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2019年の再エネ投資額は前年比微増、風力が牽引=BNEF

2020年01月21日 07時51分更新

文● James Temple

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Photo by Nicholas Doherty on Unsplash

2019年における再生可能エネルギーへの世界的な投資額は、前年比微増に終わった。

ブルームバーグ・ニュー・エナジー・ファイナンス(BNEF)の1月13日の発表によると、2019年における世界の再生可能エネルギーへの投資総額は、2018年から1%増加し、2820億ドルを超えた。最近になって中国とヨーロッパ沖の洋上風力発電プロジェクトが急増したことが増加の要因だ。

2019年、風力発電プロジェクトには前年比6%増の1380億ドル以上が投じられている。この額には洋上発電所に対する300億ドル近くが含まれている。一方、太陽光プロジェクトには約1130億ドルが費やされたが、これは前年から3%の減少だ。

再生可能エネルギーへの世界最大の投資国である中国は、年間830億ドル以上を支出している。だがこの金額は2013年以来、最低レベルだった。 一方、米国は年間投資額としては過去最高となる約560億ドルを記録した。連邦税額控除が期限切れになる前に資格を得ようと、開発業者らが競い合ったためだ。

2019年下半期は同年上半期から一転し、クリーンエネルギーへの投資が前年同時期に比べ14%落ち込んだ。中国は、非常に高額な再生可能エネルギー補助金プログラムを削減したのに伴い、投資を40%近くまで減らした。

これらの結果として2019年の再生可能エネルギーへの投資総額は、わずかながら前年よりも増加している。だが、これらの数値は、非常に危険なレベルの温暖化を回避できるだけの速さで排出量を削減するために必要な投資レベルには依然として遠く及ばない。環境保護団体ブレークスルー研究所(Breakthrough Institute)による最近の分析によると、電力需要の高まりに対応し、2℃の温暖化を防ぐために必要なエネルギーシステムを開発するには、クリーンエネルギー導入の年間成長率を2040年までに5倍にする必要がある。

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