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新たに提供開始した「Box Shield」で金融や政府/自治体市場も狙う

「Boxは日本企業特有のニーズにも対応」Box Japan古市社長に聞く

2019年11月15日 07時00分更新

文● 大河原克行 編集● 大塚/TECH.ASCII.jp

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 「働き方改革」やビジネス変革への取り組みが加速するなか、クラウドコンテンツ管理ソリューションを提供するBoxが注目を集めている。Boxは業界を問わず幅広く利用されており、現在のユーザー数は全世界で9万5000社以上に達する。米国では「Fortune 500」企業の69%が利用している。日本における利用の広がりも同様で、2019年7月には4800社だったユーザー数は、わずか3カ月後には5200社以上にまで拡大。日経225銘柄企業の45%がBoxを導入しているという。

 そのBoxが2019年10月、米サンフランシスコで開催した年次イベント「BoxWorks 2019」では、新たに投入した「Box Shield」や「Box Relay」によって、“フリクションレスな(摩擦のない)”セキュリティやコンプライアンス、社内外をシームレスに結ぶコラボレーションを実現し、アプリケーションの統合による利用環境の進化が強調された。

 BoxWorks会場でインタビューに応じたBox Japanの古市克典社長に、日本におけるBoxの取り組みや、BoxWorks 2019の狙い、意味などを聞いた。

Box Japan代表取締役社長の古市克典氏
米サンフランシスコで開催された「BoxWorks 2019」

今回のBoxWorksでは「これまでの取り組みからさらに一歩踏み出した」

――今回の「BoxWorks 2019」は、Boxにとってどんな意味を持ったイベントになりましたか。

古市:今回は、これまでの当社の取り組みからさらにもう一歩、力強く踏み出す機会になったと言えます。

 Boxは現在、「セキュリティの強化」「CCM(クラウドコンテンツマネジメント)という位置づけからのコンテンツの利用促進」「ベストオブブリード(BOB)パートナーとのAPI連携の加速」という、3つの領域に力を注いでいます。それぞれのエリアで強化を図り、より明確な方向性を打ち出したのが、今回のBoxWorks 2019が持つ意味だったといえます。

 セキュリティについてはBox Shieldが挙げられます。日本のお客様はセキュリティに対してはひときわ敏感なので、Box Shieldの発表直後から多くの問い合わせをいただいています。

 Box Shieldは、コンテンツコントロールによってデータ漏洩を防止する「Smart Access」と、異常なダウンロード行動を検出したり、位置情報をもとに危険な場所からのコンテンツへのアクセスを発見したりいったことが可能になる「Threat Detection」で構成されています。これによって一貫したセキュリティ管理を自動化し、偶発的な情報漏洩を防ぐとともに、潜在的な脅威を検出して、それへの対応を図ることができます。

 これは多くのIT部門から求められていたサービスです。現場の方々に負荷をかけることになく、セキュリティを強化できます。

 また、Box Relayは企業の規模や業種、業界を問わず、コンテンツ中心のビジネスプロセスを自動化するもので、今年7月に新バージョンの提供を開始しました。よりパワフルになったワークフローエンジンや、シンプルなユーザーエクスペリエンス、トリガーなどの機能が新たに追加されたことで、コンテンツに関するプロセスの自動化がこれまで以上に容易になり、IT部門によるサポートや管理がなくても、ビジネスユーザー自身がビジネスプロセスをさらに効率良く作成できるようなります。

 こうした取り組みによって、コンテンツの利用促進が一層図られることになるでしょう。

――ベストオブブリード(BOB)パートナーとの連携についてはどうですか。

古市:BOBパートナーとして、これまでは「Slack」「Zoom」「Okta」といったシリコンバレーの先進的企業との連携が中心でした。しかし、現在ではマイクロソフトの「Office 365」やグーグルの「G Suite」、セールスフォース・ドットコムとも連携しており、新たにオラクルやアドビシステムズとの連携も発表しています。企業の人々が“ふだん使い”するツールとBoxがシームレスにつながる環境が、さらに広がっています。

 また「Box for Microsoft Teams」によって、マイクロソフトが力を入れているTeamsとの連携もよりスムーズにすることに注力することを発表しました。日本でもOffice 365+Boxという使い方をされているお客様は多く、Teamsとの新たな連携はこれを加速するものになります。

 Boxの基本姿勢は、1社で「すべて」を提供するのではなく、それぞれのファンクションごとに最も優れた製品を持つトップ企業との連携によって、コンテンツプラットフォームの実現を目指すことです。

――今回のBoxWorksに、日本からはどのくらいのユーザーが参加したのでしょうか。

古市:実は昨年から、BoxWorksに日本から参加される方の数が急増しています。昨年のBoxWorksでは120人以上、そして今年はおよそ140人が参加されています。日本からの参加者が増えると、米本社の日本市場に対する見方も変わってくるでしょうね。

 イベント最終日には日本からの参加者を対象としたラップアップミーティングを開催したのですが、そこには米本社の最高製品責任者(CPO)であるジーツ・パテルや、セキュリティプロダクト責任者のアロック・オージャも参加しました。彼らは製品説明を行うだけでなく、日本の参加者からの「こんな機能がほしい」といった要望にも細かく応対していました。また参加者の方も、昨年は少し遠慮がちでしたが、今年はかなり積極的に質問が出ており、昨年とは違うBoxへの期待が強く感じられました。

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