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新人が「俺についてこい」で伸びないのは当然、一流の教え方はここが違う

2019年08月19日 06時00分更新

文● ダイヤモンド編集部(ダイヤモンド・オンライン

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この春以降、新卒社員の指導を受け持っているというビジネスマンも多いのでは。肝に銘じてほしいのは、新卒社員の今後の成長を決めるのは、ほかでもない教育者であるあなた自身ということだ。NASDAQに上場している外資系IT企業「ライブパーソン (LivePerson)」の日本法人代表として働く傍ら、多数のビジネス書籍を出版する金田博之氏に、実際に現場で行ってきた新卒社員への対応方法を聞いた。(清談社 島野美穂)

新卒17人中6人が
大型契約を取り付ける快挙

新人の効果的な教育方法とは?
新卒社員17人中6人が、1年以内に大型契約を取り付けるという快挙を生み出した、画期的な新人教育とは? Photo:PIXTA

 新卒社員の教育に関するノウハウは、ちまたにあふれている。しかし、実際の成功事例に勝るノウハウはないだろう。金田氏は30歳の頃に、新卒社員の教育という大きな壁にぶち当たった。

「当時勤めていた会社の事情によって、新卒社員がいっぺんに私の部署に入ってきました。その数17人です。比較的新しい部署に、それだけの新卒が入ってきて、正直どうやって教育すればいいのか頭を抱えました」

 人手が足らず、マンツーマンで先輩社員が教育することは不可能。そこで、新卒をグループ分けし、リーダーを1人ずつ置いて教育していくことにした。最初こそ不安な状況ではあったが、ふたを開けてみると、予想外のことが起こった。

「新卒社員17人のうち、6人が大きな契約を取り付けるという快挙を成し遂げました。それも1年以内にです。前例のない事態ということで、海外支店に向けて発表する機会も設けられたほどです」

 この快挙の裏には、金田氏が行った新卒社員への教育方法があった。

友達に自慢できる仕事が
モチベーションを上げる

 金田氏が行ったのが、新卒社員それぞれに小さなミッションを与えることだった。

金田博之(かねだ・ひろゆき)/1975年山口県下関市生まれ。大学卒業後、グローバルに展開する外資系大手ソフトウェア企業SAPに入社。以来、入社1年目で社長賞受賞、29歳で副社長補佐、30歳で部長に着任、35歳で本部長に昇格。SAP全社10万名のなかのハイパフォーマンス(上位2%)を挙げた人物に7年連続で選抜される。2007年、INSEAD大学でエグゼクティブMBAを卒業。日本の大手製造・流通企業ミスミでGMとしてグローバル新規事業を推進した後、現在はNASDAQに上場している外資系IT企業「ライブパーソン(LivePerson)」の日本法人代表。勉強会を定期的に開催し、参加者は累計1000名を超える。現役のサラリーマンでありながら、これまで8冊の書籍を出版。プレジデント、ダイヤモンド、東洋経済、日経ビジネスアソシエなど各種メディア掲載実績多数。オフィシャルメルマガは2017年・2018年それぞれまぐまぐ大賞を受賞。メルマガ:金田博之のたった一冊のノートで出世する「一流のグローバル人材」への確実な道

「組織の知識を整理して、情報共有の仕組みを高度化するための方法や、会議の生産性を向上させるための施策などのミッションを与えます。ポイントは、調べて、考えられるミッションであることです。責任ある仕事を個人的に任されて、モチベーションが上がるという理由ももちろんありますが、実際のところ、『友達に自慢できる仕事』というのが重要だったりします」

 新卒社員たちは、最初のうちは大学時代のメンバーで集まることも少なくない。そのときに、自信を持って伝えられる仕事であることは、大きなモチベーションになるのだ。これが意外と有効なのだと金田氏。

「また、ミッションを与えることで、上司と会話するための共通言語が生まれるというメリットもあります。自分が会社に入ったばかりのころを振り返るとわかると思いますが、新人のうちは上司と会話しようにも共通言語がないため、話しようがありません。それは上司も同じはずです。共通のテーマを作ることは、むしろやっておくべきことです」

 スタートの段階で共通言語を作ることが、後々、「ホウレンソウ(報告・連絡・相談)」ができる新人社員を育てるのだ。

「新卒社員の教育に悩んでいる人に話を聞くと、『新人がホウレンソウをしてくれない』という声が圧倒的に多いです。しかし、ホウレンソウができない原因は、会話の接点がないことにあります。新卒社員といかに接点を作れるかが、教育のベースになるわけです」

 上司と会話の接点を作ることは、新卒社員に会社の景色を見せることになる。デキる上司には、共通のテーマをできるだけ多く作ることが求められているのだ。

カバン持ちをさせるのは
オールドタイプの上司

 反対に、新卒社員に対してNGとなる行為は、いわゆるカバン持ちだという。

「横で見て覚えろというのは、オールドタイプの人のやり方ですね。結構な確率で脱落者を出します。人が育たないので、自分で自分の首を絞めているにほかなりません。やり方をまねさせるのではなく、やり方を工夫してもらう。この違いを意識することは大切です」

 また、雑用を命じるのもNG行動の1つ。決まったことをこなすだけでは、共通言語もできないばかりか、本人の仕事へのモチベーションは上がることはない。たとえ小さな仕事でも、「考える」「調べる」ことが必要となる業務を任せるというのは、そういうことなのだ。

「現場にただついてこいというのも、古いやり方です。自分がやってきたことを部下にやらせるのはNG。時代はとっくに変わっているということを認識してください。若い世代とは、教育もネット環境もまるで違います。上司たるもの、教え方も常にアップデートしていくべきです」

 個々にミッションを課すという第1段階が終わったら、続く第2段階では、新卒社員でチームを作って作業をさせる。

「会社で働くということは、最終的にはチームワークを求められます。早い段階で、チームワークをさせることは必要です。しかし、ここで重要なのは、チームを作って何か1つの仕事をさせること自体ではなく、チームで作業することで、新卒社員の個性を見極めることなのです」

 リーダーシップを発揮する人や、サポート役に優れている人など、この時点で特性がわかれば、後々仕事を割り振る上でのヒントになる。

「新卒社員には、“できる・できない”で仕事を振らず、まずは考えて、工夫してもらうことを優先してみてください。あなたの仕事の振り方で、新卒社員の成長度合いは大きく変わっていくはずです」

 今まさに、新卒社員の教育について悩んでいる人は、金田氏のアドバイスをもとに指導してみてはどうか。


※本記事はダイヤモンド・オンラインからの転載です。転載元はこちら

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