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世界のベンチャーと日本市場をつなぐNTTデータのグローバルオープンイノベーションコンテストのバックアップ体制を探る

特集
「NTTデータ 豊洲の港から」イベントレポート

提供: NTTデータ

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 次回で第10回を迎えるNTTデータの「豊洲の港から presents グローバルオープンイノベーションコンテスト」。地域の課題やマーケットニーズに焦点をあてたチャレンジテーマを掲げたこのコンテストは、優れた技術やビジネスモデルを持ったベンチャー企業と、新たな価値を求める⼤企業をマッチングさせ、オープンイノベーションを通じて新しいビジネスの創発、そして社会課題の解決を⽬指している。

 世界16都市で行なわれる選考会で優勝した企業に対しては、世界210都市以上の拠点を持つNTTデータのグループ会社が協業を検討し、ビジネス化に向けたアクセラレーションといったバックアップも行なわれる。2020年1月には各地の優勝チームを東京に集めたグランドフィナーレが開催され、優秀な提案から優先的に、NTTデータとの協業によるビジネス化検討が実施される。

 そのビジネス化検討では、NTTデータ内にビジネスサポートチームを組織し、事業化に向けたコンサルティングや、NTTデータの顧客である大企業や幅広い業界へのアプローチ支援、行政への働きかけや法務支援といったバックアップなど、新ビジネスを作るために必要なことに対して一緒に汗をかく体制が用意される。

 今年3月に行なわれた「第9回 豊洲の港から presents グローバルオープンイノベーションコンテスト」のグランドフィナーレに参加した、上海代表のクラウドピック社は現在、NTTデータとともに新たなビジネスの立ち上げを5ヵ月で実施した。そこで今回は、クラウドピック社との協業に取り組んでいる、NTTデータ ITサービス・ペイメント事業本部 SDDX事業部サービスデザイン統括部 デジタルエクスペリエンス担当 部長の風間昭男氏とNTTデータ 技術革新統括本部 企画部 デジタル戦略担当 オープンイノベーション・チーム 主任の顔澤シン氏に、コンテスト後の取り組みの様子を伺ってきた。

2019年3⽉に⾏なわれた第9回のグランドフィナーレの会場。

NTTデータが考える、ベンチャーと組む基準やメリット

NTTデータ ITサービス・ペイメント事業本部 SDDX事業部 サービスデザイン統括部 デジタルエクスペリエンス担当 部⻑の⾵間昭男⽒

 クラウドピック社は、センサー技術や機械学習によるデジタルトランスフォーメーションを実現するレジなし店舗ソリューションを提供する企業。現在NTTデータのクライアントが抱える課題に対し、それを解決するためにもっとも近いテクノロジーを持っていたと⾵間⽒は語る。

——クラウドピック社のソリューションはどのようなものでしょうか?

顔:簡単に⾔うと、QRコードで⼊店し、商品を取ってそのまま店を出られる仕組みで、商店などの⼈⼿不⾜解消が⾒込めます。実際に上海でビジネスを⾏なっており、そのユーザー体験を⽇本に紹介して、⽇本市場に新しい技術を展開していきたいと考えています。

⾵間:今回の取り組みでは、スキャンレスで物が買えるだけでなく、チェックインのデータが取得できます。インターネットでECサイトにアクセスすると、ページを開いた瞬間にトレースされていて、アクセスしたけど購⼊しなかった、途中まで選んだけど最後まで到達しなかったといったデータが取得されているので、それに合わせたマーケティングがなされます。しかし、リアルの世界にはそういった仕組みがありません。そうしたマーケティングをするには来店したという情報が必要で、そこにはスキャンレ スという価値が必要でした。様々な技術を組み合わせれば実現できますが、クラウドピック社の技術は精度とスピードが⾼かったのです。

——そのソリューションを使えばデータが取得できて、課題が解決するというわけですね。

⾵間:弊社はBtoBtoCのビジネスモデルなので、基本的にはBの課題を解決するわけですが、テクノロジーだけではすべての解決策にはなりません。業務や会計の基準も作らないといけないですし、費⽤対効果も算出しなければならず、テクノロジー以外に解決する課題がたくさんあります。それらが解決すると、このテクノロジーが活きるビジネスが⽣まれます。

——クライアントの課題を解決するためにクラウドピック社との協業を進めているわけですが、そうしたベンチャー企業と組む魅⼒というのはどこにありますか?

⾵間:ベンチャーは最初に⾃分たちでリスクをとってプロダクトを仕上げてくるところですね。スーパーアーリーステージで我々が作っていくと打率が悪いので、プロダクトを作るところまでやってくださるのは⾮常にありがたいです。

——ベンチャーと協業すると決める判断基準はどのようなものになりますか?

⾵間:実績や従業員数などもありますが、実際に会いに⾏って、信頼できるかどうかといったことも⾒ますが、1回や2回会うだけでは決めません。何回も会って、案件に対してどのくらいコミットしていただけるかを⾒極めます。

——ベンチャー側からしたらNTTデータと協業できるというのはそれだけで魅⼒だと思いますが、どのようなメリットがありますか?

顔:やはりいろいろな企業に対するチャンネルがあるということでしょうか。弊社に提案していただければ、弊社が持っている様々な業界へのチャンネルを使って、多くのお客さんに同時にアプローチできます。

⾵間:ベンチャーが⼤きなビジネスをする場合、例えば基幹システムとの接続などをつなげてくれるパートナーがいないので、そうした市場をカバーできるパートナーシップが組めます。また、海外のベンチャーの場合、ローカルといった⾯で翻訳や⾏政との調整、輸出⼊といったところをサポートができます。 また弊社で、CAFISというクレジットカードのネットワークや、Twitterの全量データを持っているので、ベンチャーがテクノロジーを使って何かを作った際、そうしたデータを掛け合わせたらどのようなことができるかといった取り組みが考えられ、それがお互いにいいソリューションを作ることにつながるのではと思っています。

——NTTデータは海外にも拠点があるので、⾃分の国以外との協業とかも考えられますよね。

⾵間:⽇本のコンテストではありますが、そこに応募してもらえれば弊社のグループ会社と組むといった、世界に向けたイノベーティブ路線も考えられますね。⽇本のベンチャーの場合、従業員が少ないこともあってローカライズの対応ができなかったり、そうした部分に⼈を割けないということもあると思います。弊社と協業できれば、それを弊社のソリューションという形で組み込んで、海外の⼦会社を経由して販売するといったこともできます。

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