このページの本文へ

前へ 1 2 次へ

育児におけるスマホの使い方を考える

2019年09月06日 09時00分更新

文● せきゅラボ編集部

  • この記事をはてなブックマークに追加
  • 本文印刷

使いすぎに注意しつつ、ほどよい距離感を探そう

 一方、デメリットとしては、まず「動画を見すぎてしまう」「アプリを使いすぎてしまう」ということが挙げられるだろう。無数の動画やアプリがある現代では、やめどきを設定するのはむずかしいもの。周囲の大人が食事中や移動中もスマホを見ていると、子どもも真似したくなる。なかなか制限というやり方に納得させられないかも知れない。大人はスマートフォンを使う場合、よい手本にならないといけない。

 大人側がスマートフォンに熱中しすぎて、子供から目を離してしまうリスクもある。しかし、大人が何かに目を奪われて子供への注意がおろそかになる、というのはスマートフォンに限った話ではない。惰性で使い続けて、スマートフォンより子供を優先しないようにする、と親が決意することが大事だ。

 もちろん、セキュリティー面で気を配ることはとても重要。子どもを守るフィルタリングや機能制限はかならず設定しておきたい。セキュリティーに関するソフトウェアを入れておくのも大事なことだ。さまざまな機能をすべてオフにすればよいというものでもなく、それぞれの機能にまつわる有用性と危険性について、保護者はいたずらに禁止するのではなく、使い方についてよく話し合うことが肝心だ。

 スマートフォンが当たり前になった現代からこそ、頭ごなしに否定したり、無条件に肯定したりするのではなく、育児における有用な使い方をじっくり考えていきたい。今回はMcAfee Blogから「手抜きじゃない! 『スマホ』と『育児』の上手なリズム」を紹介しよう。(せきゅラボ)

※以下はMcAfee Blogからの転載となります。

手抜きじゃない! 「スマホ」と「育児」の上手なリズム:McAfee Blog

 ミルクや離乳食、しつけ、コミュニケーションの取り方……。育児はいつの時代も、正解がないもの。時代ごとのライフスタイルの中で、親は不安や戸惑いも感じながら子育てをしてきました。ネットやスマホが身近になった今も、変わる部分、変わらない部分を見極めながらの子育てに向かい合っている方が多いと思います。

 今ではスマートフォン(スマホ)が生活のあらゆる場面で使われるようになり、年代を問わず身近なものになりました。そんな中で頭を悩ませるのが「スマホ育児」という言葉です。スマホは思わぬタイミングで機嫌を損ねてしまった子どもをあやしたり、知育に使ったりするにも便利なのですが、ともすると保護者に「手抜きじゃないの」といった冷ややかな視線が向けられがちな現実があります。

 一方で子育てを取り巻く環境は、昔のような家族ぐるみ、地域ぐるみの助けが手薄になりながら、保育所不足や女性の就労環境の課題もあり、育児と仕事との両立に負担を感じている人は少なくありません。適切に使う限り、スマホはそんな保護者をサポートする手段になるでしょう。保護者がもっと元気になり、子どもの成長にもプラスになるようなバランスがあるのではないでしょうか。

メリットとデメリット

 子育て中の家庭では、子どもがスマホやタブレットをのぞき込み、アプリや動画サイトに夢中になっているのも普通の光景になりつつあります。そんな「スマホ育児」のメリットとデメリットを挙げてみましょう。

 メリットとしては、まず家事で手が離せないときや、運転中といった子どもの相手をしてあげられないときに、安全に遊ばせておくことができます。また電車やバス、飲食店といった公共の場で急に泣き出したとき、好きな動画を見せるなどしてあやすにも便利です。

 また知育アプリや教育向けコンテンツも充実してきました。文字や計算を覚えるもの。暮らしの知恵やマナーを楽しみながら学べるもの。また遠い場所の自然や海外の文化といった、日常では触れにくい知識を身に付けられるものもあります。デジタルデバイスに慣れさせるという面でも、学習面の意義があるでしょう。

 デメリットとしては、例えば教育上不適切なコンテンツを閲覧してしまう。また熱中しすぎて生活リズムを壊したり、親子のコミュニケーションやスキンシップが減ったりという不安点が挙げられます。

 スマホはまだまだ若いメディアだけに、テレビやマンガ、ゲーム機が登場した頃のように、マイナス面がどうしても気になってしまいます。しかし親以上の世代は、それらのメディアが自分たちに決定的なデメリットをもたらしたわけではないのはご存じでしょう。あくまでも利用の仕方や、見守る側の向き合い方しだいでメリットを多く享受することができるのです。

安全確認、健康面、学習面で期待

 マカフィーはMMD研究所と共同で、子育てとスマホに関係する複数の調査を行ってきました。

 子どもたちはいつからスマホを使い始めるのでしょうか。2016年に発表した「乳幼児のスマートフォン利用実態に関する調査」では、0~2歳までに47.0%、3歳までに60.2%強の子どもが利用開始していました。また子どもが日常的にスマホに触れると回答した人の中で、母親と一緒に利用するという回答が68.5%と最多で、その次に子どもが1人でスマホを使う場合(49.6%)が多くなっています。

 では、どんな用途にスマホの活用が期待されるのでしょうか。2018年に発表した「日本におけるIoT意識調査」で、育児や子育てに関して具体的にIoTでやりたいことについて聞くと、働く母は「別室から遠隔の声かけ」や「勉強の進捗具合や勉強方法のレコメンド」、専業主婦は「健康状態のチェックやアドバイス」や「塾への到着や帰宅の通知」へのニーズが大きいことが分かりました。親はスマホを含むIoT機器に対して、子どもの安全確認のほか、健康や学習面での期待があるといえます。

 逆にいえば現在の親には、これらのサポートが不足しているとみられます。スマホのアプリやコンテンツをうまく活用することで、この“穴”を埋められるのかもしれません。

スマホを会話や教育の機会に

 長時間スマホを利用するデメリットはありますが、大切なのはメリハリです。まずは利用時間などのルールを一家で決めて、親も子どもも惰性で使わないようにしたいところです。

 スマホも1人で使わせるだけではなく、絵本やおもちゃといった“ツール”のひとつととらえれば、コミュニケーションや絆を深めるきっかけになります。時には親子で一緒になって楽しみ、見た動画や遊んだ内容について子どもの理解を深めたり、身の回りのことに当てはめて考えたりできるように声かけしてみるのも良いでしょう。

 生活のリズムにも注意を。諸説ありますが、新生児は1日あたり16時間以上、幼児から小学生で1日9~11時間前後の睡眠が必要とされています。睡眠時間が極端に減るなどの悪影響があるようなら、付き合い方を見直してみてください。また周囲の大人が食事中や移動中もスマホを見ていると、子どもも真似したくなるもの。“良いお手本”になるのも親の大事な役割です。

 また子どもを守るフィルタリングや機能制限は必ず設定し、そして時々見直すのが「スマホ育児」のもうひとつのコツです。子どもの携帯デバイスの約70%は最初に設定した内容から変えていないというデータがありますが、定期的に親子で話し合い、フィルタリングや使える機能の範囲を決めていくこと自体も教育の機会になるのではないでしょうか。成長やITリテラシーの向上、1人ひとりの個性に合わせて変えることで適切な学習が広がります。例えばマカフィー セーフファミリーを利用すれば、一般的なフィルタリングや居場所確認に加えて、Webのカテゴリ別のブロックや、アプリのブロック、アプリの利用時間制限ができるほか、子どもからのリクエストによって「〇分だけ使わせてほしい」という許可をやりとりすることもできます。

 周囲の人やさまざまな制度、グッズに頼るように、上手にスマホにも頼る。上手にスマホを子育てに役立てられるサポートを、マカフィーもしていきたいと考えています。

著者:マカフィー株式会社 CMSB事業本部 コンシューママーケティング本部 執行役員 本部長 青木 大知

※本記事はアスキーとマカフィーのコラボレーションサイト「せきゅラボ」への掲載用に過去のMcAfee Blogの人気エントリーを編集して紹介する記事です。


■関連サイト

前へ 1 2 次へ

カテゴリートップへ