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あのクルマに乗りたい! 話題のクルマ試乗レポ 第23回

新型スカイラインの手放し運転可能なプロパイロット2.0は運転の楽しさをスポイルしない

2019年12月02日 12時00分更新

文● 栗原祥光 撮影●栗原祥光

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キープレフト順守! 高速道路マナーの優等生

 東北道に乗れば、あとはひたすら北へ。100km/hよりちょっと上の105km/h(GPS計測で100km/hになる)にセットしハンズオフで走行車線を走行します。ハイグリップラジアルらしいロードノイズは聞こえるものの、エンジンは1500回転ということもあり実に静か。風切り音も少なく、プロパイロット2.0による快適な高速道路体験も手伝ってスポーツセダンというよりツアラーの性格を強く感じます。

 時折、80km/hで走行するトラックに追いつき「車線変更」を促すメッセージが。ここでハンドルの承認ボタンもしくはウインカーを出すと、タイミングを見計らって車線変更をするではありませんか! この時はハンズオフは不可でハンドルをそっと握る必要があります。車線変更は一般的なドライバーの動きよりはかなりゆったりしたもので、約8回ウインカーが点滅している間に行なわれます。通常は3回点滅している間にスッと変更する人が多いですが、進路変更は「後方確認をしてからウインカーを点灯。3秒後から進路変更を開始する」が教習所の教えですので、スカイラインの進路変更動作は実に正しいものです。

 後続車両が接近しているなどの際は車線変更を中止。深夜の車線変更はミラーが眩しくて距離感がワカラナイという場合でも、車両が判断して安全にできるのは凄い技術だと感心します。

 追い越し車線に移ると、設定している速度で走行を続けます。つまり100km/hでの追い越し車線走行は、より速い速度で走行する後続車にとっては迷惑になります。そこでアクセルを踏むわけですが、たとえば110km/hを超えると緑色のプロパイロット動作に変わり、ハンズオフと車線変更指示は出なくなります。アクセルを戻して青表示にすると、走行車線側に隙間があれば、左車線へ行くよう指示が出ます。これは3車線のうちの中央車線でも同じ挙動で、キープレフトを貫きます。現在高速道路では「煽り運転」をはじめとするマナーが問題視されていますが、プロパイロット2.0は模範的な高速運転が誰でもできます。

 クルーズコントロールが動作するのは135km/hまで。新東名の120km/h区間も余裕でプロパイロットが運転をサポートします。制限速度+10km/h以下という値は任意変更が可能で、設定速度を上げれば追い越し車線135km/hハンズオフ巡行というのも技術的には可能でしょう。ですがそれは反則金9000円と違反点数1点の通行帯違反。もちろん速度超過ですから反則金3万5000円に違反点数3点も加わり、何一つ良いことはありません。ここはデフォルト設定で十分です。

 高速道路の制限速度は基本的に100km/hですが、たびたび80km/h規制が発生します。プロパイロット2.0は制限区間に入ると自動的に速度を落とし、規制解除後は復帰します。これは追い越し車線を走行していても同様です。ですが一般的に80km/hまで落とす車は少ない上に、追越車線ではより速い速度域ですので、この点でもプロパイロット2.0を利用した追越車線巡行はしない方がよいと考えます。

 また、ハイブリッド車は一定速度を超えると燃費が悪化する傾向があり、スカイラインの場合、インフォメーション表示を見た感じですと、100km/hあたりがもっとも燃費がよさそうです。もっともスカイラインのプロパイロット2.0でハンズオフを体験していると「多少前が詰まっても、走行車線を100km/hで巡行でいいかな」という気分になります。

 こうしてスポーツランドSUGOの最寄りである村田ICに到着。スカイラインはインターチェンジへ向けて自動的に進路を取ろうとします。

 承認ボタンを押せば、あとは出口に向けての動作を自動的に行なうのですが、ここでもまた制限速度40km/hの標識をみるやスカイラインはモータースポーツにおけるピットレーンリミッターが動作したかのように急減速。ラクと言えばラクですが、怖いと言えば怖いわけで、システムを利用する際は後続車がいないことを確認した方がよいと感じた次第。でも本当にラクですし、これはスゴイ技術です!

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