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画面を直接操作せずに利用できるカーナビアプリの安全性

「ながら運転が厳罰化」でスマホナビが全滅!? 音声操作ナビなら心配無用!

2020年01月29日 11時00分更新

文● 飯島範久 編集●村野晃一(ASCII)

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「ながら運転」が厳罰化

 数年前「歩きスマホ」が社会問題になった。「歩きながらスマホを操作する」ことで、人にぶつかったり、信号無視したり、ホームから転落したりと、さまざまな危険な行動が多発したためだ。さらに昨年、注目を集めたのが「ながらスマホ」である。「クルマ(バイクなどを含む)を運転しながらスマホを操作する」ことで、交通事故が多発。2019年12月1日より「携帯電話使用等」の罰則が改められ、より厳罰化された。

 そもそも、スマホが登場する前から「ながら運転」をしてはいけないとされてきた。携帯電話で通話しながらはもちろん、カーナビ登場以降はカーナビを操作したり注視してはダメであり、交通事故を起こしたら3ヵ月以下の懲役または5万円以下の罰金で、反則金も普通車で9000円、基礎点数は2点だった。

 それが、今回施行された厳罰化により、交通事故を起こしたら1年以下の懲役または30万円以下の罰金、反則金はないものの、基礎点数は6点で一発免停となる。たとえ事故を起こさなくても、ながら運転が確認された場合、6ヵ月以下の懲役もしくは10万円以下の罰金と普通車なら1万8000円の反則金、基礎点数3点とかなり厳しい。

 警察庁の調べによると、2018年中の携帯電話使用等による交通事故の件数は2790件で、過去5年間で1.4倍に増加しているとこと。さらに交通事故で携帯電話を使用していない場合と比較すると、約2.1倍も死亡事故率が上がるという結果となっている。これだけ、交通事故、死亡事故率が高いとなると、抑制するために厳罰化もやむなしと言ったところだ。

スマホのカーナビアプリはどうなるの?

 実は、自動車メーカーやカーナビメーカー、携帯電話メーカーでは、クルマ運転中の対策が施されてきた。カーナビの場合、クルマが動いていると操作できない仕組みが取られている。また、携帯電話に対してはハンズフリー機器が用意され、着信があってもマイクとスピーカーで会話できるようにし、極力運転の妨げにならないようにしている。

 しかし、スマホを利用するのは通話時だけではない。メールやSNS、ゲーム、地図、そしてカーナビなどさまざまなアプリが利用できるため、なかなか対策を取るのは難しい状態だ。メールやゲームなどは画面を見ずにはできない行為なので、そのために運転しながらスマホを利用するのはもってのほかだが、カーナビアプリに関しては、クルマの運転時に利用される目的で開発されたもののため、これも利用できないとなると、なかなか厳しい状況だ。

 幸いほとんどのカーナビアプリは、止まっている間に目的地をセットすれば、音声でナビしてくれるため、画面を注視せずとも目的地へたどり着けるかもしれない。でも、目的地の変更や経由地の設定などをするたびにクルマを止めて……というのはいかにも面倒だ。そこで注目したいのが「ながら運転」せずに操作を可能にする音声操作カーナビだ。

 画面にタッチ操作せずに、音声だけで操作できるカーナビであれば、ながら運転の発生をほぼ抑止できる。その代表格が、LINEのカーナビアプリ「LINEカーナビ」だ。

音声操作カーナビアプリなら、画面の直接操作が不要で安全運転が可能!

 音声操作なら──とは言っても、これを実現するのはそれほど簡単ではない。まず、カーナビアプリとドライバーの間で会話が成り立たなければ話にならない。「ヴィーナスフォートまでナビして」と声で伝え、カーナビが「ヴィーナスフォート」が地名であることを理解し、地図上のどの地点に当たるのかを検索できることが必要になる。カーナビアプリに、ドライバーの言っていることを理解してもらう必要があるのだ。「LINEカーナビ」は、LINE Clovaで培ったAIアシスタント技術により、このハードルを超えてきた。

 「LINEカーナビ」は、これまでのメニューを選んで画面遷移していく操作方法ではなく、音声操作によって操作するため、複雑なメニューは一切ない。「ねぇClova」と話しかけ、「江ノ島までナビして」とお願いすれば、すぐにルート検索して目的地にセットし、音声でナビしてくれる。検索結果が複数ある場合でも、画面に表示された候補地の中から番号を声で伝えるだけで良い。

検索結果が複数見つかった場合には、ちらっと画面を見て番号を伝えるだけでOK

 これなら、画面を長々と注視する必要もなく、ハンドルから手を離さなくても目的地をセットできる。その後のナビも、音声によって案内されるため、マップを見なくてもルートが分かる、非常によくできたナビシステムだ。

 音声での操作がメインなので、画面表示がシンプルなのも特長のひとつ。細かい文字で表示されてもチラ見では確認しづらくなり、ながら運転を助長することになる。LINEカーナビは、かなり簡略化されているので、ナビ中もわかりやすいのが特徴だ。

 ルート探索や地図情報はトヨタのカーナビエンジンを利用しているため、きめ細かく案内してくれる。自車位置の精度も高いので、曲がる位置を間違えた! なんてこともない。

入り組んだインターチェンジでも迷うことなく音声ガイドだけで進路が分かる

使ってみて分かる、LINEカーナビの音声操作の利便性

 実際にLINEカーナビを使っていて、特に便利に感じたのが、たとえば目的地へ向かっている途中にコンビニやガソリンスタンドへ寄りたいとき、「ねぇClova、近くのコンビニ」と話すだけで、近くのコンビニを調べてくれ、コンビニを経由地に設定できるところ。いちいちクルマを停める必要なく、スムーズな立ち寄りができるのは運転者にとって非常にありがたい。

近くのコンビニを探すのも音声でらくらく

 また、LINEカーナビの機能として、登録したLINEグループに届いたメッセージを読み上げてくれたり、メッセージを送信できるのも便利だ。例えば、電話だと「いま●●だから、あと10分ぐらいで着く」なんてメッセージは伝えられるが、相手はもしかすると電車の中で電話に出られないかもしれない。そこで「ねぇClova、到着時間をメッセージして」と話すだけで、LINEグループにメッセージが送られ、到着時間もほぼ正確に予測し、相手に知らせてくれる。実は、この機能がいちばん秀逸なのではないか。

 筆者は、長年クルマを運転するなかで、さまざまなカーナビを利用してきたが、調べるときはどうしても画面を見る必要があった。音声で操作できるタイプもあったが、結局メニューでの操作と変わらないため、コマンドを画面で見る必要があったり、しかもうまく認識されなかったりで、かえって面倒だった。

 LINEカーナビの場合は、話しかけるように指示でき、画面を注視しなくても操作できるところが、これまでのカーナビと一線を画しており、ながら運転せず、まともに利用できる、現時点で唯一のカーナビかもしれない。しかもLINEとの連携だけでなく、LINE MUSICとも連携して、音声で楽曲を選曲もできる。聴きたい音楽もボタン操作や画面を注視する必要がないため、その点でもながら運転解消に一役買っている。

アプリのバージョンアップでどんどん便利に!
新機能「ハイウェイモード」が搭載

 さらに備え付けタイプのカーナビと違い、機能がバージョンアップされるのもスマホのカーナビのいいところ。LINEカーナビも1月28日にハイウェイモードが搭載されたばかりだ。例えば「ねぇClova、ハイウェイモードに切り替えて」と話せば、SAやPAの情報が表示されるモードに切り替わる。この状態で「次のSAまで何キロ?」と聞けば、答えてくれたり、「SAの5km手前で教えて」と言っておけば、アラームをセットして、近づいたら知らせてくれる。

新たに搭載されるハイウェイモード。SA/PAだけでなく出口までの距離も確認しやすい

 高速を走っていて、次のSAはどこ?  なんて運転中にナビ画面で確認できない。カーナビから情報を、音声で得たり、音声で知らせたりしてくれることで、ながら運転をすることなく安全・快適なドライブを楽しめるわけだ。

 音声操作カーナビアプリ「LINEカーナビ」は、今後もますます便利になっていくだろう。「音声で操作できるカーナビ」という概念は、長らく「革新」という二文字から遠ざかっていたカーナビ界への福音だ。ながら運転を解消するカーナビ界の救世主は、多くの人が利用することで、安全運転へ寄与し交通事故低減につながるかもしれない。

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