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業界人の《ことば》から 第364回

シャープ新会社設立でAmazonやGoogleとの競争も視野に

2019年10月18日 09時00分更新

文● 大河原克行、編集● ASCII

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初の家電データ販売や統合UIの提供

 ひとつめは、家電から発信される生活データを意味のある高次化データとし、それを活用できることだ。ここでは、いくつかの例がある。たとえば、シャープのホットクックでは利用履歴から「具だくさん味噌汁」などの特定メニューの調理率を都道府県ごとに算出。山口県や山梨県で調理率が高いことがわかったり、ヘルシオの調理メニューランキングを算出したりといったことができる。

 また、洗濯乾燥機の乾燥機能利用率と、雨が降っている地域とが連動していることがわかるといったことも見える化できる。こうしたデータを高次化し、さまざまな領域での活用提案をすることができるのが大きな特徴だ。

 家電データを、高次化して販売するのは今回が初めてとなり、パートナー企業はこれを利用して、さまざまなサービスにつなげることが可能になる。

 2つめはプラットフォーム同士を相互接続することができる環境を実現していること。シャープだけの閉じたプラットフォームではなく、横連携が可能になるプラットフォームだ。

 3つめはパートナーがやりたいことを実現するために、可能な限り、柔軟に個別対応できる体制を持つこと。パートナーへの個別対応では、事業企画、ソフト設計、開発、クラウドの運用までをトータルでサポート。製品のIoT化の支援による付加価値の提供、コストダウンを実現するオペレーション改革、製品販売以外にビジネスを拡大する事業改革などにも対象を広げる。

 そして最後に、他社の機器連携において、統一したインターフェースを実現できる統合UIを提供することだ。シャープのスマートライフサービス「COCORO HOME」で提供している画面を提供。具体的にはユーザーの生活習慣を解析し、最適なタイミングで知らせる「タイムライン」、機器の一覧管理や動作状態の確認、機器アプリと連携などの「機器リスト」、各サービス事業者と連携して提供するマーケットプレイス、使えるサービスの一覧表示機能などを提供する「サービスリスト」の3つを広く公開する。

 「これらの4つの特徴を生かすことで、成果かつデータを活用したさまざまなサービスが生まれる場になることを目指す」とする。

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