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南信州の廃村「大平宿」で昔の生活体験をした

2019年10月05日 15時00分更新

文● 有馬桓次郎 編集●スピーディー末岡/ASCII

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天候に恵まれ自然を存分に堪能できた

 翌朝は雲間から青空がのぞく天候。あらためてかまどに火をおこし、残った材料で豚汁をつくり朝食とする。朝食が済んだら、自然の中での釣りを楽しみにしていた高永さんはロッドを手に渓流へ。そして小だまさんと筆者は、昨日行けなかった奥のほうを中心に村内を散策だ。

昨晩使った薪の燃えさしをかまどに集めて焚き、残り物を手直しして朝食にする。ダシ入り液体味噌、超万能な調味料である(これしかないともいう)

いやもう、そのあたりから菅笠に脚絆わらじ姿の旅人がひょっこり現れそうな雰囲気じゃないか。2004年の映画「隠し剣 鬼の爪」では、重要なラストシーンがこの場所で撮影された

筆者たちが使った深見荘の真向かいにある「下紙屋」。こちらも平成の大火事に遭って再建された建物だ。前掲した古い写真の一枚目に写っている建物がこれ。少し低くなったが、ほぼ同じ外観で再建されているのがわかる

村の入口近くにある「からまつ屋」。おそらく明治初期に建てられたもの。村の看板的な建物だ

こちらは「藤屋」。江戸時代末期の建築で、独特の上下二段に開く窓が特徴。ちなみにこの建物も宿泊利用することができる

藤屋の隣にあるボロ小屋の正体、じつは公衆トイレ。こういうところも景観を壊さないように配慮されている

大平宿をひらいた1人、山田屋新七郎の墓と彼を祀る石碑

ここは石垣構造になっているけど、もしかすると江戸時代にはこの場所に木戸があったのかもしれない

かつては街道だった小道を下っていくと、やがて前方には草生した橋が

橋の上から眺めると綺麗な清流が流れていた

橋を渡った先に長い石段があった

クモの巣を払いながら登っていくと、草木に埋もれるように古い鳥居と石灯籠がある

この先に諏訪神社の社があるはずなんだけど……

参道は途中で倒木により寸断。かなり見てみたい建物だっただけに残念

「飯田峠 飯田市街地へ」と書かれている道が、昨日我々が通ってきた現在の大平街道。一方「鳩打峠をへて飯田I.Cに通ず(未舗装の林道)」と書かれているのが江戸時代にひらかれた旧大平街道だ。こうしてみると大平宿は街道にそって建ち並んでいるのがわかる

村の規模にくらべて随分と大きい気がする、旧・大平小学校

最盛期のにぎわいがどことなく伝わってくる

深見荘へ戻ってくると、遠くから怪しい雲が近づいてきている。山の天気は本当に変わりやすい

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