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ググらせない スマホをかざすだけで情報が取れるスマートプレート

TIS Bit & innovation ピッチイベント

特集
STARTUP×知財戦略

 2019年9月27日、TISが東京・西新宿に設置しているオープンイノベーション拠点「Bit & innovation(ビット・アンド・イノベーション)」にてピッチベントが開催された。本イベントはスタートアップとTIS、TISの顧客企業、投資家とのネットワーキングを目的としたコミュニティーイベントだ。

 9回目の今回は学生起業家とスタートアップ企業によるピッチのあと、特許庁からスタートアップの知財活用事例と優遇制度を紹介するプレゼンテーションが行なわれた。ピッチには、早稲田大学の岩上開人氏、株式会社エーアイ、株式会社DIIIG、Guidable株式会社、 株式会社アクアビットスパイラルズの5組が登壇。

アイドル活動を支援するオンライン運営アプリ「Cloud Production」

 早稲田大学 政治経済学部4年の岩上開人氏は、開発中のアイドルの活動を支援するサービス「Cloud Production」を紹介。Cloud Productionは、芸能事務所に代わり、グッズ販売、集客、ライブのキャスティング、クリエーターとアイドルのマッチングなどの運営機能をオンラインで提供するサービス。

 また、アイドルのプロデュース事業として、RPGゲーム感覚でアイドルを育てるファン参加型アイドル育成サービスも開発中だ。オンラインのグッズ販売やライブチケットの売り上げがアイドルの経験値になり、レベルアップすると新曲リリースや新衣装の披露ができるという。

テキストを入力するだけで自然な日本語の音声ガイドがつくれる

 エーアイは、音声合成エンジン「AITalk」(https://www.ai-j.jp/)を紹介。入力したテキストから自然な日本語の音声を作成でき、スマホアプリの読み上げ機能や、さまざまな音声案内などに採用されている。

 さまざまな声や話し方のサンプリングデータから声を合成しており、用途に合わせて、年代や性別の異なる17種類の発話者から選べ、感情表現や関西弁にも対応する。プレゼンでは、パッケージソフトの日本語ナレーション作成ソフト「AITalk声の職人」とPowerPointアドイン「AITalk声プラス」をAITalkのナレーションを使って紹介した。

おでかけミッションクリアでポイントがたまる

 DIIIG(https://diiig.net/)は、地域の店やおでかけ促進プラットフォームを開発している。「DIIIG」アプリに契約店舗や事業者からおでかけ情報が届き、その場所にでかけてミッションをクリアすることでポイントがたまる。

 たまったポイントは商品券やグッズなどに交換できる仕組みだ。普段の買い物や出張でもミッションを通してプラスアルファの体験が楽しめる。

日本で暮らす外国人の抱える課題をWebサービスで解決

 Guidable(https://guidable.co.jp/)は在留外国人向けに、生活情報メディア「Guidable Japal」の配信、人材マッチング「Guidable Jobs」、クラウドソーシング「Guidable Crew」などのサービスを展開している。

 「Guidable Jobs」では、外国人が自分のVisa情報を入力することで応募可能な企業を絞り込める「Visaマッチング機能」、履歴書の日本語翻訳機能などを搭載し、外国人側と採用企業側の双方の不安や負担を減らすことができる。

 大手企業と連携した在留外国人向けの保険やサービス事業も進めており、今後はユーザーの利用情報を基に嗜好や行動分析したデータを活用して、コンビニと連携した外国人向けコーナーの設置などのコラボ企画も提案していきたいとのこと。

決済システム不要! 商品にスマホをかざすだけで決済できる「Pay of Thing」

 アクアビットスパイラルズ(https://spirals.co.jp/ja/)は、「ググらせない」でスマホをかざすだけでWebサイトやSNS、地図などの情報へアクセスできるスマートプレート「HyperKink of Thing」を紹介。スマートプレートにはICチップが埋め込まれており、動作は専用アプリから簡単に編集できる。

 また読み取り側はアプリ不要で、NFC対応スマホをかざすだけで使えるのが特徴だ(特許第5867635号。国際特許PCT出願済)。タグプレートやカード、マグネットのほか、商品自体への埋め込みも可能。この機能を応用して、商品にスマホをかざすだけで決済できる新サービス「Pay to Thing」を11月にリリースする予定だ。

IP BASE、知財専門家の検索、知財相談サービスがスタート

 またピッチ終了後に、特許庁の企業調査課 課長補佐でベンチャー支援班長の進士千尋氏が登壇し、「スタートアップこそ知財戦略を!知らなきゃ損する知財活用と優遇制度」と題し、国内スタートアップの知財活用事例やスタートアップ支援施策を紹介した。

 知財は、独自技術を守る「独占」、他社との事業提携などの「連携」、資金調達時の評価や技術力の裏付けとしての「信用」の3つの機能があり、知的財産権を上手に活用することはスタートアップにとって必須といえる。

 最低限やっておくべきこととして、1)商標の調査・登録、2)コア技術を守るための戦略として秘匿or特許化のどちらを選択するかを考えておく、の2つを挙げた。

 ソフトウェアのUX/UIも特許・意匠・商標権によって保護できる。例として、ヘルスケア事業を展開するFINC Technologyの知財戦略を紹介。同社では、健康管理プログラム、食事画像の認識機能、IMの表示方法などの特許を包括的に取得し、強いポートフォリオを構築することで他社との差別化を図っている。またUberは、わかりやすい乗車位置表示や手配方法についての特許を出願している。

 特許庁では、スタートアップ支援施策として、知財アクセラレーションプログラム(IPAS)、スタートアップ対応スーパー早期審査、特許手数料が3分の1になる減免制度を実施。

 また、スタートアップ向けサイト「IP BASE」を開設。登録メンバー向けに、知財専門家の検索やオンラインで相談できるサービスなども開始。ぜひアクセスして知財戦略に役立ててほしい。

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