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ASCII STARTUP イベントピックアップ 第70回

NTTデータ「第10回豊洲の港から presents グローバルオープンイノベーションコンテスト」表彰式

救命医薬品を高速配送するドローンなどが受賞 NTTデータのイノベーションコンテスト

2020年03月31日 11時00分更新

文● 柳谷智宣 編集●ASCII STARTUP 撮影●曽根田元

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 ANAインターコンチネンタルホテル東京で「NTTデータ 第10回豊洲の港から presents グローバルオープンイノベーションコンテスト」のグランドフィナーレが2020年1月24日に開催された。

 NTTデータ 第10回豊洲の港から presents グローバルオープンイノベーションコンテストは、地域の課題やマーケットニーズがテーマのコンテストだ。グランドフィナーレでは、2019年に世界16都市で開催されたコンテストのファイナリストが集結し、プレゼンをしてグランプリが決定した。受賞企業は本戦とは別に、短いピッチを実施した。

 グランドフィナーレは、2会場に分けて開催された。今回は、受賞式の様子を紹介しよう。最優秀賞以外に、SDGs賞と7つの領域賞が選出された。ちなみに領域賞は、今回募集した8つの領域ごとに、NTTデータがビジネスになると考え、領域の責任者自らが手を上げて「一緒にやりたい」といったところに贈る賞となっている。

 なお、熱いプレゼンが繰り広げられたF会場での様子は「貸付リスクを生体情報で分析する技術など、世界選りすぐりのベンチャーがプレゼン」で紹介している。

社会的インパクトを評価された企業に贈られるSDGs賞

 社会的インパクトを評価された企業に贈られるのがSDGs賞。社会の17のゴールを解決できるようなビジネスこそが、世界を救い、さらに大きなビジネスにつながるという考えから用意されたもの。このSDGs賞を獲得したのは、ミュンヘンのWingcopterだ。

 Wingcopterは電動の垂直離着陸できる自律型ドローンで、島しょ部などの離散した地域において、高速な救命医薬品配送を実現している。

 「現在、20億人に対して医療や薬が届いていません。サプライチェーンもインフラもないためです。そこで何かソリューションがないか考えて、辿り着いたのがドローンでした」と言う。

 Wingcopterはチルトローターを搭載し、垂直で離陸したあと、ローターが90度回転して固定翼の飛行機になる。2012年に発表したところ、多くの引き合いがあったため、起業したそう。その後、グラスファイバーやカーボンファイバーを使って本体を作り、ビジネスを始めた。

 ドミニカの事例では、それまで7時間歩かなければならなかったところを、5分で薬が届けられるようになった。ドローンによる薬のデリバリーのほか、さまざまなセンサーによって農業をモニタリングしている。将来は人を運べるほど大きくしたいとも考えているそうだ。

SDGs賞を獲得したのはWingcopter

離陸から着陸まで全自動で可能だ

領域1:ヘルスケア・ライフサイエンス

 領域1のヘルスケア・ライフサイエンスで受賞したのはテルアビブのBinah.ai。Binah.aiはスマートフォンのセンサーで得られたらデータを解釈する人工知能エンジンにより、プライバシーに配慮しつつ、スマホ利用者の行動プロファイルを構築できるのが特徴。

 Binah.aiはスマホのカメラで撮影し、その人のバイタルサインを読み取る。オフラインでも動作するので、録画されたビデオの解析も可能。サングラスをかけていても、ひげを生やしていてもバイタルサインを抽出できる。

 最初の7秒で心拍数がわかり、10秒で酸素飽和度、30秒で呼吸数がわかる。40~45秒あれば精神的なストレスレベルを調べることも可能。今後は血圧や血中アルコール濃度、体温などにも対応する予定だという。

領域1の領域賞を受賞したのはBinah.ai

スマホアプリで撮影するだけでバイタルサインを把握できる

領域2:金融・保険・決済

 領域2の金融・保険・決済からは2社が受賞した。まずは、バンキング領域としてメキシコシティのNauphilus。Nauphilusは人工知能を活用した生体情報分析により実現した、オンラインの貸付リスク分析ソリューションを提供している。

 生体情報の分析、財務状況の分析、適した金融商品のマッチングという3本柱としている。AIにより1万4500の変数を分析し、オンラインのリスク評価により、不払い率を下げられるのがメリット。デジタルアバターにより申請者との応答を解析し、音声や顔の表情からウソを言っているのか、不正行為をはたらく可能性などを判別するという。

 すべてウェブ上で利用でき、APIの接続も可能で、既存のプロセスに組み込むことも可能。オンラインで済むため、リスク評価のコストを85%削減し、時間も90%短縮できる。また、金融リスクの分析だけでなく、HR領域で社員をモニタリングしたり、大量採用をしたりするときにも活用できるという。

領域2の領域賞を受賞したのはNauphilus

デジタルアバターが申請者の表情を撮影し、嘘をついているかどうかを判別する

 同じく領域2の保険領域として受賞したのはロンドンのDigital Fineprint。Digital Fineprintは、企業に関するさまざまな情報を集約したデータ資産を提供することによって、金融サービス企業が金融機能(リスク負担機能)を実現することを支援している。

 WebスクレイピングとAIによる自然言語処理により、中小企業に関するオープンデータを収集して、データベースへ保存する。そのデータを実際に使えるインサイトに変換して、リスクファクターを見つけられるようにしている。

「なぜ中小企業にフォーカスしているかと言うと、中小企業を守りたいからです。こういったアナリティクスを使って、保険会社から適切な保険を受けることによって、中小企業を守ることができます。中小企業が破産することなく、もっと反映して欲しいと考えています」と語った。

領域2の領域賞を受賞したのはDigital Fineprint

データを収集して、変換し、顧客がインサイトを利用できるようにする

領域3:オートモーティブ・MaaS

 領域3のオートモーティブ・MaaSとして受賞したのは深センのDorabot。DorabotはAIとロボットを活かして、次世代型倉庫を実現するソリューションを提供している。社名のDorabotは、「ドラえもん」にちなんでいるとのこと。

 高齢化社会により少なくなった働き手の代わりに、AIを搭載したロボットに肉体労働を任せるというもの。モバイルロボットが倉庫内の仕訳や輸送を行い、バラバラの形をした荷物をコンテナに積む際、きちんと並べることも可能。業務効率を改善でき、人件費を70%削減できた顧客もいるという。

領域3の領域賞を受賞したのはDorabot

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