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森ビル「日本一の高層ビル」の野望、5800億円投じ虎ノ門再開発

2019年08月30日 06時00分更新

文● ダイヤモンド編集部,大根田康介(ダイヤモンド・オンライン

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記者会見でプロジェクトの全貌を語る森ビルの辻慎吾社長 Photo by Kosuke Oneda

都心再開発の激戦区である東京・虎ノ門。ここで大手デベロッパーの森ビルが、30年越しとなる総事業費約5800億円の超大型再開発に着手した。森ビルが戦略エリアと位置付ける虎ノ門のプロジェクトが持つ意味を探った(ダイヤモンド編集部 大根田康介)

六本木ヒルズに匹敵
あべのハルカスを超える規模

 30年越しのプロジェクトがついに動き出した。大手不動産デベロッパーの森ビルが8月22日の記者会見で、5日に着工した「虎ノ門・麻布台プロジェクト」の全貌を明らかにした。

 敷地面積は約6万3900平方メートル、総事業費が約5800億円という大型事業だ。計画地は、以前に同社が手掛けた「六本木ヒルズ」(2003年竣工)と「虎ノ門ヒルズ」(14年竣工)のちょうど中間に位置している。

 森ビルの辻慎吾社長は30年もかかった理由について「これだという特定のハードルはなかった」とは話すが、約300人の権利者との合意形成に時間を要していたようだ。1989年に街づくり協議会を設立し、話し合いを重ねる中で、17年に政府から国家戦略特区に選ばれたことで、30年越しの大プロジェクトが日の目を見ることになった。

 このプロジェクトでは、一流の建築家やデザイナーの知恵を結集し、住宅、オフィス、商業施設、ホテル、インターナショナルスクールなどをトータルプロデュースする。中でもメインタワーはオフィスだけでも貸室総面積が約21万3900平方メートル、就業者数は約2万人を見込むほど巨大だ。

 かつてIT長者のシンボルとなった六本木ヒルズに匹敵する規模で、まさに同社の威信をかけた一大プロジェクトといっても過言ではない。さらに高さが約330メートルとなる計画で、現状で日本一の高さを誇る大阪市の「あべのハルカス」(約300メートル)を超えて新記録となる。

森トラストとしのぎを削る
激戦区で存在感を高める

 「虎ノ門は当社の戦略的エリアだ」。森ビルの辻社長は記者会見の中でこう強調した。この言葉から、同社の野望が透けて見える。

「虎ノ門・麻布台プロジェクト」のパース。日本一高いビルができる Photo by Kosuke Oneda

 今はオフィスビルの大開発時代だ。18年から2020年にかけて大量供給されるため、都心には大型クレーンが林立している。18年から20年の年間平均供給量は、98年から17年の105万平方メートル/年を上回る140万平方メートルが見込まれている。

 そんな中でも虎ノ門エリアは多くのプレイヤーが参入し、あちこちで再開発が進む激戦区だ。特に森ビルと森トラストの主戦場となっており、両社はライバルとしてしのぎを削る。両社の創業者は森泰吉郎氏で、もともとは一つの企業だった。その後、同氏が亡くなり子どもたちが経営を引き継いだが、次男の森稔氏と三男の森章氏の間で経営路線の相違が生じ、1999年に森ビルグループから分離独立する形で森トラストが設立された。

 森トラストはすでに虎ノ門で「東京ワールドゲート」プロジェクトを推し進めており、オフィス貸室総面積約10万7600平方メートルの複合施設「神谷町トラストタワー」が20年3月に竣工予定だ。今後、虎ノ門再開発のシンボルの1つとなるだろう。

 そんな中でようやく進みだした森ビルの「虎ノ門・麻布台プロジェクト」。これまで森ビルが手掛けた六本木ヒルズと虎ノ門ヒルズという点と点を線で結び、面でエリアを押さえ、さらに日本一高いビルも建てる。まさに「虎ノ門エリアの再開発は森ビルこそが主役だ」と言わんばかり。創業一族が同じである両社の虎ノ門再開発競争はこれからが本番だ。


※本記事はダイヤモンド・オンラインからの転載です。転載元はこちら

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