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世界銀行、2回目のブロックチェーン債権で1億800万ドル調達

2019年08月21日 18時50分更新

文● Mike Orcutt

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世界銀行がブロックチェーンを基盤とする債権を発行するのは、単なる一度きりの幻ではなかった。2年債を発行してから約1年後、2回目のブロックチェーン債権を発行し、計1億800万ドルを調達した。

債権とは、政府や大手金融機関が資金調達のために使用するローンのようなものだ。債権の保有者は、満期が到来して発行者が債務を返済するまで金利を受け取る。世界銀行は500億ドルから600億ドルの債権を毎年発行し、新興経済国の持続可能な開発プロジェクトの資金にあてている。世界銀行の8月16日付けのプレスリリースによれば、同行はオーストラリア・コモンウェルス銀行(CBA)、RBCキャピタルマーケッツ、TDセキュリティーズ(TD Securities)と連携して債権の管理をするようだ。この債権は、ブロックチェーン上で「ライフサイクルを通じて発行・割当・譲渡・管理」される。

昨年8月、世界銀行はCBAと組み、イーサリアムのブロックチェーン・ソフトウェアのプライベート版を使用して2年債を発行し、約8000万ドルを調達した。今回のプラットフォームでは、投資家が債権を二次市場で取引でき、そこでの取引もブロックチェーンに記録されるようになる。世界銀行によれば、「分散型台帳技術を使って発行と取引を記録する初めての債権」だという。

大規模な組織でのブロックチェーンの実験の多くでは成果が出ていない。しかし、ブロックチェーン債権の2回目の発行をしたことからは、世界銀行が何かにつながると確実に考えていることが伺える。CBAのブロックチェーン・AI担当部長ソフィー・ギルダーも間違いなくそう考えている。「CBAには今、確固たる証拠があります。ブロックチェーン技術が、既存の市場インフラと比較して新たなレベルの効率や透明性、リスク管理能力を実現できるという証拠です」とギルダー部長は声明の中で述べている。

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