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科学・生物で気になることをお届け! 「数式なんて知らんし!!」 第56回

遺伝子を操作したら病気への耐性もつけられる?

2020年02月26日 17時00分更新

文● イラスト●せれろんやまだ(@Celeron_ymd

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倫理的にかなりアブナイ“デザイナーベビー”

 横でわちゃわちゃしている息子を見てよく思うのが、「いったいコイツは誰に似ているのだろう」ということ。顔だけでいっても、忖度が働いてしまうのか、旦那の身内からは旦那似、私の身内からは私似と言われることが多々ありますが、個人的には“私の母方の祖母似”だと思っています。ていうか、そもそも私のばあさんなど第三者は知るよしもありません。一方では、内面的なもの、特にせっかちな性格は“旦那の父方の祖父似”と言われています。

 このように、子孫にはそれまでの先祖の遺伝子が要所に出てきますが、本人やその親がそれを選ぶことはできません。性染色体以外にも、色々な遺伝子が他の染色体(常染色体)にのっかっていて、血筋が続く限り受け継がれていきます。どの遺伝子が発動するか、これはもう発現を見てみるしかありません。同じ親から生まれた子たちでも、顔や特徴が異なるのはそのためです。

 もし子供の遺伝子を、意図的に操作することができたらどうなるのでしょうか? 親の好きな顔や髪の色、背格好など、あたかも子供をデザインするように……。そう、『デザイナーベビー』と呼ばれるものです。ここにおけるデザインとは、“遺伝子の改変”、つまりヒトにおけるゲノム編集のことです。人間が持つDNAには、2万数千個の遺伝子が含まれていると言われており、ここで個人の特徴が色々決められています。生まれる前に、遺伝子を改変して、誕生する子供の外見や内面的なものを決める……遺伝子の改変をされた子供、それがデザイナーベビーです。科学的に、そういう技術もあるのか! と思う反面、人の手で生命を操作するのか……という倫理的な問題や、本当に大丈夫なのか、他の遺伝子や子孫に影響は出てこないのという、安全性の問題などが同時に出てきます。

せれろんやまだ

 大手PC関連デバイス販売代理店で敏腕を誇った“姐御”。科学好きが高じてついに連載開始。夢は家事を放棄すること。

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