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職場のお局様を味方につける万能スキル「ハリツヤ感の法則」とは

2019年12月06日 06時00分更新

文● 片桐あい(ダイヤモンド・オンライン

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お局様を味方につけるには
写真はイメージです Photo:PIXTA

しばしば「お局様」と称される職場を仕切る古株の女性社員。時代劇のお局様とは大きく異なり、総じて意地悪な人、面倒な人などを示すことが多い。職場でネガティブオーラを放っているお局様、若手を味方につけて上司をいじめるお局様、陰で糸を引き新しい企画をつぶすお局様、口ばかりで手を動かさないお局様…。いろいろなタイプのお局様に効く、万能スキルをご紹介する。(カスタマーズ・ファースト株式会社代表取締役・代表講師、産業カウンセラー 片桐あい)

お局様が生まれる背景は
女性社員への期待と本人の思いのねじれである

 役職についているわけではないけれど、長年職場で働き続けて現場を牛耳るお局様。その影響力の大きさは、どこの職場でも小さくないはず。

 押さえつけようとしても反発するし、配置換えしようにも受け入れてくれる部署もなく、お困りの方も多いのではないでしょうか。

 では、お局様ができあがってしまった背景について考察しましょう。前提として、日本の企業には、いわゆる「総合職」と「一般職」という2種類の選択肢がありました。総合職は、男性社員と同じように自分の専門分野や業務領域を定め、自分の価値を会社内で訴求することができます。

 しかし、元々一般職として誰かのサポートをすることを主業務にする場合には、価値のある仕事をしているにもかかわらず、自分でも、人からも認められにくいという背景があります。

 企業によっては、一般職を廃止し総合職への転換を推し進めていますが、役割が変わっても本人のマインドや周囲の人の接し方は、なかなか変えることができないのが現状のようです。企業研修では、一般職から総合職への転換研修を実施するところも増えています。

 現場での悩みとしては、「会社は活躍しろと言うけれど、実際にはどう活躍したらいいのかわからない」「自分は変わろうとしているけれど、上司や周囲の人からは、今まで通りでいいから、と言われるのでどうしていいかわからない」という声をよく聞きます。

 つまり、上司や周囲の期待と女性社員本人の目指したい方向がマッチしていないことにより、ねじれた形で自己表現することになるのが、女性社員のお局化です。

お局化する原因の一端は
社会環境にもある

 お局化してしまった女性社員の今の状況をつくったのは、社会環境の影響が小さくないことを認めてあげてください。つまり、女性には総合職と一般職を選択させて採用し、仕事の難易度や範囲を限定的にして仕事を与え続けてきた事実があります。20歳そこそこの女性に、どちらかを選択させること自体に無理があります。

 仕事もしたことがない人に、会社の決めた枠を選択させること自体難しいことです。多くの女性は、学歴やいつ頃結婚したいかなどで、職種を選択してきたのではないでしょうか。

 しかし実際には、必ずしも高学歴で勉強ができた人が仕事もできるかというと、それはまた別の能力を見なければならないことは明白でしょう。最初のキャリアのスタートラインが違うだけで、チャンスを与えられ続ける総合職と、限定的なチャンスしか得られない一般職では、仕事の経験の幅も厚みも変わってきます。

 もちろん、途中で気づいて自発的に総合職へ変換する女性もいます。しかし、実際には、なかなか自ら手を上げるのは難しいことではないでしょうか。

 同期や下の年代でも活躍する総合職の女性を尻目に、一般職でコツコツ頑張る女性のジレンマは計り知れません。

本当は自分に自信を持ち
組織に貢献したいと思っている

 では、どうしたらこのねじれの状況を解消できるでしょうか?

 それは、彼女たちに自信をつけ、組織に貢献しているという実感を持たせることです。本当はもっと活躍の場を与えてあげれば、自分なりの仕事の工夫や、「もっとこうしたらいいのに…」という提案もあるでしょう。

 しかし、本人に「総合職じゃないし、そもそも頼りにされているわけじゃないし…」という思い込みもあります。また周囲も「一般職だから、そこそこの仕事でいい」と思っているかもしれません。

 だからこそ、彼女たちには出番をつくってあげることが必要なのです。そんなときに有効なのが「ハリツヤ感の法則」です。

 具体的には、彼女たちに「お願い」をすることです。お願いは、交渉の1つのスキルであり、さまざまなシーンで活用できます。その法則は以下の図の通りです。


 まずは、彼女たちにお願いしたいことを決めて、その「背景や前提」などを伝えます。

 そして、相手が受けるに値する「相手目線の理由」を伝えます。

 さらに、「相手の都合」を確認して、前向きな返事をいただけたら、行動のために「約束」をします。

 相手が同意を示してくれたら、すかさず「感謝の気持ち」を伝えます。

 とにかく、「あなたにしかできない!」というメッセージを伝えてください。本当は誰かの役に立ちたくて、うずうずしているのです。

 そして、正当に評価をしてあげください。大切に扱われることで自信を取り戻せれば、きっと周囲にも優しく接することができるようになるはずです。

 彼女にしかできない何かを見つけて「ハリツヤ感」でお願いし、彼女の価値を高めてあげてください。満たされていない心の隙間を埋めることができれば、あなたの右腕になってくれることでしょう。

◎事例
 大型装置メーカーに一般職で入社し勤続25年のAさん。会社が一般職を廃止し、総合職への転換プログラムを経て総合職へ。
 現在は一営業所で、技術者のサポート業務に徹しています。一般職の場合にはそれでうまくいっていますし、上司も営業所のメンバーも今まで通りのサポート業務を望んでいます。
 上司からはある業務改善プロジェクトを立ち上げて、主要メンバーとしてAさんを選抜しました。元々、営業所内でも影響力のあるAさんなので、メンバーを集めて職場の問題点を特定し、解決策を検討し現場のプロセス改善を遂行しました。以前から問題点は見えていたのですが、それを提起する機会もなく、自分の意見を言ったところで採用されないと思っていたようです。
 上司がうまくお願いし、役割を渡すことで今までの一般職でやっていた業務から一つ視座の高い業務を行い、組織に貢献をするということに喜びを感じその後もチーム内の業務改善を行うためにリーダーシップを発揮しています。

※本記事はダイヤモンド・オンラインからの転載です。転載元はこちら

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