しいビジネスモデルになるかもしれませんね。

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