米国市場で突き付けられた課題を解決
実は、NECPCは2015年のCESのレノボブースに、当時、世界最軽量を誇ったLaVie Zを展示。会場では大きな話題を集めて、「Best of CES Awards 2015」のベストPC賞を受賞したという経緯がある。
このときも、一定数量に限定して米国内で販売し、用意した台数は売り切っている。
軽量化のインパクトは強かったものの、堅牢性が重視される米国においては、より頑丈な仕様にしてほしいといった声や、見た目の高級感がほしい、デザインを良くしてほしいという声があがり、本格展開には至らなかった。価格の割には安く見えるという点も、本格展開をするにはハードルとなった。
軽量化を追求するあまり、米国市場で展開するにはいくつかの課題が生まれていというわけだ。
今回のLAVIE Pro Mobileは、そうした課題を解決し、5年をかけた「回答」を米国市場に投げかけるものだといえる。
ベネット社長は「NECはもう一度、米国で新たなものを出したい。日本でナンバーワンの国内PCメーカーとして、米国市場にチャレンジしたい」と意欲をみせる。
この3機種以外にも米国市場に投入する機種を検討しているほか、今後開発する製品は、米国市場を視野に入れた形で仕様を検討していくことになるという。
NECPCは、米国市場への再参入を成功させることができるのか。NECPCの新たな挑戦がはじまった。
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