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Logitech本社訪問記 第1回

新MXシリーズにこめた「スイス伝統のクラフツマンシップ」 - Logitech本社訪問記

2019年09月18日 14時00分更新

文● 山本敦 編集●ASCII

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MXシリーズは、緻密さを追求してきたLogitechが誇る
エンジニアリングの結晶

 Logitechのスイス本社ではローザンヌEPFLの卒業生を含めて、各専門分野の豊富な知見を持つ80人以上のエンジニアが毎日ひたむきにものづくりに携わっていた。Logitechブランドで扱うアイテムのカテゴリーも広範囲に及ぶが、それぞれのプロダクトデザインを担当するエキスパートも、ここスイス・ローザンヌの本社に集っている。プロジェクトによっては大学の研究機関と共同で取り組むものがあったり、アイデアソンやハッカソンなども開催しているそうだ。

Logitech Internationalの本社の機能、ブランドヒストリーを紹介してくれた プロダクトエンジニアリングのシニアマネージャー、ジョン・ミシェル・シャルドン氏。

 インターンとしてEPFLの学生を迎えて、人材交流と育成にも力を入れていると語るのは、Logitech International本社を紹介してくれたシニア・プロダクトマネージャーのジョン・ミシェル・シャルドン氏だ。シャルドン氏は「最近ではAIやコンピュータビジョンによる機械学習、音声認識に関連するハード・ソフトの開発比重が大きくなりつつある」とビジネスの近況を語った。

人物名と写真を正しいものに修正しました。(2019年9月21日)

MXシリーズの軌跡を語るLogitech Internationalのトリヤ・ポリアンカー氏。

 LogitechのHead of the Business Group, MC for C&Pであるトリヤ・ポリアンカー氏はMXシリーズの歴史について、いくつかのマイルストーンに触れながら振り返った。

 ポリアンカー氏はLogitechの企業ポリシーには“3つのP”があるとして、それが「PASSION(情熱)・PRECISION(精緻)・PERFECTION(完成度の高さ)」の3つであると説いた。

 「世界の人々にとって、スイスは自然が豊かだったり、美味しいチョコレート、精密な時計をつくったり、銀行業が発達している国という印象があると思う。美しい自然以外の名声については、それぞれがバラバラに見えているかもしれないが、“ディテールへのこだわり”という点で深く結びついている。緻密で丁寧なエンジニアリング、そして先進性にも富んだクラフツマンシップこそが、世界に誇れるスイスの伝統であり、同時にLogitechならではの強みでもある」(ポリアンカー氏)

MXシリーズマウスの歴史を振り返る

 ポリアンカー氏によると、MXシリーズマウスの歴史は、2002年に発売した2.4GHzのRF無線通信方式に対応した「MX700 Wireless」や有線タイプの「MX500」と「MX300」に遡るという。ポリアンカー氏は、当時の背景について以下のように話す。

MXシリーズのマウスの歴史は2002年に発売された3つの製品から始まった。

 「コンピューティングタスクの複雑化やゲーミングへの広がりにより、PCによる作業には不可欠だったマウスに新たな付加価値が求められるようになっていた。それは例えば入力操作に対して正確に、かつ鋭く反応できることなどだ。そして当時、少しずつ普及してきたワイヤレスマウスも長時間駆動を実現するパワーマネージメント性能、手軽に扱えるハンドリング感の向上が求められていた」

 これらユーザーからの期待に応えるかたちでMXシリーズは好発進を遂げたのだ。

 その後、MXシリーズのマウスはさらに多機能化を進め、当時の携帯電話やPC以外のデバイスとのリンク機能にも対応していった。2006年には一般的なウェブコンテンツの拡張に伴い、マウスのスクロールホイールの高機能化が求められるようになり、「スマートシフト」機能を載せたワイヤレスマウスの「MX Revolution」を商品化した。続く2007年にはPCとの無線通信を安定させるためのUSBドングル「Nanoレシーバ」を同梱する「VX Nano」を発売。以降、MXシリーズがハイエンドマウスの進化をリードすることになる。

2007年発売のVX Nanoから2.4GHz帯のデジタル無線伝送に対応するUSBトランスミッターが採用された。

 2009年には現在のMXシリーズにも搭載されている看板機能である「Darkfield Laser Technology」が登場。クリアなガラスプレートの上でも、マウスポインタの正確なトラッキングを実現して、当時のワイヤレスマウスのトレンドを「トラッキング精度」と「パワーマネージメント」による競争へと導いた。

 そして2015年にはマルチデバイス/マルチOS対応のワイヤレスマウス「MX Master」シリーズが発表される。当時は既にノートPCのセールスがデスクトップPCのそれを逆転し、ノートPCが搭載するトラッキングパッドが高機能化を果たしていた。結果、マウスの人気が陰りを見せ始めていたが、Logitechが2台のPCをシームレスに操作できるMXシリーズを出したことによって、業務で多くマウスを活用するプロフェッショナルから熱い視線がMXシリーズに注がれた。

2015年のモデルからマルチOS、マルチデバイス対応を強化。

 2017年には、1台のマウスに最大3台までのPCを同時に接続してシームレスに使える「Logitech Flow」のソフトウェアによる革新が到来した。その後は2017年に、クリエイターをターゲットに快適な操作感を徹底追及した現行モデルの「CRAFT」が発売される。

数多くのデザインモックアップを制作して、徐々に実用的なホールド感とルックスの美しさのバランスを整えていく。ブラッシュアップの工程をジャスパー・プア氏が説明してくれた。

 ポリアンカー氏は「長年の歩みの中で、Logitechはいつも熱心なMXシリーズのファンに支えられてきた。彼らの中にはビジネスパーソンやクリエイターもいれば、一般のPCユーザーもいる。私たちがMXシリーズに込める情熱をより多くの人々に伝え、広めたいという思いから、今回MXシリーズのワイヤレスマウスとワイヤレスキーボードの新製品を同時にお届けすることを決めた」たと語り、多くのユーザーにMXシリーズの進化を体験してもらいたいと呼びかけた。

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