日本の「週内」「月内」納期事情に対応
この5営業日には理由がある。最短であれば月曜日に注文をすれば、金曜日には納品できる「週内の納品」が可能な体制であり、さらに「月内に納品してほしい」という受注に対しても、25日までに注文を受ければ月内での納品が可能になる。
日本では、こうした「週内」「月内」という商談が結構多い。
もともと旧コンパックに限って言えば、中国での生産体制を敷いていたが、中国生産では、2週間以上のリードタイムがかかり、「週内」「月内」という商談を落としやすかった。
だが、東京生産とすることで、週内や月内にも対応できるようになり、納品時期という点で大きなメリットが生まれることになった。
もし、中国生産を続けていれば、こうしたニーズに対応するために、在庫を確保し、その在庫は売れ筋の製品や仕様に集中することになる。
そして、在庫確保のためには倉庫費用が発生する。ユーザーの要求仕様に対しても、在庫モデルで対応するため、オーバースペックの製品や、求める仕様を下回る製品を販売しなくてはならない。顧客満足度を引き下げる遠因になったり、在庫処分のために余計なコストが発生する温床になったりする可能性もあった。
また、日本HPでは東京生産にあわせて、オンラインを活用したダイレクト販売と、同時にパートナーの販売支援ができるハイブリッド型販売モデル「ダイレクトプラス」をスタート。これを実現する上でも、柔軟な形で生産ができ、在庫を不要にし、納期を短縮できる東京生産は、なくてはならないものであった。
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