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Apple Watch Series 4ユーザーが新型モデルを使ってみた

Apple Watch Series 5の常時点灯は一度使うと戻れない魅惑の機能だった

2019年10月19日 15時00分更新

文● 佐藤 正人 編集● ASCII

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待望の「常時点灯」搭載。一度使ったら戻れなくなった

外の明るい環境下でも見やすい(通常の点灯画面)

 今思うと腕時計として当たり前の機能なのですが、常時点灯機能の実装によって手首を無理矢理返さなくても時刻をチェックできるようになったのはApple Watchにとって大きな変化です。

 ディスプレーにLTPO(低温多結晶酸化物)を採用しているのは前モデルのSeries 4と同じものの、常時点灯できるのは新型のみ。仕組みとしては、画面のリフレッシュレートを通常の60Hzから1Hzへと低下させて色調も下げることで電力消費を抑えているそうです。

新機能「コンパス」

新機能「ノイズ」

 さっそく常時点灯を試してみると、腕を下げても画面が完全に消えることはなく、明るさがわずかに暗くなる程度でディスプレー上の情報は常に見える状態です。カラー表示されている部分も少し色味が薄くなるくらいなので違和感はありませんが、思っていた以上にはっきりと表示されているのでバッテリー消費は大丈夫なのかと心配になるほどです。

 なお、屋外などの明るい場所でも問題なく画面上の情報を確認できました。

画面が暗くなった常時点灯時の様子

プライバシーにもきちんと配慮している

 実は、常時点灯を実際に試してみるまでひとつ気になっていることがありました。それは、常時点灯時のウォッチフェイス上の各情報や、通知が来た際のプライバシー情報の表示方法です。例えば、通知が来た際に腕を上げればどのアプリに届いたものなのかわかりますが、その後に腕を下ろしても常時点灯時の画面上に表示されたままなのか? さらに、操作しないまま腕を下ろすとどのような動作をするのか気になっていました。

 特にリマインダーやカレンダー、メッセージなど、プライバシーに関わる通知が届いた際でも常に画面に表示されたままでは嫌なので、アップルがその辺の仕様をどのように設計しているのか、Apple Watch Series 5を購入したらすぐに確認しようと思っていました。

LINEのアイコンにスモークがかかり、上にデジタル時計が被さって表示される

 具体的なケースとしてLINEの通知が届いた際の動作をみてみると、まず通知が届いた際に腕を上げるとそこで初めてLINEから通知が来たことがわかります。そして通知が来ても腕を上げずに下ろしたままでは、画面に変化はないという点ではSeries 4と一緒です。

 一方、一度腕を上げてLINEの通知画面を表示したあと操作せずに腕を下ろすと、Series 4では画面が消えるため第三者に見られることはありませんが、Series 5では、腕を下ろすと画面全体にスモークがかかりその上にデジタル時計が被さって表示されます。つまり、常時点灯時でも画面に表示されている内容は第三者からわからないようになっています。

 ただ欲を言えば、腕を下ろした際には通常の文字盤に戻ってほしかったのですが、現状では画面に表示される内容が第三者からはわからない仕様になっているのでひとまず安心です。ちなみに、そのまま少し経つと通常の文字盤表示に戻ります。

リマインダー通知が来ても表示内容がわからないようになっている(写真は44mmモデル)

 さらに、ウォッチフェイスに設定してあるコンプリケーションにおいても、心拍数やカレンダーといったプライバシーに関するものは、腕を下ろした際の常時点灯時ではアイコンに置き換わったり非表示になったりするなど、プライバシーに配慮した表示方法になっています。

 これなら電車内でつり革を掴んでいるときなど、何かのタイミングで第三者に画面を見られることがあっても安心ですね。

バッテリー時間は前モデルよりも短い!?

新しく加わったウォッチフェイス「数字・デュオ」

 次は、購入希望者の多くが気になっているバッテリー時間についてです。残念ながら新モデルでも数日間もつバッテリー性能は持ち合わせておらず、基本的には毎日充電が必要になるのはこれまでのモデルと同様です。何世代も前からApple Watchを使い続けている筆者からすれば、毎日の充電はそれほど気にならないものの、充電速度に関してはもう少し高速化してほしいものです。

 具体的にSeries 5のバッテリー時間がどれくらいかと言うと、例えば朝7時から夜22時くらいまで(ワークアウトなし)の装着で残り20%〜30%といったところ。アップルが公表している18時間駆動は問題なさそうですが、Series 4と比較して連続使用できる時間が短くなっているのはほぼ間違いないでしょう。

 やはり常時点灯の影響が出ているのしょうか。もしそうなら、S5(Series 5搭載)とS4(Series 4搭載)のチップ性能がほとんど変わらないのは、バッテリーの消費電力を抑えるための措置だったとなれば納得です。一般的にチップ性能を上げると消費電力も上がってしまうため、それを防ぐためにあえてチップ性能を変えなかった可能性があります。

watchOS 6以降、Apple Watchから直接アプリのダウンロードが可能に

 もう少し細かく試してみると、ウォッチフェイスの種類で消費電力量が変わることがわかりました。例えば、画面上に表示できる情報量の多い「インフォグラフ」「インフォグラフ モジュラー」などより、数字だけといったシンプルなデザインのウォッチフェイスのほうがバッテリー時間が長くなる傾向にあるようです。当然、常時点灯をオフにすればバッテリー時間はのびますが、それではSeries 5の魅力が半減してしまうので得策ではありません。

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