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年齢をサバ読みする中年男が増殖中、なぜバレバレの嘘をつくのか

2019年11月12日 06時00分更新

文● 中村未来(ダイヤモンド・オンライン

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仕事ではめったにないが、飲み屋などのプライベートで時折、出会ってしまうのが“年齢サバ読みおじさん”。見た目は明らかに40歳オーバーなのになぜか30代と言い張るなど、年齢を若く偽る中年男性が増加しているという。男性が年齢をサバ読みする理由について心理コーディネーターに聞いた。(清談社 中村未来)

人をいたたまれない
気持ちにさせる嘘

男性が年齢をサバ読みしたくなる動機とは?
若い女性がドン引きする「年齢サバ読みおじさん」。臆面なくバレバレな嘘をつく彼らの心理とは? Photo:PIXTA

「人は、倫理観が外れたときに嘘をつきやすくなります。どういうときに倫理観が外れるかというと、自分の社会的な損失が少ないであろう状況のときです。飲み屋でたまたま会った人や、マッチングアプリで出会った人は、多くの場合、自分の社会生活“外”の人なので、嘘もつきやすくなります」

 こう解説するのは、男性心理に詳しい心理コーディネーターの織田隼人氏。人間の倫理は周囲の社会性によって維持されているようなもの。知り合いがまったくいない状況、社会的ダメージを受けないであろう状況であれば、人はぽろっと嘘をついてしまう生き物なのだ。

 そして、この倫理観が外れた状況に加えて、「モテたい」という動機が加わったとき、男性は年齢のサバを読むのだ。その意味で、年齢サバ読み男が跋扈しているのが、出会いを求める男女に必携のマッチングアプリ。バレバレの嘘なのに誰もツッコむことができず、気まずくなった経験をした人も少なくないはずだ。

つい最近、年齢を詐称されたというA子さん(28歳・アパレル)に、そのときのことを振り返ってもらった。

「マッチングアプリで出会った男性で、第一印象はサーファー系。プロフィールには30代とありましたが、肌質や髪質、体のたるみ具合から、どう見ても45歳を超えているように見えました。そのうち聞いてもいないのに、『俺は今35歳だからさぁ』と言いだしたんです。一瞬ギャグなのかな?と思ったけど、本人は大真面目に話を続けていました」

 いくらなんでも10歳のサバ読みはごまかせない。2軒目も誘われたが、やんわりと断って店をあとにしたという。

「何が衝撃って、バレないと思っていることです。大人の男性に対して、いたたまれない気持ちになったのはあのときが初めてでした。でも、私の周りにも、年齢をサバ読みされたことがあるという子が結構います。さすがに10歳はいませんでしたが…」

“サバ読みおじさん”の
複雑な心理

 織田氏いわく、モテたいがために年齢を若く申告するのは、男性の複雑な心理が作用しているからだという。

「まず、実年齢より若くサバ読みするわけなので、狙っている女性は当然年下です。相手の女性と10歳以上離れていると、男性側は『離れすぎている』という感覚になり、アプローチしても相手にされないのでは、と不安になります。実際に、20代女性の多くは、5~7歳上くらいまでは許容範囲ですが、10歳以上も年上になると、恋愛対象外になる傾向にあるようです」

 そこで、自信をもって女性にアプローチするために、年齢を偽るのだ。3歳くらいのサバ読みならバレる可能性は低く、嘘をついているという罪悪感も少なくて済む。

 そして、男性がサバ読みするもう1つのパターンは、自分を本当に若いと思い込んでいるケースだ。

「日本の生活水準が変わったせいか、一般の40代でも若く見える人が随分増えました。ただ、それは周りもみんな同じです。同世代が等しく若見えしているので、自分だけずぬけて若々しいということではないのです」

 しかし、鏡を見れば、昔見ていた40代よりも圧倒的に若く見える。ゆえに、「実年齢は45歳だが、見た目は40歳なので、サバ読みしても良い」と、勝手に結論付けるのだ。

「若いと思い込んでいる人は、会う人に『何歳に見える?』と聞きがちです。そう聞かれれば、見た目よりもやや低い年齢を言うのが、常識ある大人のマナーです。それが勘違いに拍車をかける要因にもなっています」

謝罪するときは
理由と一緒にプレゼントを

 サバを読み始めるのは、「30代後半くらいからが多いのでは」と織田氏。

「30代前半までは、20代女性にも積極的にアプローチしていけたのに、30代後半になると、急に年齢差を意識し始めます。それは、精神的にも肉体的にも、加齢を自覚し始めるのが30代後半からだからです。トレーニングなどでメンテナンスをしていない人は、40代からさらに加速度的に衰えていきます。その不安感から、年齢をサバ読みしたくなるのでしょう」

 もしも、意中の女性に年齢をサバ読みしてしまった男性が、その後、本当の年齢を打ち明けるとなった場合、許されるにはどんな謝罪方法がいいのだろうか。

「最も重要なのは、できるだけ早く打ち明けることです。時間がたつほど、嘘の重みが増すと思ってください。そして、話すときはまず謝罪をし、必ず嘘をついた理由を言ってください。『あなたに好きになってもらいたかったから』など、1つでも理由があれば相手も納得しやすいです」

 ただ、これだけでは、嘘をついたというマイナスイメージは払拭できない。プラスまでとはいかなくとも、せめてゼロに引き上げるために用意してほしいのが、物理的なプレゼントだ。

「欲しがっているプレゼント、あるいは旅行の提案など、相手が喜ぶものを用意しておきます。そうすることで、『嘘をつかれていたけど、正直に謝ってくれたし、さらに自分のことを思ってプレゼントまで用意してくれた』というふうに、相手の心の中でバランス調整が行われます。必ず解決できる保証はありませんが、やらないよりは許される可能性も高くなります」

 といはえ、最初からサバ読みをしなければ、謝罪に追い込まれることもない。モテることを目的とするのであれば、年齢を偽るよりも、肉体改造したほうが効果的だと織田氏は言う。

「中年男性がモテたいなら、金銭的余裕と、引き締まった男らしい肉体を手に入れることが先決です。要するに、年齢をサバ読みする人は自分に自信がないわけなので、ほかの部分で、自信を補ってください。そのほうがずっと簡単にモテるはずです」

 年齢のサバ読みは、ただの嘘でしかない。不要なトラブルを避けるためにも、ありのままの自分で勝負したほうが良さそうだ。


※本記事はダイヤモンド・オンラインからの転載です。転載元はこちら

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