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流行の「手のひら洗い」はおじさんのミドル脂臭に太刀打ちできるか?

2020年03月04日 06時00分更新

文● 松嶋千春(ダイヤモンド・オンライン

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ドラッグストアの棚に並ぶようになって久しい泡状ボディーソープ。どのメーカーもこぞって「手のひら洗い」を推奨しているが、そんなソフトな洗い方で汚れやニオイは本当に落ちるのだろうか。また、手の届かない背中はいったいどうすればいいのか――。15秒CMには収まりきらない手のひら洗いの謎に迫る。(清談社 松嶋千春)

手のひら洗いは
本当に肌に優しいのか

皮脂分泌量の多い男性、とりわけ皮脂が酸化しやすくなる30代半ば以降のミドル世代は、洗い残しに注意が必要だ Photo:PIXTA

「花王 ビオレ」を筆頭に、「クラシエ ナイーブ」、「ユニリーバ・ジャパン ダヴ」など、固形・液体のものに加え、泡状のボディーソープを展開しているメーカーは多い。対象は敏感肌に限らず、老若男女が手のひらで泡を体に伸ばす様子が宣伝で流れている。では、「手のひら洗いは肌に優しい」とする根拠は具体的にはどのようなものなのか。美容皮膚科の銀座ケイスキンクリニック院長・慶田朋子医師に聞いてみた。

「肌表皮は4層に分かれていて、その最外層が角層という厚さ0.02mm程度のとても薄い層になります。ボディータオルでゴシゴシと強くこすりすぎてしまうと、水分保持の要となる細胞間脂質が失われ、肌荒れや乾燥を招きます。角層のバリア機能を保つためにも、こすりすぎない手のひら洗いは理にかなっているといえるでしょう」(慶田医師、以下同)

 肌に良いことはわかったが、全身を手だけで洗おうとすると、無理も生じてくる。皮脂分泌量の多い男性、とりわけ皮脂が酸化しやすくなる30代半ば以降のミドル世代は、洗い残しに注意が必要だ。

「男性ホルモンの影響で、男性は女性よりも皮脂分泌量が多いです。さらにミドル世代になると、ジアセチルという成分に由来する酸化した皮脂のにおい『ミドル脂臭』が出てくるようになります。いわゆる『お父さんの枕カバーのにおい』ですね。背中のように皮脂量が多く手の届きにくい部位は、柔らかめのボディータオルを使用し、たくさん泡をつけて優しくなでるように洗いましょう」

体を洗う前に
湯船で角層をふやかそう

 皮脂量の多い部位を「脂漏部位」といい、背中のほかには頭部、首の後ろ、耳の後ろ、脇、胸・乳輪、外性器周りも含まれるという。逆に、皮脂量が少なく乾燥しやすい部位は、前腕、脚(特にすね)、腹、腰周り。皮脂量が少ない部位は、泡を乗せて滑らせるだけで十分脂汚れは落ちるが、脂漏部位はやや丁寧に洗う必要がある。

「頭を洗う際には、頭頂部だけでなく後頭部~耳の後ろを指の腹で軽くもむように、ある程度時間をかけて洗った方がいいですね。脇など体毛の濃い部分は、サッとなでるだけだと毛の根元に脂が残ってにおいの原因になるため、毛をもみ込んで全体になじませましょう。頭や体に直接洗浄剤をつけて毛で泡立てる人もいますが、それだと界面活性剤の刺激を強く受けてしまいます。洗浄剤は必ずネットなどでしっかり泡立ててから乗せるようにしてください」

 公衆浴場では全身を洗ってから湯船に入るのがマナーだが、家で入浴する場合、慶田医師は「湯船に浸かる→全身を洗う」という手順を推奨している。

「全身をこすり洗いしてバリア物質がなくなった状態で湯船に浸かると、脂がどんどん抜けて肌が乾燥しやすくなります。汚れやすい足や外性器周りをササッと泡で洗い、全身をお湯で丁寧に流したら、先に湯船に浸かった方が肌には優しい。湯船に浸かることで角層が水を吸ってふやけ、角層の生まれ変わり(ターンオーバー)が促されます。脂汚れも溶けて落としやすくなるため、本格洗いは湯船に浸かった後にするのがおすすめです」

こすり洗いは週1〜2回に
とどめるのが吉

 ゴシゴシ洗いに慣れ親しんでいると、手のひら洗いでは物足りなく感じることもあるだろう。

「背中など、皮脂の出やすい部位については、角層のターンオーバーを促す意味でも週に1~2回程度であれば軽くこするのもアリでしょう。また、七輪焼き肉店やもつ焼き店など、煙モクモク・油ギトギトの環境にいると、油の粒子が飛んで髪の毛や肌に付着するので、そういう環境にいた日は、軽くこすって汚れを落とした方がいいかもしれません」

 タレントのタモリ氏は、洗浄剤をつかわず、お湯に浸かるだけの入浴法を実践しているという。著名人の健康法を知るとまねしたくもなるが、「タモリさんがお湯だけでも問題ないのは、おそらく皮脂量が少ないから」と慶田医師は指摘する。

「皮脂が酸化すると、角層を刺激して肌のキメを乱します。ほこりや汗ならお湯だけでもある程度は落ちますが、一般的な肌質であれば、皮脂汚れは洗浄剤を使って洗い流した方がいいです。こすらない部位とこする部位の区別、あとはこする頻度を調整しながら、ちょうどよく清潔を保っていただきたいですね」

 肌は、外的な刺激から体内を守る大切な器官。洗い残しのせいで脂ぎっていないか?逆に、こすりすぎて乾燥していないか?自分の肌と相談して、入浴方法を見直してみてはいかがだろうか。

※本記事はダイヤモンド・オンラインからの転載です。転載元はこちら

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