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ドローン10機がサウジ石油施設を攻撃、生産半減

2019年09月17日 07時31分更新

文● Niall Firth

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AP

10機のドローン(無人機)が9月14日、サウジアラビアの主要な石油処理施設と付近の油田を攻撃し、火災が発生した。反政府武装組織フーシが攻撃を実行したとの声明を発表している。

今回のドローンによる攻撃は、世界最大の石油処理施設であるアブカイクと、1日約100万バレルの原油を生産するクライスの油田を狙って実行された。ウォールストリート・ジャーナルによると、サウジアラビアの国有石油会社である「サウジ・アラムコ(Saudi Aramco)」は、1日あたりの石油生産の約半分が停止したと述べたという。

イエメンの反政府武装組織フーシは、今年に入ってから多数の攻撃でドローンを使用し、サウジアラビアのミサイル砲台やその他の油田が被害を受けている。このような攻撃では、通常、爆発物を積んだドローンが、高速で標的に向かって飛んでいく。以前の攻撃では市販の標準的なホビー向けドローンが使用されており、飛行距離は限定的だった。だが、最近の攻撃ではより高性能なモデルを使用し、飛行距離は約1500キロメートルを超えると1月に国連は報告している

攻撃直後、イランの支援するイエメンのフーシの報道官であるヤヒア・サリーが、攻撃を実行した旨の声明を出した。同報道官は、10機のドローンを発射したと述べ、さらに攻撃が実行されるだろうと警告した。マイク・ボンペオ米国務長官はツイッターで、攻撃がイエメンによるものだとの証拠はないとし、代わりにイランを名指しで非難したが、イランは非難を退けた。

今回の攻撃がフーシによるものであったとすれば、彼らがそのような攻撃を実行できるようになったという事実は、2014年に始まったイエメン戦争の様相を一変させる可能性がある。ドローン攻撃は極めて破壊力があるが、安上がりに実行できるうえ(これらのドローンは一機当たり1万5000ドルもかかっていないだろうと、ある専門家はニューヨーク・タイムズ紙に語っている)、攻撃を防ぐのは非常に難しい。

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