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仕事で成功した人は「いい質問」を自分に投げかけている!

2019年09月13日 06時00分更新

文● 藤由達藏(ダイヤモンド・オンライン

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仕事で成功
写真はイメージです Photo:PIXTA

「もし今日が人生最後の日だとしたら、今やろうとしていることは本当に自分のやりたいことだろうか?」。これは、スティーヴ・ジョブズが残したとても有名な言葉です。このジョブズの「質問」は、人生の核心を突いたものであり、世界中の多くの人々に感銘を与えました。このような自分に対する問いかけは、自身の内なる声に気づくことができ、行動を起こす一番の力となります。そこで今回は、藤由達藏氏の『たった1つの質問がなぜ、人生を劇的に変えるのか』(青春出版社)から、「自分を変えるための質問」について具体的なやり方を紹介します。

自分を変えるいい質問(1)「前向き」であること

 冒頭のジョブスの話をはじめ、世の中で大きな仕事を成しとげた人は、必ずといっていいほど「いい質問」を自分に投げかけています。たとえば、チキンラーメンやカップヌードルの発明者であり日清食品の創業者である安藤百福は、常に「何か人の役に立つことはないか?」と自問自答していたといいます。この問いのお陰で、あらゆるものから次から次へと事業のヒントを見つけ出していけたのだそうです。(出典:『転んでもただでは起きるな! 定本・安藤百福』安藤百福発明記念館編 中公文庫)

 では、「いい質問」とはどのようなものでしょうか。まず、いい質問の特徴の1つ目は「前向き」であること。物事に対して自ら進んで取り組もうとする態度で質問をするのです。前向きな質問を理解するには、その反対の後ろ向きな質問と比較すればわかります。ネガティブなことに意識が向くと、気分もネガティブで、後ろ向きになります。そのまま質問を考え始めると、次のような質問になってしまうでしょう。

「どうして、うまくいかないのだろう?」
「どうして、やらなくてはならないのだろう?」
「どうして、こうなってしまったんだろう?」

 これらが後ろ向きな質問です。できていない点や、うまくいっていない点に注目し、その原因を考えたり、そこから逃げ出したりすることに意識が向けられています。この後ろ向きな質問をすると、次のような問題が生まれます。

・気分も後ろ向きになる
・できない理由、やらない理由が大量に出てくる

 後ろ向きな気分のまま、こういった質問を続けていると、思考や行動、人生までも後ろ向きになってしまいます。行動やエネルギーを生み出すどころか、自分を卑下したり、何をしてもうまくいかない妄想のサイクルが生まれたりするでしょう。

 また、失敗した理由、うまくいかなかった理由を考えすぎる人は、行動しない自分を正当化し始めます。やらない理由をクリエイティブに思いつき、どんどんダメな自分をつくっていってしまうのです。起きてしまったことを起きるべきではなかったと考えて、誰かを恨んだり、いつまでも嘆いたりする態度は、現状のあるがままを受け止めていません。

「でも、気持ちがそうなんだから前向きになんてなれませんよ」と、言いたくなるかもしれません。しかし、前向きというのは、なにも「テンションを高くしろ」とか「パワー全開でいけ!」ということではないのです。「前向きな態度」とは、現状そのままを認めること。その現状を踏まえ、「じゃあ、どうすればいいか」と建設的に物事を考えるということです。

 つまり、前向きな質問を出していけば、人生は自然と前向きになっていきます。あなたの行きたい方に向かって前進していくのが前向きな生き方であり、それをつくり出すのが「いい質問」ということです。

自分を変えるいい質問(2)「解決につながる」こと

 いい質問の特徴の2つ目は「解決につながる」というものです。 問題があれば、「解決したい」と感じ、目標があれば「達成したい」と感じ、夢があれば「実現したい」と感じている状態です。この状態であれば、自ずといい質問が生まれます。

 解決したいという思いがあると、問題を見つけたら「この問題の原因は何だろう?」という疑問も湧いてきます。その疑問を質問すれば「原因の探求」になります。

 ただし、「原因の探求をするだけ」では、解決にはたどり着きません。結果が悪いものに対する原因の探求は苦しいだけです。自信を失ったり、行動できない理由を生み出したりする可能性もあります。だから本当に解決したいのであれば、「原因探求の質問」をしたあとに、必ず「解決策探求の質問」もセットにしておきましょう。

 もしも原因の探求だけに目が行ってしまうようであれば、「解決したい」という目的を思い出す必要があります。「何のためにその問題について考えているのか?」という質問をはさむといいでしょう。たとえば、自社商品の不良品の発生率が高まったときに、「その原因は何だろう?」と考えるのは原因の探求です。そこで、「何のためにこの問題について考えているのだろうか?」という質問をはさみます。そうすると「不良品の発生率を下げたい」という目的が見つかるはずです。

 さらに上位の目的にも気づくこともあるでしょう。「不良品発生率低減によるコスト削減」や「利益率の向上」や「顧客満足度の向上」、さらには「自社ブランド価値の向上」「自社の業績改善」などです。原因探求の目的と、さらにその上位目的が確認できたら、「その目的を達成するために何をどうしたらいいだろう?」という解決につながる質問をしましょう。

 このように「解決につながる質問」は、「原因探求の質問」と「解決策探求の質問」の2つで1つにすることがポイントです。両方がセットになって解決志向の質問をしていくのだということを忘れなければ、文字通り「解決につながる質問」ができます。

自分を変えるいい質問(3)「みんなの悦びにつながる」こと

 前向きであることと、解決につながるものであるというのが、いい質問の2つの特徴でした。これに加えて、「みんなが悦ぶ」という気持ちで繰り出される質問がいい質問になります。

 たとえば、「どうしたら自分が得するか?」という質問を、

「どうしたらもっと多くの人の役に立てるだろうか?」
「どうしたらみんなが得するだろうか?」

 と拡大するのです。すると、利益を受ける対象者(受益者)が広がります。受益者が、自分ひとりから多くの人にまで広がったのです。「さらに多くの人の利益を」と漠然と思うのではなく、自分・相手・関係者・無関係者それぞれの利益を考慮していくと、受益者の範囲が世界にまで広がります。

 受益者の範囲を広げることで質問の質や方向性が変わっていきます。もっとよくしたい、もっと幸せになりたい。そう思うならば、その幸せを享受できる人の範囲を拡大して、みんなでもっともっと幸せになる道を探せばいいのです。

「自分のことになれば誰でも真剣になる」という言葉がありますが、自分だけのために払える努力はたかが知れています。小さく満足してしまえば、それ以上は望みません。しかし、受益者の対象を世界大に広げたときに、大きな志が生まれます。「自分だけのため」から「みんなのため」にシフトするのです。このようなシフトを起こさせるのも「みんなの悦びにつながる質問」をすることによって可能になるのです。

 人は見かけによらず、その内面生活や本性には無限のバリエーションがあります。したがって、他人や自分を理解しようとしたら、聞いてみなければわかりません。だからこそ質問の力が必要なのです。ぜひこの質問の力を活用して、自分らしい人生を歩み始めてみてはいかがでしょうか。


※本記事はダイヤモンド・オンラインからの転載です。転載元はこちら

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