先週はAMDだったので、今週はインテルのロードマップを更新しよう。こちらも、前回ちゃんとロードマップを更新したのは連載525回と、AMDほどではないが久しぶりである。ただそれほどアップデート情報はないのだが。
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2017年~2020年のインテルCPUロードマップ |
Cascade Lakeの最初の製品となった
Xeon W-3200シリーズ
実はデスクトップに関して言えば、6月以降ではあまり新製品は存在しない。まず6月3日、インテルはark.intel.comを更新して、Xeon W-3200シリーズの新製品を登録している。
Xeon W-3000シリーズといえば、ジサトライッペイ氏の私物で有名(?)なXeon W-3175Xが2019年1月末に発売され、2月にはさっそくベンチマークが取られることになっていたのはご存じの通り。
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28コア/56スレッドのワークステーション向けCPU「Xeon W-3175X」 |
ただXeon Wという製品カテゴリーそのものは2017年から存在しているが、この時のパッケージはCore-Xと同じLGA2066を使っており、LGA3647を利用するのはXeon W-3175Xただ1製品のみという、なんというか取って付けたような扱いになっていた。
LGA3647そのものはXeon Scalableと共通ではあるが、Xeon W-3175Xに対応するマザーボードそのものが登場したのは2019年3月のことで、いろいろ意味で無茶な感じのする製品であるが、どうもインテルはこのプラットフォームをもっと拡充することを決めたようだ。
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LGA3647対応のASUS製マザーボード「ROG Dominus Extreme」。フォームファクターは355×355mmのEEBとかなり特殊 |
この結果として6月に追加されたのがXeon W-3223~Xeon W-3275の6製品(モバイル向けも含めると9製品)である。ハイエンドのXeon W-3275は4449ドルと、Xeon X-3175Xより1500ドルも高い価格付けになっているあたり、想定ユーザーがいまいちはっきりしないのだが、ローエンドのXeon W-3223は749ドルとお手頃(ただし8コア16スレッドなので、やや非力な気はする)で、ワークステーション向けには良い選択肢なのかもしれない。
この新しく追加されたXeon W-3200シリーズが、デスクトップ向けCascade Lakeの最初の製品群ということになる。

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