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観光列車に力を入れる鉄道会社が続々、鉄ヲタが選ぶ「乗りたい列車3選」

2019年11月28日 06時00分更新

文● 真島加代(ダイヤモンド・オンライン

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秋も深まり、過ごしやすくなった今日このごろ。列車に乗って遠くに出かけたい、と考えている人も多いだろう。“どこに行くか”も大切だが、“何で行くか”にもこだわれば、旅の満足度がさらに上がるはず。特に近年は、鉄道会社各社が運行する「観光列車」が進化を遂げ、人々の旅路に花を添えているという。(清談社 真島加代)

乗るだけで旅行になる
観光列車の魅力

「特急 指宿のたまて箱」の外観
「特急 指宿のたまて箱」は、浦島太郎伝説発祥の地を走る観光列車。浦島太郎の世界にどっぷり浸ることができる

 幼い頃から鉄道を愛し、元JR車内販売員を経て、現在鉄旅タレントとして活躍している木村裕子氏(ブログはこちら)は「観光列車」の特徴をこう語る。

「観光列車は、その土地の良いところを知り尽くしたプロが作り上げた“コンシェルジュ”のような列車です。移動しながら観光・名所・絶景・グルメを堪能できるのが、最大の特徴ですね。観光には移動がつきもの。その移動も楽しい時間にしてくれるのが観光列車だと思います」

 また「一歩も歩かずに旅行が成立するメリットも持ち合わせている」と木村氏。観光列車そのものは国鉄時代からあったが、特に近年は鉄道各社が観光列車事業に力を入れる傾向にあるという。

「かつての鉄道は『1分でも早く目的地へ』という考えが主流だったので、観光列車はあまり目立つ存在ではなかったかもしれません。しかし、通勤・通学客だけでは収益が右肩下がりになったことを機に、現在は『1分でも長く楽しめる列車』へと鉄道の定義が変わったことが、観光列車の注目度の上昇に比例しているようです」

観光列車の先駆者は
JR九州だった

木村裕子(きむら・ゆうこ)/マセキ芸能社所属。幼少期から鉄道が好きで、元JR車内販売員を経て元祖鉄道アイドルから鉄旅タレントへ。2015年に日本の鉄道全線完乗済み。国内旅行業務取扱管理者の資格を持ち、テレビや雑誌などメディアで活動の傍ら、カルチャースクールで講師も務める

 乗客ニーズの変化にいち早く目をつけ、列車に乗る“体験”そのものが価値として評価される時代を切り開いたのはJR九州だった、と木村氏は分析する。

「JR九州はローカル地の名所や食に着目して、効率良くそれらを巡ることができる観光列車を作りました。旅行ニーズを積極的に取り入れた結果、九州は観光列車王国になっています。この流れをくんで2013年に登場したのが、進化系観光列車のクルーズトレイン『ななつ星in九州』です」

 JR九州の「ななつ星in九州」といえば、数日間をかけて九州を周遊する日本屈指の観光列車だ。車窓から望む景色と、車内のレストランで食べる九州の味覚、豪華な車内など、列車そのものが観光地と化している。まさに、「列車に乗る楽しさ」を究極まで追求した豪華クルーズトレインで、JR東日本の「TRAIN SUITE 四季島」、JR西日本の「TWILIGIT EXPRESS瑞風」が後に続いた。

「ななつ星が起爆剤になったかどうかはわかりませんが、個人的には鉄道各社が『お客さんを楽しませることを追求した、おもてなしの心』を提供するようになったことが、観光列車人気につながっているように感じています」

浦島太郎気分が味わえる?
遊び心満点の観光列車

海の青に映える白と黒のツートンカラー

 乗るだけで旅の醍醐味が手に入る観光列車。そこで、興味はあれど、どれに乗ればいいのかわからない…という人のために「この秋乗ってほしい観光列車」を、木村氏に3本選んでもらった。

■特急 指宿のたまて箱(九州旅客鉄道/JR指宿枕崎線)

車内には南九州の杉材を使用

「特急 指宿のたまて箱」は、鹿児島中央駅~指宿駅間を走る観光列車。同線の沿線には、あの『浦島太郎伝説』発祥の地と伝えられている薩摩半島があり、列車のコンセプトにもなっているという。

「指宿のたまて箱は、若い頃の浦島太郎の黒髪と、竜宮城から戻ってきておじいちゃんになった時の白髪をイメージした“白と黒のツートンカラー”の車体が斬新ですよね。一番の見どころは停車駅でドアが開いた瞬間に“

指宿のたまて箱名物の煙に見立てた霧の演出は、異世界への入り口を思わせる

スモーク”が立ち込める演出。浦島太郎が玉手箱を開けたときの煙に由来しています。私は初めて見たとき『列車の故障か!?と、驚きました。“おもしろい”が詰まった観光列車です」

 沿線には浦島太郎が龍宮城へ旅立ったという岬に「龍宮神社」もあり、列車を降りても浦島太郎の世界にどっぷり浸ることができる。

新幹線初のリゾート列車!
足湯を楽しめる斬新さが人気

とれいゆ つばさ(東日本旅客鉄道/山形新幹線)

 山形エリアを走る新幹線初のリゾート列車「とれいゆ つばさ」は、乗る楽しみを追求した車両。なんと車内に「足湯」が設置してあるのだ。

「新幹線に足湯を作ってしまうという、奇想天外な発想に脱帽しました。とれいゆ つばさが『鉄道とはこうあるべきだ』という既成概念を破ってくれたことで、観光列車の幅を広げてくれたように思います」

 足湯はひとり15分制。当日券もあるが『びゅう旅行商品』の宿泊プランや日帰りプランを申し込むと、利用券をあらかじめ購入できるという。

「空きがあれば当日券を購入して足湯に入ることはできます。ただ、私は当日券狙いで行ったのですが、当日券が完売していて入れなかったので、確実に入りたいなら『びゅう旅行商品』経由の予約がおすすめですね」

世界的人気アニメ「チャギントン」が
現実世界に登場

おかでんチャギントン(岡山電気軌道株式会社)

車両のサイドに「ウィルソン」の顔と「ブルースター」の顔が施されている

 子どもと一緒に乗るだけで大興奮を味わえるのが「おかでんチャギントン」だ。イギリス発の大人気アニメ『チャギントン』に登場する「ウィルソン」と「ブルースター」を模した車両が岡山の街を走る。

「2019年の3月に登場したばかりの観光列車です。岡山駅前から出発し、瓦屋根が立ち並ぶ懐かしい街並みを疾走する、ウィルソンとブルースターの姿はインパクト大!街ですれ違った人は、みなさんスマホカメラを向けています。車内もカラフルポップでまるで遊園地のよう。親子はもちろん、大人一人でも乗ることができるので、恥ずかしがらずにぜひ乗ってほしいですね」

車内はまるでテーマパーク。子どもたちが楽しめるようにモニターでアニメも上映している

 車内では同乗しているナビゲーターのお姉さんによるダンスあり、クイズコーナーあり、とイベントが盛りだくさん。エンターテインメントが体感できる観光列車だ。

「きっぷを買って乗るだけで旅の醍醐味をすべて堪能できるので『旅行に行きたいけれど、プランニングや準備が面倒くさい…』という人にこそ、観光列車がおすすめです。秋の真ん中へ、あなたを連れていってくれますよ」

 旅路を彩る観光列車が、秋の思い出をさらに深めてくれるはず。


※本記事はダイヤモンド・オンラインからの転載です。転載元はこちら

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