最新パーツ性能チェック 第280回
最強CPUはどれだ!「第3世代Threadripper」vs「第3世代Ryzen」vs「Cascade Lake-X」の性能をガチ比較
2020年01月07日 11時00分更新
やや視点を変え、CG系のもうひとつの定番ベンチである「SpecViewPerf13」を試してみる。モデリング時などに使われるクイックレンダーがどれだけ滑らかに実行できるかを比較するベンチであるため、結果はfpsとなり、大きいほどスムーズに描画される。
SpecViewPerf13は複数のCG/CAD系アプリでのパフォーマンスを比較できるが、今回は「3ds Max 2016(3dsmax-06)」「Maya 2017(maya-05)」「Solidworks 2013 SP1(sw-04)」の3本のテストを実施した。また、ベンチマークの解像度は1920×1080ドットを指定した。
3ds Max 2016は多少の差はあれどほぼ均等にフレームレートが出ているのに対し、Maya 2017はThreadripper 2990WXのパフォーマンスが著しく低く、かつトップ2はBSCを有効にしたCore i9-10980XEとRyzen 9 3950X。この2つのフレームレートが高いのはクロックが上がりやすいためだ。
またSolidworks 2013 SP1では、トップはBSCを有効にしたCore i9-10980XEなのにRyzen 9 3950Xはあまり速くなってないことから、Solidworksではクロックの高さとメモリー性能の両方が重要であると推察できる。Threadripper 3960Xのパフォーマンスが下から2番目である理由については不明だ。
CG系テストの最後は「Metashape Professional」だ。これは様々な角度から撮影した写真から3Dモデルを構築する「フォトグラメトリー」のためのアプリだ。Metashapeではインポートした写真を何段階かの処理を経て3Dモデル化するが、今回は序盤の要である“高密度クラウド構築(クオリティーは“高”)”および“メッシュ構築(クオリティーは“高”)”処理に要した時間を比較した。素材となる写真は24メガピクセル、102枚を用意した。また、アプリの設定でGPU処理を有効化し、処理の一部をCPU外で実行するように設定している。
傾向としては前掲のHoudiniとほぼ同じ感じになった。特に高密度クラウド構築の処理ではGPUもかなりの時間稼働するため、CPUのコア数がほとんど処理時間に寄与していない。だがそれでも第3世代Threadripperは他のCPUより20秒程度高速。面白いのはThreadripper 3970Xより3960Xの方が速い点だが、これは数コアに処理が集中する場合は3960Xの方がわずかにクロックが高くなるためだ。
メッシュ構築処理も同傾向だが、こちらはややCPUにおける処理比率が高いため、コア数の多いCPU(Threadripper 2990WXを除く)の方が有利となっている。

この連載の記事
-
第467回
デジタル
Radeon RX 9060 XT 16GB、コスパの一点突破でRTX 5060 Tiに勝つ -
第466回
デジタル
Radeon RX 9060 XTは6.5万円でVRAM 16GBのお値打ちGPUになれたか? -
第465回
デジタル
遅れてやってきたPCIe5.0 SSDの大本命、リード14GB/秒超えのSamsung「9100 PRO」を実機レビュー -
第464回
デジタル
Radeon RX 9070シリーズの仕上がりは想像以上だったことがゲームベンチでわかった -
第463回
デジタル
Ryzen 9 9950X3Dは順当進化。3D V-Cache搭載Ryzenの最強モデルだがクセありな部分はそのまま -
第462回
デジタル
RTX 5070の足を止めた「Radeon RX 9070 XT/ 9070」レビュー -
第461回
自作PC
新たな鉄板M.2 SSD筆頭候補確実! 約2年半ぶりに登場したWD_BLACK SN7100がスゴい! -
第460回
自作PC
Arc B570でもRTX 4060/RX 7600は超えられるのか? ゲーム10本で検証 -
第459回
自作PC
Arc B570が4万円台半ばで発売、性能はRTX 4060やRX 7600対抗の本命か【速報検証】 -
第458回
自作PC
Arc B580のRTX 4060/RX 7600超えは概ね本当、11本のゲームで検証してわかった予想以上の出来 -
第457回
自作PC
インテル新GPU、Arc B580の実力は?AI&動画エンコードは前世代より超強力に - この連載の一覧へ