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離婚がちらつく熟年夫婦がすべき「別居婚」のススメ

2019年10月13日 06時00分更新

文● 松嶋千春(ダイヤモンド・オンライン

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離婚する5組に1組は熟年離婚という時代、定年を機に不仲が進んで離婚するケースなどはよく耳にする話。連れ添った年数が長いからといって、あぐらをかいてはいられないだろう。そんな夫婦の危機を回避する一つの方法が別居婚。離婚相談を請け負う男女問題研究家の山崎世美子さんに、別居婚の具体的な方法を聞きつつ、熟年夫婦の関係修復の糸口を探った。(清談社 松嶋千春)

熟年の浮気心は一時の迷い
別居でクールダウンすべし

離婚がちらつく熟年夫婦イメージ
心身の健康や生活に大きな支障が出るケースは離婚もやむなしだが、そこまででないのなら、まずは「別居婚」を試したい Photo:PIXTA

 厚生労働省の『平成 29 年(2017年)人口動態統計月報年計(概数)の概況』によれば、同居期間20年以上の夫婦の離婚件数は昭和60年の約1.87倍に、同居期間30年以上では約3.76倍に増加した。

 平成29年全体の離婚件数約21万組に対し、同居期間20年以上の夫婦の離婚件数は約3万8000組。離婚夫婦の5組に1組は熟年夫婦という結果が出ている。

 浮気調査専門の探偵会社での経験から恋愛・結婚・人間関係などのカウンセリングを行う山崎さんの元にも、熟年夫婦の悩みや離婚相談が寄せられている。

「熟年離婚の相談に来られる方の多くは、定年退職を機に『一緒にいる時間が長すぎてストレスがたまる』とおっしゃっています。妻からの相談が圧倒的に多いですが、夫からの離婚申し立ても、20年前と比べて約2倍に増えています。妻に不満を持つポイントとしては、健康に支障をきたすレベルの“メシマズ”、片付け下手、妻の不倫、風俗勤務、浪費癖などが挙げられます」(山崎さん、以下同)

 山崎さんの行うカウンセリングは決して離婚を促進するものではなく、「できる限り離婚は避けましょう」というスタンスだ。

「『生理的に相手が嫌いで常に神経が逆なでされる』ケースや『借金癖がある』といった心身や生活に悪影響を及ぼしそうなケースは仕方ありませんが、『嫌いじゃないけどウザい』『ほかに好きな人ができた』といった、ふんわりした理由で離婚してしまうのは早計です。離婚を迷って苦しんでいる人に対しては、いきなり白黒をつけようとするのではなく、『別居して距離を置く』という提案をしています」

“離婚覚悟の別居”より
“いつでも戻れる別居”がいい

 別居にあたって最大のネックとなるのは、やはり金銭面の問題。新たにアパートを借りるとなると、家賃もそれなりにかかってしまう…。しかし諦めるのはまだ早い。熟年夫婦にとっての最大のストレス『一緒にいる時間が長すぎる』問題を解決する方法は、住居を分ける以外にも何通りかあるという。

男女問題研究家 “平成の駆け込み寺” 山崎世美子(やまざきせみこ) 日本センチュリーアンガーマネジメント協会LA本部、東京支部特別顧問プロフェッショナルトレーナー 、つくしブライダル名誉顧問 、一般社団法人・日本心理学アカデミー特別顧問、特定非営利活動法人「絆プロジェクト」顧問を務める。自らの離婚経験や探偵業を経て、現在は恋愛・離婚・対人関係カウンセラーとして活躍。男女問題について日々研究を重ね、若者から熟年までの幅広い層からの相談件数は延べ2万件以上。 主な著書に「こんな男は捨てられる」(ソフトバンククリエイティブ)、「『男のウラ・オモテ』に用心あそばせ!」(小学館)、「血液型別恋愛攻略法トランプ」(監修)、「恋愛の常識トランプ」(監修)などがある

「まず寝室を分けることで、寝るときにクーラーを付ける・付けないでもめたり、いびきがうるさくて眠れない、といった日常のストレスを軽減することができます。寝室を分けるのが難しいようであれば、遮光性のロールカーテンなどで部屋を区切ってください。とにかく、心地よく過ごせる自分のパーソナルスペースを設けることが重要です」

 このように一つ屋根の下で距離を置くパターンのほかに、「転居を伴う異動(単身赴任)を申し出る」「親の介護などを理由に、実家で過ごす頻度・期間を徐々に増やす」など、外的要因を掲げて別居に持ち込む方法もある。ここで気をつけたいのは、いつでも元の状態に戻れるように、角が立たない言葉で別居を切り出すということだ。

「別々に暮らしてみることで、『自分で家事をするほうが快適』だとか、『嫁さん、ありがたかったな』など、冷静に心の整理ができます。最初から『一緒に暮らすのは嫌だから別居しよう』とトゲのある言い方をしてしまうと、後から再び一緒に暮らしたいと思ったとしても、関係修復が難しくなってしまいます。どちらに転んでもいいように、言い方には気をつけましょう」

家の整理をしておくことは
子どものためでもある

 先に別居していれば、のちのち離婚となった場合も、「別居」と「離婚」2つの問題を同時に片付けるよりは労力が少なくて済む。さらに、別居婚には終活としてのメリットもあるという。

「子どもが独り立ちして、夫婦2人で3LDKも必要か?っていう話です。部屋を持て余すぐらいなら、売っ払って駅近のワンルームを2つ借りるほうが賢明です。年を取って相方が亡くなってから『あれ?広すぎるわ』と気づいて慌てて動き出す人がいますが、それでは手続きなどで子どもの負担も大きくなってしまうかもしれません。自分が動けるうちに家の見直しをすることは、残される子どものためでもあるのです」

 じつは、山崎さん自身も再婚と同時に別居をスタートし、早6年目。相手と近い距離で暮らしながらも個人のスペースが守られており、関係は良好だという。また、山崎さんの弟子の女性も、別居によって離婚の危機を乗り越えたという。現在も別居婚を継続中で、一緒に家族旅行をするほど仲良くなったそうだ。

「すごく関係が悪かったとしても、別居を始めて距離を置いてみると、意外と心の余裕ができて、相手を許せるようになるものです。『会えない時間が 愛、育てるのさ』という歌がありますよね。別居婚で熟年の愛は大きく育たないかもしれないけれど、夫婦関係を見つめ直すきっかけになると思いますよ」

 夫婦関係にモヤモヤしているのなら、こっそり転勤願を出してみるなど、別居婚の道を探ってみるのもひとつの手かもしれない。


※本記事はダイヤモンド・オンラインからの転載です。転載元はこちら

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