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松村太郎の「"it"トレンド」第281回

2019年も低調だったスマートホーム

2019年12月28日 12時00分更新

文● 松村太郎(@taromatsumura) 編集● ASCII

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Amazon、Apple、Googleが組み、スマートホームの共通規格が開発されることになりました

モノの消費からコトの消費への変化

 皆さん、今年のクリスマスプレゼントは何だったでしょうか?

 断捨離が海を越え、マーケティングの世界では「モノ」から「コト」だと叫ばれて久しい昨今ですが、それでも誰かに物理的なプレゼントを贈るのは、選ぶ段階から楽しいですし、自分が欲しかった物を買う行為もまた楽しいものです。

 それでも「手に入れる」ことよりも、「手に入れて実現できること」への期待の方が大きいことを考えると、やはり筆者も感覚として「コトのためのモノ」でなければ意味がない、と思っている節があります。いや、本来の買い物がそうなんだとは思うのですが、そうではない場面をアメリカでたくさん見てきたもので……。

 今年アメリカでブームとなった「Spark Joy(断捨離)」。アメリカで断捨離が定着すると、「どうせ捨てる」と思って物を買わなくなり、経済指標に悪影響が及ぶと考える人もいます。というのも、アメリカのGDPは個人消費が7割を支えており、そこが絞られることになるからです。だからと言って、米国で見てきたモノにあふれる生活には全く同意できないのですが。

 消費イコールそのうちゴミが出る、という現在の社会から脱却しようという動きもあります。循環型経済の実現は、エネルギーをはじめとする資源が循環する形で環境負荷をかけない経済構造を目指すことになります。ゴミによる汚染や温室効果ガスの排出という形で顕在化している環境破壊をいかに食い止めながら、現在の人間の生活を維持していくか、と現実的であれば、その歩みも遅くなるわけです。

 筆者はテクノロジーに対して、引き続き大いなる期待を持っている立場ですので、こうした問題解決にテクノロジーの果たす役割は大きいと思っています。人間の行動を変えることによる変化だけでなく、そもそも環境負荷を下げる部分にも、身近なスマートフォンを窓口としたテクノロジーの活躍は、あってしかるべきだ、と考えています。

 なんてことを考えているから、単に欲しいものを買う事に全く喜びも面白みもなくなってしまうわけですが。

今年も大して変わらなかったリビングルーム

 先日、あらためてクリスマスツリーを飾ったリビングルームを見渡したのですが、昨年から1年が経過しても、風景としては代わり映えありませんでした。

 4KテレビにはApple TVとChromecastとケーブルテレビのセットトップボックスがつながっていて、テレビからはSONOSのバー型スピーカーにつながっています。本当はApple TVを4K HDR対応モデルに買い換えようと思っていましたが、結局そのまま使っています。

 光ファイバーからメッシュWi-Fiルーターにつながり、中継ポイントを通じて家中にネット回線が張り巡らされています。それを拾ってPFUのScanSnapは電源さえ取れれば家のどこに設置しても、クラウドにスキャンした書類を保存してくれますし、Philips Hueを通じてスマートフォンやスマートスピーカーから電球のコントロールもできます。

 個人的にはもう少しスマートデバイスの類が家の中に増えるかと思ったのですが、正直なところ期待外れだった、というのが2019年のふり返りです。

 米国でも日本でも、賃貸だとなかなか家の設備まで手を入れることが難しいのは共通している話。マンションのガレージに勝手にリモコンデバイスを取り付けちゃダメだし、鍵をオートロックに勝手に取り替えるのもダメ。空調については自分で設置する分には良いかもしれませんが、あらかじめ設備として付いているものを取り外してまで、スマホで操作したいとまではいきません。

 実際、筆者はそこまでオートメーションに頼りたいほど広い家に住んでいないというそもそもの話もありますが、買い換え周期とできるだけ安く済ませたいという価値感に、スマート化のメリットが追いついていない問題点が、今年も解消されなかった、というわけです。

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