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転職活動でやってしまいがちな3つの失敗、人材紹介のプロが警告

2019年11月13日 06時00分更新

文● 郡山史郎(ダイヤモンド・オンライン

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転職活動
写真はイメージです Photo:PIXTA

今、転職市場は「売り手市場」だといわれている。テレビやインターネット上で求人サイトや転職エージェントの宣伝がたびたびあらわれ、いかにも給料が今より上がって、いい会社に転職できそうな気にさせられるだろう。しかし実際、転職活動は新卒とは違い、それぞれのキャリアがある程度形成されてしまっているため、個人差が非常に大きく難しい。では、“成功する転職活動”にはどのような共通点があるのだろうか。そこで前回に続き今回も、人材紹介会社社長として、これまで3000人以上の転職活動をサポートしてきた郡山史郎氏の新刊『転職の「やってはいけない」』(青春出版社)から、転職活動でやってしまいがちだが、うまくいかないポイントを解説する。

【やってはいけない(1)】求人サイトに3社以上登録する

 実際に転職をするとなったとき、どのように仕事を見つければよいのか。転職者が仕事を見つけた方法(入職経路)は、ハローワークなどの公的なサービスが約29%、求人広告と民営職業紹介所を合わせた民間の人材サービス産業経路が約30%、縁故が23%。ハローワーク、人材サービス産業、縁故の「3大経路」のうち、ハローワークと人材サービス産業だけで6割近くになっている。

 近年は転職市場の認知度が急速に高まり、インターネット上には無数の求人サイトが存在している。転職希望者はこれらのサイトに登録したうえで、掲載されている求人案件にアクセスし、自ら応募手続きや面接日時の相談をおこなう仕組みだ。

 人材サービス産業の市場規模9兆円のうち、求人サイトや紙媒体などの各種メディアによる「求人広告」は1割強を占める。全国求人情報協会の調べによると、2018年3月時点のメディア全体の月間広告掲載件数は前年同月比16%増の約150万件。メディア別に見ると、有料求人情報誌が同4%減の3万9000件、フリーペーパーが同10%減の7万3000件、求人サイトが同34%増の105万件となった。転職市場の活況ぶりがうかがえる数字である。

 だが、「下手な鉄砲も数撃ちゃ当たる」式にたくさんの求人サイトに登録することは禁物だ。かえって情報過多の状況に陥って志望先を絞り切れなくなり、望みにかなった企業や職種にたどり着けない場合もあり得る。

 以上のことから、私は登録するサイトは、多くても2つまでにすべきと考えている。その2つのサイトについては、一般的なサイトと、専門の業界や職種に特化したサイトを選ぶといい。例えば、各種の業界や職業を幅広く扱うサイトと、経理や技術者など専門者用のサイトを選ぶ。そのようなサイトに登録しつつ、人材紹介会社を活用するのだ。

【やってはいけない(2)】人材紹介会社を1社に絞る

 人材紹介会社については、懇切丁寧で面倒見のよい複数の会社に登録するとよいが、それでも見つからないときは、さらにほかの紹介会社にも当たって登録数を増やしていくのがおすすめだ。特に、年俸1000万円を超えるようなエグゼクティブクラスの転職については、求人サイトよりも紹介会社のほうが確実である。

 複数の人材紹介会社と付き合うべき理由として、とりわけ幹部社員の転職の場合には、採用企業側が慎重になることが挙げられる。幹部クラスの場合、転職希望者の学歴や社歴がしっかりしたものでなければ紹介しにくくなる。採用する企業側は、こういった人材についてはどうしても安全策をとる傾向にあるからだ。また、転職を10回していても優秀な人はいるだろうが、そういう人を企業は積極的には採用したがらない。

 人材紹介会社が転職希望者と面談するときには、「何をやりたいのか」を徹底的に尋ねる。キャリアプラン、人生プランが明確でないと、紹介会社も自信を持って紹介できないからだ。当然ながら、そうしたプランは希望者それぞれによって異なる。仕事の内容や希望年収はもちろんのこと、通勤時間や家庭の事情も千差万別だ。転職とは、無数の希望者と求人企業とをジグソーパズルのように当てはめていくものなのだ。だからこそ、多くの情報を持っている紹介会社を介して活動をおこなうことで、より労少なくしてよい縁と出会うことができるといえる。

 現在では、ほぼすべての紹介会社がホームページを持っているので、それを閲覧しながら、どんどん相手企業についての問い合わせメールを送ってほしい。また、企業は今、あらゆる業務のデータベース化を急速に進めている。採用についても、学歴、職歴、さらにはTOEICの点数といった条件をデータに入れて、それを書類審査の際に使用する会社が増えた。こうした書類審査を通過するのは年々難しくなっており、例えば、「TOEIC800点以上」といった条件を満たしていない項目が1つでもあれば、この段階で落とされてしまうのだ。

 こうしたデータの壁を突破するためにも、個々の転職希望者に合わせたサポート体制を整えている人材紹介会社を利用すべきだろう。現在は各紹介会社も膨大なデータベースを持っており、非常に手広い案件を紹介できるようになっている。信頼できるよい紹介会社に巡り合えれば、納得のいく転職にぐんと近づくことになる。

 相談先の紹介会社を選ぶ基準は、前述した通り、とにかく「面倒見がよくて親切なところ」である。希望者の話をよく聞き、人生プランをしっかりと把握したうえで企業を紹介してくれる会社は、頼もしいパートナーとなるだろう。

 さらに、先に「求人サイトへの登録は2社まで」と述べたが、紹介会社についてはそれより多い10社ほどに登録することをおすすめする。それでもその10社のうち、本当に面倒を見てくれるのは3社ほどだと思っておいたほうがいいだろう。

 ここで重要なのは、人材紹介会社は本質的には求人企業のために人を探して報酬をもらっている、という点だ。転職希望者のために仕事を探してくれる存在ではないということを、頭に入れておく必要がある。最近は紹介会社のほうも、「あなたのために会社を探します」といったPRをしているところがあるが、それはいい候補者を集めるための戦略である。あくまでも転職を希望する本人が、自分のために、紹介会社を利用して仕事を探すという基本事項を忘れないでほしい。

【やってはいけない(3)】次が決まる前に今の会社を辞める

 リクナビNEXTが2017年1~6月までに新規登録した会員データを年代別に集計したところ、20代では76%が「転職経験なし」と回答したという。30代になるとこの「転職経験なし」の割合は一気に47%まで減少し、半分以上の人が転職を経験したと回答した。30代では4人に1人は「転職1回」、約3割が「2回以上の転職」を経験しているという結果となった。このように、今や転職は当たり前の状況になっているわけだが、前述した通り、企業側から見れば、転職回数があまりに多いと採用を躊躇してしまいがちなのが実情だ。

 転職希望者の心得として大切なのは、まずは「あせらない」ことである。特に、転職先が決まる前に会社を辞めてしまうと、どうしてもあせりが出て、条件があまりよくなくても転職を決めてしまうことがある。今の会社に籍を置きつつ、ひそかに転職活動を進めるのが正しいやり方だ。

 今の仕事を続けつつ、無数の会社のなかから転職先を探すのは大変なことだ。そこで、人材紹介会社をいくつか選んで登録し、いい案件があればメールなどで連絡してもらうことをおすすめする。ちなみに紹介会社からの連絡方法は、基本的にメールとなる。その際、自分の連絡先は、在籍している会社の社用メールではなく、プライベートで使用しているメールアドレスにしなくてはならない。なかには、無防備に社用メールで連絡してくる人がいるが、自分が転職活動をしていることが会社にバレてしまう可能性があるうえ、採用条件など企業側の機密保持に抵触する可能性もあるので、絶対に避けるべきである。

 企業側は、内定を出してからおおむね1ヵ月以内に入社することを望むケースが多く、3ヵ月以上かかる人は、採用されないと思っておいたほうがいい。転職希望者が現在の会社に在籍しながら転職先を探す期間は人によってさまざまだが、たいていは活動開始から3~6ヵ月で入社が決まると考えていい。

 そして、いざ辞めると決めた以上は、在籍している会社側から慰留されても撤回してはいけない。通知を紙でもらってしまえば、内定が取り消されることはまずない。慰留されたからといって会社に残ってしまうと、「あいつは一度辞めるといった人間だ」というレッテルが、最後までついてまわることになる。

 退職時期については、民法の「当事者が雇用の期間を定めなかったときは、各当事者は、いつでも解約の申入れをすることができる。この場合において、雇用は、解約の申入れの日から2週間を経過することによって終了する」という規定が1つの目安になる。通常、社員などの期間の定めのない雇用契約の場合には、2週間前までに退職届を提出すれば退職できるのだ。

 ところが、多くの会社は、就業規則で「1~3ヵ月前までに退職を申し入れること」といった規定を設けている。この場合でも、雇用契約や就業規則よりも法律が優先されるため、2週間前までの通知で退職は可能なのだが、会社のほうも仕事の引き継ぎや人員補充のための時間を必要とする。円満退社するためにも、1ヵ月以上前に退職願を出しておくべきだろう。

 今の時代、キャリアを決めるのは自分だ。自分の人生は自身で設計してつくり上げ、管理しなければならない。さらに、これからは人生100年時代。長い人生を楽しく生きるためにも、自分が納得できる仕事選びをしてほしい。


※本記事はダイヤモンド・オンラインからの転載です。転載元はこちら

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