このページの本文へ

ITをもっと身近にするNTTスマートコネクトのクラウドサービス 第3回

AWS、Azure、GCP、Enterprise Cloudなどとセキュアに安定してつなげる

マルチクラウドを乗りこなせ!柔軟な接続性を提供する「クラウド クロス コネクト」

2020年03月31日 11時00分更新

文● 大谷イビサ 編集●ASCII 写真●曽根田元

提供: NTTスマートコネクト

  • この記事をはてなブックマークに追加
  • 本文印刷

 Amazon Web Services、 Microsoft Azure、 Google Cloud Platform、Enterprise Cloudと閉域網でつなげるNTTスマートコネクトの「クラウド クロス コネクト」だ。パブリッククラウドの導⼊や移⾏を検討している企業に向けて、柔軟なコネクティビティ(接続性) を提供するサービスのメリットについてNTTスマートコネクトの東正和⽒に話を聞いた。(インタビュアー アスキー編集部 大谷イビサ)

セキュアに、安定した回線でパブリッククラウドとつなぎたい

  国内でもパブリッククラウドの導⼊は加速している。セキュリティや実績の⾯でパブリッククラウドに否定的 だった企業は、国内でももはや少ない。今や多くの企業はAmazon Web Services(以下「AWS」)やMicrosoft Azure(以下「Azure」)、Google Cloud Platform(以下「GCP」)などのパブリッククラウドサービスを積極的に導⼊するようになっている。当初は⼀部のサービスで試験的にPoCを⾛らせ、次のステップとして社内のシステムをIaaSに移⾏。最終的にはPaaSを活⽤して、クラウドネイティブなシステムを構築するというステップを踏む企業が多い。

 しかし、クラウドを本格的に利用するようになると、課題になってくるのがパブリッククラウドへのネットワーク接続だ。AWSを例に挙げれば、クラウド上に構築した仮想ネットワークのVPCに対して、インターネットVPNを構築する方法がもっとも一般的だ。安価で回線調達の必要がないというメリットがあるが、インターネットという公衆ネットワークを用いる点にセキュリティの不安を感じるユーザーも多く、なにより通信が安定しないという点はデメリットになる。

 『クラウドへの閉域網を構築し、セキュアに高速にパブリッククラウドを利用したい。しかも、さまざまなパブリッククラウドのサービスに、柔軟につなぎたい。』こうしたユーザーの声に応えたのが、NTTスマートコネクトの「クラウド クロス コネクト」になる。クラウド クロス コネクトを使えば、ユーザーの拠点やデータセンターと、AWSやAzure、GCPなどのメガクラウド、NTTコミュニケーションズのEnterprise Cloudを閉域で接続することが可能になる。複数のクラウドをまたぐための複雑なネットワーク設計や運用は不要だ。

クラウド クロス コネクトのサービス概要

閉域網、NTTブランド、クラウド クロス コネクトの強み

 クラウド クロス コネクトを担当するNTTスマートコネクト クラウドビジネス部 東正和氏によると、サービスのメリットはインターネットではなく、閉域網である点だという。

「正直、通信の暗号化に関しては『(インターネットVPNで用いられる)SSLやIPsecで十分では?』という声があるのも理解しています。とはいえ、通信の安定性に関してはやはり確実にメリットがあると考えています。実際、SLAも99.95%を保証しています」(東氏)

NTTスマートコネクト クラウドビジネス部,CCIE Routing and Switching 東正和氏

 たとえば、クラウド上の動画コンテンツを安定的に配信したいという放送局の要望。地⽅の事業者に対して決められた時間内に送らなければならないため、インターネットでは厳しかった。この事例では、NTT西日本のVPNサービスでクラウド クロス コネクトに接続し、AWS Direct Connect経由で配信を⾏なったという。その他、本社と支社間での受発注処理をセキュアに行いたいという自動車部品メーカーのお客さまのご要望や、⼩売事業者のPOS管理システムなど、セキュリティや通信の安定性というニーズから閉域網を用いるクラウド クロス コネクトが好まれるという。

 また、ユーザー拠点からパブリッククラウドまでのネットワークをワンストップで運用管理できる点も大きなメリットだ。まだまだ外資系ITベンダーのコンサルティングやサポートに慣れない日本の企業にとって、NTTブランドはやはり大きい。

「いろいろな事業者とそれぞれ契約しなくて済むのは大きなメリットだと思います。もちろん、NTTブランドに恥じないよう、機器やシステムは冗長構成をとっていますし、機器が故障した際の運用体制もきっちりしています」(東氏)

 NTTスマートコネクトの接続点は大阪・堂島のデータセンターに用意されているため、ユーザーは大阪までの回線料金で利用可能で、通信事業者も自由に選択できる。堂島のデータセンターにはISP・通信事業者が集中しているため、ユーザーが利用している通信事業者のサービスも利用しやすい。また、国立情報学研究所が構築・運用している学術情報ネットワーク(SINET)にも接続できるので、大学や研究機関も利用しやすい。パブリッククラウドとの接続プランに関しても、ベストエフォート型の100Mbpsと1Gbpsの回線を使える低価格な共用型プランに加え、10Mbps~1Gbpsまでの帯域保証型プランを用意。用途に合わせて選択できる。

マルチクラウドに向けて「つなぐための選択肢」を提供する

 そしてクラウド担当の記者から見てクラウド クロス コネクトのメリットとして、もっとも大きいのは接続の柔軟性だ。特定のクラウドサービスとダイレクト接続しなくても、いったんクラウド クロス コネクトにつなぎ込んでしまえば、さまざまなクラウドサービスと安定的につなぐことができる。

 市場を俯瞰してみると、パブリッククラウドに全面移行している企業は正直まだまだ多くない。ユーザーが自社でIT資産を保有・運用するオンプレミスやプライベートクラウドの利用形態もまだまだ多いし、コストやガバナンスの観点でパブリッククラウドからオンプレミスに戻すという企業や事業者も存在する。AWS、Azure、GCPなど複数のクラウドをニーズに使い分けたいというマルチクラウドのニーズも今後は顕在化してくるだろう。要はこれからのクラウドユーザーは、サービスや事業者を選択できる柔軟性が必要になるということだ。

「安価なロケーションにデータを置いたり、特定分野に秀でたAIサービスを使おうと考えたら、やはりマルチクラウドという選択はでてくると思います。また、オンプレミスにデータを置いて、パブリッククラウドとのハイブリッドで運用したいというニーズも高いはず。その点、いろいろな事業者とつなげるネットワークを持っているので、いったんわれわれと契約いただければ、方針転換したいときも柔軟に対応できます」(東氏)

「方針転換したいときも柔軟に対応できます」(東氏)

 サービス開始から4年目を迎えるクラウド クロス コネクトだが、クラウド導入とあわせて検討されることが増えているという。政府が発表した「クラウド・バイ・デフォルト」の方針や昨今の新型コロナウイルスによるリモートワークへの移行、デジタルトランスフォーメーション(DX)の推進など、業界がクラウドに向かっているのは間違いない。クラウド戦略の柔軟性を確保するには、まずはネットワークから考えてみてはいかがだろうか?

(提供:NTTスマートコネクト)

カテゴリートップへ

この連載の記事
  • 角川アスキー総合研究所
  • アスキーカード