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【FANZA GAMESプレイ日記】 第38回

クトゥルフ神話風ホラーADV「Moons of Madness」PS4版をレビュー! 狂気に満ちた火星で謎を解き明かせ

2020年03月26日 11時00分更新

文● 松野将太 編集● ASCII

提供: DMM GAMES

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クトゥルフ神話をベースにした火星探索ホラーアドベンチャー

 20世紀前半、アメリカの怪奇作家であるハワード・フィリップス・ラヴクラフトによって創始され、多くの作家が世界設定を共有することで発展した架空の神話である“クトゥルフ神話”。当初はラヴクラフトや彼と親交のある数名の作家が関連作を執筆していたにすぎなかったが、人知を超越した宇宙的な世界、恐怖を煽るユニークな怪物や神々といった独自のホラー要素によりブームに火が付き、現在ではホラー作品の1ジャンルとして認知されるほどの広がりを見せている。

 日本国内でも、小説や漫画、アニメ、映画、ゲームといったメディアでクトゥルフの世界設定やモチーフを取り入れる作品が増えており、一定の知名度を獲得していると言える。「クトゥルフ」というワードそのもの、あるいは「ダゴン」「ニャルラトホテプ」「ネクロノミコン」などの著名なモチーフは、神話から独立してゲームなどのフィクション作品に登場することも多いため、神話の体系そのものは知らなくても、どこかで触れたことがあるというゲーマーは多いはずだ。

火星の秘密研究施設で働く男が巻き込まれた事件や狂気との戦いを描く

 Rock Pocket Gamesが開発し、DMM GAMESが国内でリリースしたゲームタイトル「Moons of Madness」は、そんなクトゥルフ神話的な世界設定をベースに、火星の研究施設「インヴィクタス」で起こる奇妙な現象に巻き込まれる人々の物語を描いた作品だ。クトゥルフ系作品でしばしば表題に用いられる「Madness(狂気)」がタイトルに含まれていることからも分かる通り、本作では襲い来る怪物や現象から逃れつつ必死に精神の平衡を保っていく“恐怖”との戦いが主なテーマとなっている。

舞台が火星ということで、ホラー作品ながら高度にデジタル化された周囲の環境が特徴のひとつ

もちろん、次第に変化していく。壁を這う謎の蔦のようなものの正体は……

 ゲーム本編はプレイヤーの一人称視点で進行し、マップ上の施設やアイテムにアクセスすることで数々の障害を乗り越え、次々に提示される目的を達成していく探索型のアクションアドベンチャーゲーム。施設の電力や通信機能を回復させたり、目的地に到達するために細かい謎解きを重ねていく必要があるため、どちらかと言えばプレイの技能よりも注意深くヒントを探すタイプの作品と言える。

 何が起きるか分からない恐怖に耐えつつ、時には夢か現実か分からないような怪現象や謎のクリーチャーから逃げるスリリングな場面もあるため、ホラーが苦手なプレイヤーにはややハードルは高いだろう。なお、武器を持って敵に立ち向かうようなシューター系ゲームではないため、難易度の選択はない。

主人公のシェーン。マップ上の様々なオブジェクトにインタラクトしつつ、謎解きを進めていく

技術者ということで、ハイテク機器の操作はお手の物。右手に奇妙な傷跡があるが、これには何かの秘密が隠されているようだ

 プレイヤーが操作するのは、技術者としてインヴィクタスのステーションに駐在する主人公の「シェーン」。彼は研究内容や施設の目的を知らされておらず、日々自分の仕事のみを黙々とこなす日々を送っており、突発のトラブル対応に赴いたことで、立て続けに奇妙な現象に襲われるようになってしまう。孤独な火星の大地で怪現象から逃げ回りつつ、目の前の光景が現実なのかどうかも次第に曖昧になっていく中、基地の設立の経緯や、シェーンと失踪した母にまつわる謎が明らかになっていく……というのが主な物語だ。

舞台は火星だが、夢と現実の曖昧な境目により非現実的な環境に追い込まれるシーンも。クトゥルフらしいモチーフも散見される

 ゲーム性は極めてシンプルだが、火星探索の合間にクトゥルフらしい狂気的な演出や現実離れしたマップが挿入されることで、攻略が単調にならないよう配慮されている。謎解きに詰まらなければサクサク進めていけるものの、後述するようにヒントがやや少ないため、場合によっては時間を取られることもあるだろう。総じて、歯ごたえある謎解きや、ストーリーを深く楽しみたいゲーマーに勧められるタイトルだ。

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