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松村太郎の「アップル時評」ニュース解説・戦略分析 第63回

なくなるUI、加わるUI:

アップルiPhone空中ジェスチャー対応への期待

2019年10月15日 16時00分更新

文● 松村太郎 @taromatsumura

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●iPhone XRから押し込めなくなる

 2018年のiPhoneのうち、液晶のフチなしディスプレイを採用したiPhone XRは、3D Touchに対応しない製品となりました。上位モデルだったiPhone XSシリーズは引き続き3D Touchが利用できましたが、iPhone XRでは押し込みを長押しに代替する「Haptic Touch」と呼ばれる操作方法が採用されました。

 3D Touchの代わりに1秒弱長押しすると指先にコツンとフィードバックがあり、押し込んだときと同様のメニューなどが開きます。指先の圧力をかける操作を時間に変換して認識してフィードバックを与えることで、今までの操作性を継承しようというアイディアです。

 そして2019年、iPhone XRの後継となるiPhone 11に加えて、iPhone 11 Proシリーズからも3D Touchが排除され、Haptic Touchにより代替されました。面白いのは、画面を押し込めるようにして新しいタッチ操作を開拓し、再び押し込めないようにしてその操作性を残す、という手順で、Haptic Touchにたどり着いた点です。

 これによって、スクリーン全体で圧力を検出する必要はなくなりました。その分のセンサーを省くことができますし、圧力を伝える必要がなくなったガラスはより硬くすることもできるでしょう。

 圧力をかけるインターフェイスは、引き続き販売されるiPhone 7、iPhone 8のホームボタン、Apple Watch、MacBookシリーズのトラックパッド、単体のMagic TrackPad 2にも搭載されています。これらは稼働部をなくすメリットが勝り、引き続き搭載が続くと考えられますが、マルチタッチスクリーンでは、引き続き実装するより他のメリットが勝ったと考えていいでしょう。

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