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売るに売れない「ワケあり」不動産、激安物件のプロに聞く有効活用法

2019年09月04日 06時00分更新

文● 福田晃広(ダイヤモンド・オンライン

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日本全国で増え続けている「空き家」。空き家の過剰供給の影響もあり、買い手が見つからず、困っている人が増えているという。著書『売りたいのに売れない!困った不動産を高く売る裏ワザ』(ぱる出版)がある不動産会社リライト代表取締役の田中裕治氏に詳しい話を聞いた。(清談社 福田晃広)

建て替え不可物件は
数万円でも売れない

売るに売れない不動産を「なんとかする」方法とは...?
再建築不可物件で、かつ長年空き家だったとなると、売るのは非常に困難になる。親が元気なうちに、不動産の相続についてしっかり話し合っておくべきだ Photo:PIXTA

 総務省の『平成30年住宅・土地統計調査』によると、2018年時点で全国の空き家数は846万戸、空き家率は13.6%と過去最高を更新している。1988年から2018年の空き家数の推移を確認すると、30年間で2倍以上も増加しているのだ。

 都市部への人口が集中しているため、地方の場合、一軒家や別荘地であっても数万円という価格で売買されることも決して珍しくない。

 日本全国の激安物件を取り扱う田中氏のもとには、「両親から相続した不動産を売りたいのに売れない」と、相談に来る人が年々増えているという。

「どうしても手放せずに困っているという相談は、建て替え不可かつ長年空き家の状態で傷んでいる物件であるケースが大半。しっかり手入れがされている一戸建てなら、いくら地方だとしても売れないことはそんなにありません。ただし、長年ほったらかしの状態で床や天井がボロボロで雨漏りしていたり、獣がすみ着いていたりする物件だと極端な話、数万円に値段を下げても売れないことはざらにあります」
 
 また、田中氏によれば、物件以外にも親から田んぼや畑を相続したものの、農業をするつもりはないので処分したいという相談も少なくないという。

「農地には、農業以外に転用できない土地(農用地)と、農業以外の用途に転用できる土地の2つに大きく分けられます。前者の農用地の場合、売るにも貸すにも、農家の人か農業法人のみ対象なのですが、そもそも需要がないので取り扱いが相当困難。後者の転用可能な農地であれば、買い手は農家、農業法人に限られませんし、駐車場、資材置き場、太陽光や風力発電など、使い道があるので、農用地に比べれば、まだ打つ手はあります」

建て替え可能にするため
隣人の土地を買う

 このように買い手や借り手が見つからない物件は、毎年余計な固定資産税がかかってしまうため、なるべく早めに処分すべきなのは言うまでもない。

 しかし、すでにいわゆる“ワケあり不動産”を所有している人は、どうしたらいいだろうか。田中氏はこう助言する。

「売れない理由として、古すぎてリフォーム代が数百万円かかってしまうこと以外にも、現在の建物を壊して、新しく建て替えできない点もネックになります。建築基準法によると、原則、建築基準法で指定された幅4m以上の道路に2m以上、家の敷地が接していないと『再建築不可物件』に該当するのですが、これを再建築可にする方法はいくつかあります。一番スタンダードな方法は、接道するために隣に住んでいる人から2m以上になるよう、土地を購入することです。そうすれば、建て替えができる物件に様変わりするので、相場の値段で売れるようになります」

 多くの不動産会社は、再建築できるようにする方法を知らないだけで、ほかにも、隣の人と土地を交換して道路に接する敷地を広げる方法や、自分の宅地内に2m×2mの空き地をつくる方法など、さまざまな手段があるという。
 
 建て替えができなくても、貸すことで家賃収入を得られるかもしれないが、「状態が良くても、リフォーム代に最低でも300万~400万円はかかる」と田中氏は言う。その費用を回収するのに何年もかかることを考えれば、貸すのも簡単ではないのだ。

固定資産税を払いすぎていないか?
納税通知書をチェック

 このように、手放せない不動産を売る方法はあるにはある。だが、売るためにはそれなりに時間がかかることも覚悟しなければならない。

 となると、それまでしばらく固定資産税を払うことになるわけだが、ほとんどの人が知らない事実として、役所から送られてくる固定資産税は、実際よりも大きな額だと、田中氏は指摘する。

「固定資産税ほど過徴収の多い税金はなく、総務省の調査でも平成21年度から平成23年度の期間で、税額の修正が1件でもあった自治体の割合は、97%もあったそうです。払う前に納税通知書が届いたら金額をチェックし、少しでも高いと思ったら、役所に問い合わせてみることをオススメします」

 また、固定資産税についていえば、建て替えできないからといって空き家を壊して更地にしてしまうと、これまで払ってきた金額が大幅に跳ね上がることも。

「敷地面積が200平方メートル以下の場合、住宅用地の軽減特例(固定資産税が6分の1、都市計画税が3分の1に軽減)がなくなるので、その土地にかかる固定資産税は3~4倍になります。建て替えできないからといって更地にしても売れるとも限らないため、慎重に判断しなければならないでしょう」

 親が元気なうちに不動産の相続について、しっかり考えなければならない時代がきているのだ。


※本記事はダイヤモンド・オンラインからの転載です。転載元はこちら

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