ディスプレー、NAS、ストレージ分野は引き続き注力
クラウド型音声配信「PlatCast」やCDレコ5、参考出展も多数だったアイ・オー・データ発表会
2020年01月22日 11時00分更新
会場で解説や裏話が楽しめるクラウド型音声配信サービス「PlatCast」
アタッシュケース1つで配信できる手頃さとリーズナブルな価格が魅力
続いて、かねてより実証実験を繰り返していたクラウド型音声配信サービス「PlatCast」の正式運用の開始を発表。改めて説明があった。
PlatCastは、音声に特化した配信サービスで、配信側は音声データをアイ・オー・データが運営するクラウドサーバーへ送信し、聴取側はスマートフォンの標準のブラウザー上からサーバーにアクセスすれば音声データを視聴することができる。専用ブラウザ―はQRコードが用意されるため、聴取側はそれを読み込めばすぐに音声データの視聴が可能だ。加えて、1時間あたりの利用データは0.04GBほどで、わずかYouTubeのフルHD動画1分程度に相当するというのも特徴だ。
実証実験は、スポーツ大会などで実施。会場で試合を観戦しながらPlatCastによるリアルタイムでの実況解説が聞けるため、多くの人から好評を得たとのこと。また、複数チャンネルにも対応するため、日本語と英語のチャンネルを切り替えての視聴なども可能だ。
また、PlatCastは配信側にも魅力的な点がある。まずは低コストで運用できること。配信機材はレンタル含めたワンパックで提供されて、価格は1chあたり3万円/日。さらに、必要な機材は配信用タブレット(SIM入り)、小型Mic Mixter、ヘッドセットのみで、アタッシュケース1つに入れて配信キットとして届くので、大掛かりな準備を必要とせず机1つあれば配信できるのだ。
発表会では、ゲストとしてラジオDJで同社の特命大使でもあるやまだひさしさんと、NowDo COOの鈴木 良介氏が登場。実際にPlatCastで配信を実施した経験を踏まえて、魅力について語った。
鈴木氏は、フットサルの大会でPlatCastを採用。サッカーとは微妙に違うルールを理解している人が少なく、試合中だけでなく休憩時間などを使ってルールの説明ができたのがよかったと話した。さらに、ルール説明だけでなく、各選手ごとのデータを紹介できたり、休憩時間中には監督が話に来てくれたりと、手軽に配信できることで飛び入り参加など臨機応変なトークが実現できたのもPlatCastの魅力だと語った。
やまだひさしさんも、PlatCastを使った実況を担当した経験があったが、その際は少し遅延が気になっていたという。というのも、展開が早い競技において遅延が発生すると、視聴者側に違和感が生まれてしまっているのではないかという思いがあったというのだ。それに対し、アイ・オー・データ側は遅延を少なくした次期バージョンを用意していることを説明したほか、発表会会場で実際にデモを実施。やまだひさしさんによると、以前のバージョンからかなり遅延が少なくなっているとのことで、これなら展開の速いスポーツでも対応できると太鼓判を押した。
やまだひさしさんは、2月21日から2月23日に開催予定の「2020年第7回スペシャルオリンピックス 日本冬季ナショナルゲーム・北海道大会」にてPlatCastを使った音声配信を実施することを告知。スペシャルオリンピックスは、知的障害のある人たちによる競技大会。やまだひさしさんは「スペシャルオリンピックスは、出場される皆さんが自分自身の記録と戦っていて、1位を目指すというよりは皆で記録が伸びていることを喜びあう、感動できる大会です。とても温かい大会なので、ぜひ足を運んでほしいです」とアピールした。
PlatCastは、個人的にはeスポーツの場でも活躍できるのではないかと思った。理由としては2点挙げられる。1つは、複雑なタイトルのルール説明などを聞きたい人もいるのではないかという点。もちろん、大会には試合の状況を分かりやすく説明してくれる実況解説がいるのだが、それはそのタイトルのルールなどを知っている人向けがほとんどで、ルールを知らない人からすればよくわからないという話をよく聞く。そんな中で、PlatCastを使ってルール説明をすれば、遊んだことがない人でも楽しめるのではないかと思ったからだ。
もう1つは、機材の関係上試合と試合の間の時間が結構長いという点。もちろんその間はトイレ休憩に行ったりできる時間なのだが、大会によってはとても長いことも少なくない。ここで音声のみでも試合の振り返りなどを聞くことができれば、会場で退屈する必要はなくなる。個人的にはeスポーツの大会でも、PlatCastが活躍することを期待したい。