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顔認識アルゴリズムでダークマター探し、チューリッヒ工科大

Neel V. Patel

2019年09月20日 07時08分更新

記事提供:MIT Technology Review

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ESO

スイス連邦工科大学の研究者は、顔認識ツールなどの作成に使われるニューラル・ネットワークを用いて、宇宙を満たすダークマター(暗黒物質)の探索や特徴付けをしている。

目に見えないダークマターが直接検出されたり測定されたりしたことは、いまだかつてない。だが、ダークマターが存在することは、宇宙への影響が確認できることから分かっている。さまざまな星々や銀河の動きの多くは、人間の目に見える物質が及ぼす重力では説明できない。他の何かが影響しているに違いないのだ。

ダークマターをはじめとするすべての物質は光線をわずかに曲げる特徴を持っており、これが望遠鏡による観測で「弱い重力レンズ効果」を引き起こす原因となっている。科学者は重力レンズによる光線の歪みを利用して、ダークマターが存在する可能性が最も高い夜空の領域を探索する計画を立てることができる。

スイス連邦工科大学チューリッヒ校(チューリッヒ工科大学)の研究者チームは、ニューラル・ネットワーク・モデル(視覚画像の分析に使用されることの多い種類)を訓練し、ダークマターによって引き起こされる弱い重力レンズ効果の微妙な兆候を探した。モデルの訓練に用いたのは、ダークマターを探す科学者は通常何を注意して見るのかをシミュレーションしたデータである。モデルは最終的には、画像の中でダークマターの可能性のある兆候を見つけてラベル付けする作業を、人間の科学者より30%以上正確にできるまでになった。

次に、この機械学習モデルを用いて、ヨーロッパ南天天文台のキロ・ディグリー・サーベイ(KiDS:Kilo-Degree Survey)で作成された実際のダークマター・マップを分析した。学術誌フィジカル・レビューD(Physical Review D)に9月13日付で掲載された結果によると、同モデルが現在の方法よりマップを詳細に分析できることと、ダークマターが存在する可能性のある位置をよりはっきりとモデル化できることが分かったという。

同チームは今後、このモデルを他のマップに適用して、宇宙の拡張を加速させている不思議な力であるダークエネルギーの分布と挙動についても詳しく調べたいと考えている。

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