フルHD時はレンダリングのスケーリング「100%」でも平均182fps
まずはGTX 1660 SUPERとRTX 2060 SUPERの力量さを見定めるため、フルHD時のフレームレートから検証していこう。テストはゲーム内のベンチマーク機能を用い、画質設定は「最高」を選択。レンダリングのスケーリングはデフォルトの「50%」と、「100%」に変更したパターンの2通りを計測した。なお、R6Sのベンチマーク機能は高性能なGPUほど、最少フレームレートが下ブレするので安定値の平均を掲載している。
レンダリングのスケーリングが「50%」の時は、第9世代インテル® Core™ i7-9700Fプロセッサー+RTX 2060 SUPERのコンビが最少フレームレートでも156fpsと圧倒的だった。R6Sのベンチマーク機能はリアルな戦闘シーンよりも負荷が軽めだが、これならリフレッシュレート144Hz駆動のゲーミングモニターのフルパフォーマンスが常に発揮できそうだ。
負荷がグッと高まるレンダリングのスケーリング「100%」。それでもRTX 2060 SUPERは平均182fpsと、GTX 1660 SUPERに対して地力の差を見せつけている。最少フレームレートでも50fps以上の差があるのは驚きだ。
もちろん、GTX 1660 SUPERの平均134fpsも決して悪い成績ではない。普通にプレイするなら十分だろう。だが、常に本気の反応速度でスキルを磨きたいユーザーなら、RTX 2060 SUPERは検討せざるを得ない性能という話だ。
それでは今回のメインディッシュであるWQHDテストに移ろう。こちらも画質は「最高」を選択し、レンダリングのスケーリングは「50%」と「100%」のそれぞれを計測している。
第9世代インテル® Core™ i7-9700Fプロセッサー+RTX 2060 SUPERの組み合わせは、レンダリングのスケーリング「50%」時で平均179fpsとだいぶ優秀だ。とは言え、GTX 1660 SUPERも平均132fpsと健闘している。アップスケーリング前の解像度自体は1812×1020ドットと、フルHD以下なのもその要因に思える。さて、それがドットバイドットの2560×1440ドットになったらどうなるのか。
レンダリングのスケーリング「100%」になると、GTX 1660 SUPERは平均83fps、RTX 2060 SUPERは平均117fpsと明暗が分かれた。また、GTX 1660 SUPERでは最少フレームレートが68fpsと、リアルな戦闘シーンでは60fpsを割れる可能性がある。一方、RTX 2060 SUPERは93fpsと、快適指標の60fpsまでだいぶ余裕を持っている。WQHDの最高画質でプレイするなら、やはりRTX 2060 SUPERがちょうど良いと言える。
もちろん、1つ下のグレードのGeForce RTX 2060でもGTX 1660 SUPERよりは高性能だろう。しかし、RTX 2060 SUPERは登場時からその1つ上のGeForce RTX 2070にほど近い性能で話題になったGPUだ。つまり、RTX 2060との性能ギャップは大きめと言わざるを得ない。RTX 2060は現在最安で3万5000円前後と、RTX 2060 SUPERとの差は1万円前後。その差を安いと見るか、高いと見るかで評価は分かれるところだろう。
また、フレームレートはGPUの性能だけではなくCPUでも変わってくる。現在ゲーミングにおける性能はインテルの第9世代インテル® Core™ プロセッサーが鉄板だが、その中でも第9世代インテル® Core™ i9-9900Kプロセッサー(5万8500円前後)や、第9世代インテル® Core™ i9-9900KSプロセッサー(6万6000円前後)は別格の存在だ。ビデオカードの性能はCPUによってはボトルネックになるので、GPUを見直す前に古めのCPUをアップグレードするのはアリだろう。