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フォードやBMWなどの最新事例を披露

自動車業界のDXにマイクロソフトが貢献できること

2020年01月16日 09時30分更新

文● 大谷イビサ 編集●ASCII

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 2020年1月15日、日本マイクロソフトは自動車業界に向けた取り組みを披露する記者説明会を開催した。「オートモーティブ ワールド」の開催にあわせて来日した米マイクロソフトのサンジェイ・ラヴィ氏は、自動車業界のデジタルトランスフォーメーションとマイクロソフトが提供できるテクノロジーについて説明した。

米マイクロソフト オートモーティブインラストリ ジェネラルマネージャー サンジェイ・ラヴィ氏

「車の中でマイクロソフトのロゴを見ることはない」

 自動車業界の変革は確実に、しかも急速に進んでいる。ラヴィ氏によると、2030年には新車のすべてがネットワークに接続され、10~15%は完全な自動運転が可能になるという。また、走行距離の3割はライドシェアでの運転になり、新車の1/4は電気自動車になるという。

 それに伴い自動車業界のエコシステムも、単に車を製造し、販売するという構造から、顧客主体のサービス化に向けて大きな変化を遂げていく。自動車も所有から利用へとシフトし、MaaS(Mobility as a Service)を前提に他の移動手段との連携も進む。支払いや保険の支払い、駐車場、燃料供給など街のインフラとの関わり方も大きなシフトを遂げる。

 今後、デジタルトランスフォーメーションで重要になるのは、「デジタルフィードバックループ」と呼ばれるデータ活用だ。これは従業員、顧客、業務、製品などから得られたさまざまな「データシグナル」をベースにしたインテリジェントなクラウド基盤にホストし、インサイトを得ることで、ビジネス成果を改善していくというものだ。

 自動車業界の事例として紹介されたダイムラーでは、Microsoft AzureをベースにビッグデータとAIによるデジタルトランスフォーメーションを推進している。Azure KeyVaultを用いることで、セキュアで拡張可能なデータ基盤ができ、容量も5倍増え、コストは30%削減されたという。

機械技術者の3倍の勢いでソフトウェア技術者が増える自動車業界

 マイクロソフトは自動車業界のデジタルトランスフォーメーションを支援する立場として、自ら自動車を作ったり、モビリティサービスを始め、競合にならないことを明言している。また、データやブランド、顧客体験などはパートナーとなる自動車会社のものであり、マイクロソフトはあくまでテクノロジーの提供に徹する。「車の中でマイクロソフトのロゴを見ることはない」とラヴィ氏は語る。

 マイクロソフトは、自動車業界のデジタルトランスフォーメーションをエンドツーエンドで支えるという。フォーカス分野もコネクテッドカー、自動運転車の開発、スマートモビリティ、マーケティング・セールス・サービス、コネクテッドファクトリー、新技術など多岐に及んでいる。

マイクロソフトと自動車業界のデジタルトランスフォーメーション

 たとえば、「Microsoft Connected Vehicle Platform(MCVP)」はコネクテッドカーを実現するためのテクノロジーで、車内体験、自動運転、予測サービス、予測サービス、予測接続までさまざまなソリューションが含まれる。

 MCVPにおいてはマイクロソフトはフォルクスワーゲンやルノー・日産自動車・三菱自動車アライアンスとパートナーシップを締結しており、MCVPによるコネクテッドドライブの実現を推進している。また、テクノロジーパートナーともさまざまな提携を進めており、先日開催されたCES 2020ではLGエレクトロニクスと車載用のコンテナ対応OSを共同開発したり、Faureciaと未来のコックピットのような車内体験を実現するサービスを作ることが発表されている。

 また、クラウドやエッジ、IoT、AIなどを活用した自動運転の開発も加速しており、Azureを活用して大量なデータを用いたシミュレーションを手がけているアウディ(Audi)のほか、中小企業やスタートアップもエコシステムを実現している。特に「Microsoft for Startup」のプログラムではスタートアップを支援しており、自動運転の開発を促進するソフトウェアや検証システムを提供するFEVやIntempora、Applied Intuitionなどがマイクロソフトと共同展示してきたという。

マイクロソフトやサードパーティによるCESでの新発表

 その他、MaaSの分野ではTomTomやMoovitと提携することでAzure Mapsを活用したサービスを構築していく。BMWとはAzure Bot Frameworkで音声アシスタントを作ったり、AIやIoTを活用したオープンなマニュファクチャープラットフォームの開発に取り組んでいる。最新の取り組みとしては、フォードと提携することで、渋滞の緩和など社会課題の解決のために量子コンピューティングの活用を進めていくという。

 自動車業界では、ソフトウェア技術者が既存の機械技術者の3倍の速度で増加しており、ソフトウェア企業へのトランスフォーメーションが急速に進んでいるという。「フォードはすでにGitHubを使う開発者が8000人もおり、生成されたコードは(大手企業より多い)1億5000万行におよんでいる」とラヴィ氏は語る。

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