5つの要点エリアの概要
重点エリアとして、「ナショナルアジェンダ」「デジタルエコシステム」「日本型インダストリー4.0」「クラウド」「エクスペリエンスマネジメント」の5つを掲げる。
「ナショナルアジェンダ」では、福島県会津若松市の「SAPイノベーションフィールド福島」での取り組みや、コマツと取り組んでいる「ランドログERP」、防災・減災情報活用プロラットフォーム「EDISON」などを紹介。「日本のナショナルアジェンダに対して率先的に取り組むことに、SAPジャパンの存在意義がある」とした。
「デジタルエコシステム」では、東京・大手町に設置したSAP Experience Center TOKYOやスタートアップ支援プログラム「SAP .iO」などを通じた協創によって、イノベーションを創出する取り組みを行っていることに触れ、スタートアップ企業、次世代リーダー、イノベータの育成を進めていることも強調した。
また、「日本型インダストリー4.0」においては、SAP Lab Japanの体制拡充、プロトタイプ開発への取り組みをあげ、「クラウド」においては、クラウドERP、中堅中小企業ERP、SaaS事業の拡大に取り組む姿勢をみせた。
そして、「エクスペリエンスマネジメント」については、「これは、新たな分野の取り組みである」とし、「小売店では、いつ、だれが、なにを購入したのかはわかったが、なぜ購入したのかということが仮説に留まっていた。データを分析し、消費者に価値を届け、新たなビジネスを創出するお手伝いをしたい。顧客だけに留まらず、社員、製品、ブランドに対して、価値を生むことになる」と述べた。
SAPは、クアルトリクスの買収によって、エクスペリエントマネジメント(XM)の分野に進出。すでに全世界で1万1000社への導入実績がある。日本でも、エクスペリエンスマネジメントを提案する体制が整っていることを示してみせる。

この連載の記事
- 第430回 富士通PC事業、新社長はレノボから……日本のPCは変わる?
- 第429回 物理世界をデジタルの世界にどう引き込むか、グーグル・クラウド・ジャパン平手智行代表のことば
- 第428回 顔認証や電子チケットで快適熱狂型の観戦を、ジャイアンツ×東京ドームDXプロジェクト
- 第427回 テレワークとGIGAスクール背景にレノボが躍進、決め手は調達力?
- 第426回 コロナウィルス飛沫シミュレーションにも活躍した富岳、その負荷はまだ1/6程度
- 第425回 海外から撤退後、ふたたび世界を見すえるVAIO、新VAIO Zは日本特有のニーズだけでなく世界に問う製品
- 第424回 教育分野での存在感高まるグーグル、CEOもChromebook/仮想授業の広がりに驚き
- 第423回 廃校や寺、城、無人島まで、あらゆる場所を15分単位で借りられるSPACEMARKET
- 第422回 コロナ禍でオフィスはどう変わったか? 大塚商会の決算から垣間見えること
- 第421回 コロナ禍が変えたPC市場とは? 日本HP、岡社長の言葉から
- 第420回 アイリスオーヤマがロボット事業に本格参入、B2B Robot as a Service
- この連載の一覧へ